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新築や築浅に比べ、リーズナブルな物件が多い築40年の戸建て。購入後にリフォームして理想の住まいを実現するという選択肢もありますね。とはいえ、築40年となると劣化も気になります。
今回は建物の寿命の考え方や、物件選びの際にチェックポイント、リフォーム事例をご紹介します。
築40年の戸建てには何年住める?
築40年の戸建てを購入する上で気になるのが、「あと何年住めるのか」について。
売却する予定がなく、老後も住み続けたいと考えているのであれば、この先もずっと住み続けられるかどうかが重要になってきます。住宅の寿命を表す指標の一つである耐用年数は、以下のとおりです。
木造:22年
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造):47年
鉄筋コンクリート造(RC造):47年
鉄骨造:19〜34年
耐用年数と実際の寿命は異なるため、きちんとメンテナンスを行えば上記以上に長く暮らせます。
なかでも鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨造は耐久性が高く、建物がしっかりしているため、リフォーム前提で購入するならおすすめです。
築40年の戸建てに長く住むには適切なタイミングでのメンテナンスも重要
戸建ての耐用年数については先ほど紹介したとおりですが、築40年の戸建てにより長く住み続ける上で重要になるのが適切なタイミングでのメンテナンスです。
住宅は適切なタイミングでしっかりとメンテナンスすることで、耐用年数よりもずっと長く住み続けられるようになっています。特に鉄筋コンクリート造の住宅は寿命が長く、メンテナンスを怠らなければ100年以上住み続けることも可能です。つまり、築40年の戸建てであっても、適切にメンテナンスしていれば60年以上住み続けられる可能性があるということになります。
ただ、適切なメンテナンスのタイミングは設備によって異なるので、どのタイミングでどの設備のメンテナンスが必要になるか把握しておくことが大切です。住宅設備ごとのメンテナンスのタイミングは以下のとおりとなっています。
給排水管:15年〜
屋根:15年〜
外壁:10年〜
水まわり:15年〜
内装:10年〜
住宅設備の種類はさまざまで、それぞれ耐久性の高さが異なるため必ずしもこの期間でメンテナンスが必要になるわけではありません。ただし、この期間をすぎると何かしらのメンテナンスが必要になってくる可能性がある点については覚えておくようにしましょう。
築40年の戸建てを購入するときの物件選びのポイント
購入する物件を選ぶ際に注目するべき重要なポイントとしては、
・外観の状態
・建物の中の状態
・雨漏りが発生していないか
・シロアリによる被害が発生していないか
・カビが発生していないか
などがあげられます。
これらのポイントを意識しながら物件を選ぶようにすれば、物件選びでの失敗は避けられるようになるはずです。
それぞれ詳しく解説していきます。
外観の状態
まずチェックしておきたいのが、外観の状態です。
・屋根材の剥がれや破損
・屋上のひび割れ
・屋上やベランダの水はけ
・外壁の剥がれや破損、ひび割れ
などが、代表的なチェックポイントとしてあげられます。
外壁や屋根の補修は足場の設置が必要になる分、費用もかかるので、しっかりとチェックしておくようにしましょう。
屋根や外壁の色あせやコケなどの汚れ程度であれば問題ありませんが、剥がれや破損、ひび割れは要注意。
また、雨樋からしっかりと水が排出されているかについても確認しておくことをおすすめします。
建物の中の状態
築40年の戸建ては築年数が古い分、建物内の住宅設備の劣化が進んでいる可能性が高いので、建物の中の状態についても入念にチェックするようにしましょう。
代表的なチェックポイントとしては、
・壁紙やフローリングに破損や汚れはないか
・水まわりの給排水がスムーズに行えるか
・給湯器などの住宅設備が問題なく使用できるか
などがあげられます。
築年数が古い分ある程度の劣化は仕方ありませんが、リフォームが必要な箇所が増えれば増えるほどコストもかさむので、なるべく劣化の少ない物件を選ぶようにしましょう。
雨漏りが発生していないか
築40年の戸建てのような築古物件を購入する上で特に注意しなければならないのが、雨漏りです。
雨漏りは軽度なものであれば数万円で対応できますが、住宅の内部にまで影響しているような重度なものになると数十万〜数百万円単位の補修費用が必要になることもあります。実際に雨漏りが発生している物件はもちろん、天井のクロスや壁紙にシミのある物件は雨漏りが発生している可能性があるので注意が必要です。
また、屋上やベランダの水はけが悪い物件も要注意なので、それらの箇所もしっかりと確認するようにしてください。
シロアリによる被害が発生していないか
シロアリによる被害も雨漏り同様費用がかさむ補修の一つです。
シロアリは駆除するだけで20〜30万円ほどかかりますし、土台に被害が出ているようなケースでは、補修に数十万〜数百万円かかることもあります。シロアリは湿度の高いジメジメした木材を好むため、シロアリの被害が発生している住宅は雨漏りやカビにも注意が必要な住宅だと想定されます。
土台となっている木材に腐食が見られないかチェックし、シロアリの被害が見られる物件はなるべく避けるようにしましょう。
カビが発生していないか
築古住宅には、断熱性能が十分でなかったり、構造的にカビが発生しやすいなどのデメリットがあります。カビは健康被害を引き起こしますし、カビが生えやすい住宅は風通しがよくなかったりもするので避けるべきです。
購入を検討する場合は、断熱リフォームや通気性を向上させるリフォームで対策できそうかどうかチェックした上で購入するようにしてください。
ホームインスペクションもおすすめ。CRAFTなら無料で実施
築40年の戸建てを購入する際の物件選びではさまざまなポイントをチェックする必要がありますが、自分でチェックしようとすると、重要な劣化や欠陥を見落としてしまうなど正しく判断できないことがあります。
そこでおすすめなのが、「住宅診断(ホームインスペクション)」です。
ホームインスペクションとは、住宅診断士に住宅の状態をチェックしてもらえるサービスです。住宅診断の専門家である住宅診断士が中立的な目線でチェックし、アドバイスしてくれるので、状態のよくない物件の購入を避けられるというメリットがあります。
通常、戸建てのホームインスペクションには5〜12万円ほどの費用がかかりますが、CRAFTであれば無料で行うことができます。
築40年の戸建ては建て替えとリフォーム、どっちがおすすめ?
築40年の戸建てはさまざまな箇所の劣化が進んでいる可能性がある分、費用もかさみがちです。
そのため、「いっそ建て替えてしまった方がいいのでは?」と考える方も少なくないかと思いますが、建て替えとリフォームのどちらで対応するべきかは、住宅の状態やかけられる予算によって異なります。また建物自体が頑丈な鉄筋コンクリート造や鉄骨造は建て替えよりもリフォームの方が安くなりますが、木造の場合は建て替えとリフォーム費用がほとんど変わらない場合も。どちらがお得かはケースバイケース。CRAFTにご相談いただければ、それぞれのメリット・デメリットをお伝えさせていただきます。
リフォームを前提に築40年の戸建てを購入するときのチェックポイント
住宅の不具合や劣化を解消するためのリフォームではなく、間取りを大きく変更するなど理想の住まいを実現するための大規模なリフォームを検討しているのであれば、住宅の構造もチェックしながら物件を選ぶようにしなくてはいけません。
戸建ての構造にはいくつか種類があり、柔軟に間取りを変更できるような構造もあれば、撤去できない壁があり、間取りの変更に制限が生じてしまうような構造の住宅もあります。物件を購入してからイメージ通りにリフォームできないことが判明するケースも少なくないので、ワンストップリノベーションの会社を利用するなどしてそのようなトラブルが発生しないようにしましょう。
築40年の戸建てのリフォーム事例
築40年の戸建てを購入してリフォームしたいと考えている方にぜひチェックしてほしいのが、実際に築40年の戸建てを購入してリフォームした方の事例です。事例をチェックすることで、物件選びのポイントやリフォームのポイントなど、参考になる情報が色々と見えてきます。
ここでは、クラフトでサポートさせていただいた築40年の戸建てのリフォーム事例を2つ厳選して、ご紹介していきます。
事例1. 葉山の海と富士山を見渡せるゆとりのあるリビングが魅力の住まい
こちらは、葉山の高台にある築40年の戸建てを購入してリフォームした事例です。
150㎡あるものの部屋数が多く、窮屈な印象を受ける間取りでした。そこで、必要のない和室や廊下を取り込み、18畳のゆとりのあるリビングに変更。構造的に撤去できない柱とブレースがありましたが、白く塗装することで違和感なく空間に溶け込ませています。
また、床の段差をなくして窓を大きく開口したことでリビングとテラスに一体感が生まれ、より広がりの感じられる空間になりました。
事例2. 木が主役のラグジュアリーな和モダン住宅
こちらは、築40年の戸建てをリフォームした事例です。
こちらの物件は躯体や設備が老朽化していたため、一旦スケルトンにして、基礎の補強も含めたリフォームを行いました。家族が集うリビングは、日当たりのいい2階に移動。南側にあるマンションからの視線を遮るために障子を配置したことで、よりリラックスできる空間になりました。より開放感を感じられる空間にするために天井をあげたことで梁があらわになったものの、木をふんだんに使ったデザインに違和感なくマッチしています。
白木のような明るい色味の木を多く採用したことで、落ち着ける空間になっただけでなく、ラグジュアリーさも感じられる和モダンな空間に仕上がりました。
築40年の戸建てをリフォームするなら補助金や助成金の情報もチェック
築40年の戸建てをリフォームするのであれば、補助金や助成金の情報も忘れずに確認しておくようにしましょう。
住宅のリフォームの中には、
・バリアフリーリフォーム
・耐震性能を高めるリフォーム
・省エネにつながるリフォーム
など、国や自治体の補助金や助成金の対象となるリフォームもあります。
補助金や助成金の内容は自治体ごとに異なり、また基本的に事前の申し込みが必要になるので、必ず前もって情報をチェックしておくようにしましょう。
〈まとめ〉築40年の戸建ての購入とリフォームはプロと進めるのがおすすめ
ご紹介したとおり、築40年の古い戸建てであっても、リフォームによって理想の住まいを実現することができます。
ただ、築年数の古い物件は躯体や設備の劣化が進んでしまっている可能性があるので、物件選びは慎重に行わなくてはいけません。リフォームを前提とした築40年の戸建ての購入は、ぜひ、ワンストップリノベーションのCRAFTにお任せください。
CRAFTでは、築古物件の購入時に欠かせないホームインスペクションも無料で行なっています。物件のリサーチからリフォームまでトータルでサポートさせていただきますので、ぜひ一度ご相談ください。
CRAFTのモデルルームで「中古物件購入+リノベーション」を相談する
※リフォームのみもご相談いただけます
<著者>上原 宏介
住宅関連のコンテンツ作成を得意とするライター。専門的な言葉や用語が多くわかりづらくなってしまいがちな建築・リフォーム関連の情報をわかりやすくお伝えしています。さまざまな媒体で建築・リフォーム・不動産関連のコラムを多数執筆中。