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クールで素敵なコンクリート打ち放し住宅。しかし「寒い」「結露がある」といったデメリットもあります。そこで今回はコンクリート打ち放し住宅のリフォームのポイントをご紹介。デメリットを解消しつつ、デザイン性を活かしてモダンな住まいに一新しましょう。
コンクリート打ち放し、冬の寒さと結露が大変?
コンクリート打ち放しの家に住んでいると、寒さや結露に悩むことがあります。コンクリート打ち放しの物件は、外気の影響を受けやすいためです。また外気の冷気をためこみやすく、室内と屋外の温度差によって結露もできやすくなっています。
コンクリート打ち放しの家は「おしゃれ」なイメージがありますが、「住みやすさ」となるとそれはまた別の話です。
コンクリート打ち放しの壁が寒い理由は?
コンクリート打ち放しの家が寒い理由は、コンクリートの熱伝導率が高いためです。つまり、コンクリートは断熱性が低く、外気の影響を受けやすいということです。
また、コンクリートは暖まりにくく冷めにくいという特徴を持っています。一度室内を暖めれば暖かさは持続しますが、暖まるまでに時間がかかります。病院やホテルなど大規模な施設であれば、24時間暖房をつけっぱなしにできるため、コンクリート打ち放しでも暖かさを感じられますが、一般家庭では難しいでしょう。
また夏も同様で、コンクリート打ち放しの物件は躯体に熱を貯蓄するため、冷房をつけてもなかなか涼しくなりません。コンクリート打ち放しの家に住んでいて、寒さや結露に悩んでいる場合、リフォーム工事で断熱性能を向上させることが選択肢の1つとなります。
コンクリート打ち放しのメリットとデメリットは?
コンクリート打ち放しの物件にはメリットとデメリットの双方があります。コンクリート打ち放しの物件に興味のある人や検討中の方は、メリット・デメリットを踏まえたうえで選ぶことが大切です。
コンクリート打ち放しのメリット
コンクリート打ち放しの物件のメリットを2つ紹介します。
〈1〉モダンでスタイリッシュ
コンクリート打ち放しの物件は、そのモダンさ、スタイリッシュさが大きな特徴です。コンクリートの打ち放しで、デザイン性の高い家を実現できます。また、コンクリートは金属やガラス、木材などさまざまな素材と合わせやすいため、素材同士の組み合わせ次第ではあたたかくクールな空間、モダニズム建築のような空間を作ることができるでしょう。
〈2〉遮音性が高い
コンクリート打ち放しの物件は、RCもしくはSRCとなり、住宅の間を区切る界壁はコンクリートで作られるため、遮音性が高くなります。そのため、隣人の騒音に悩まされるリスクが低くなるでしょう。ご自宅で音楽を楽しみたいという方も、近隣への迷惑になりにくいため安心です。
コンクリート打ち放しのデメリット
メリットの一方で少なからずデメリットもあります。ここではコンクリート打ち放し物件のデメリットを2つ紹介します。
〈1〉夏は暑くて冬は寒い
コンクリートは熱伝導率が高く断熱性が低いため、外壁と内壁の両方がコンクリートで作られていると夏は暑さに、冬は寒さに悩むこととなります。断熱性が低いと冷暖房も効きにくく、エネルギーのロスも大きくなり、光熱費が高くなる可能性もあるでしょう。
また、外気を溜め込みやすいという特徴があるため、屋外との気温差から結露ができやすい点もデメリットです。結露がひどくなるとカビが発生する可能性もあるため注意しなければなりません。
〈2〉劣化が目立ちやすい
外壁がコンクリート打ち放しの場合、雨風によって汚れやすく、外壁の劣化や汚れが目立つ可能性があります。デザイン性を考慮してコンクリート打ち放しの物件を購入する人も多いと考えられるため、こまめなメンテナンスは欠かせません。
コンクリート打ち放しの家に住む時のポイントは?
コンクリート打ち放しの物件に住む場合、断熱材を活用して建物の断熱性を高めることがポイントです。コンクリートの断熱は、外断熱と内断熱の2つの方法で行えます。外断熱は、外壁を断熱材で囲む方法で、内断熱は躯体の内側に断熱材を充填する方法です。人間でいうと、ダウンコートを着て外側から温めるか、インナーを着て内側から温めるかの違いだと考えてください。ただし、内断熱に比べて外断熱の方がコスト・工期ともにかかりやすいため、リフォームでは内断熱を選ぶケースが多くなっています。
なお、外断熱を利用すると外壁のコンクリートの風合いが失われ、内断熱を利用すると室内のコンクリートの風合いが失われるため、工事を行う際はよく検討しなければなりません。
コンクリート打ち放しの家の結露はどうやって防ぐ?
コンクリート打ち放しの家に住む場合、寒さ対策に加えて結露対策も必要不可欠です。ここでは結露を防ぐための具体的な方法について解説します。
窓の断熱性能を高める
リフォーム時は断熱性能を高めることで結露予防となります。結露は室内と屋外の気温差によって発生するため、外気の影響が大きいと結露が発生しやすくなります。断熱性を高め、外気の影響を受けにくい状態にすることが大切です。
特に窓は、隙間から外気が入ってくることがあるため、窓ガラスを断熱性能を備えたペアガラスにする、サッシを二重にするなどして断熱性を高める必要があります。
通気性をアップする
室内の湿った空気も結露の原因となるため、定期的に換気を行い、湿った空気を排出することも結露予防には欠かせません。窓を開ける、換気口や給気口を活用するなどしてこまめに換気を行いましょう。また、家具の配置を変えることで空気の流れがスムーズになり換気しやすくなることもあります。
クラフトのリフォームでは、通気性を高める間取りをご提案します。
防カビ処理を施す
直接的な結露予防ではありませんが、結露がひどくなるとカビが発生するため、いざという時に備えて防カビ処理を施すことも大切です。コンクリートを綺麗にしたうえで防カビ塗料を塗りましょう。なお、カビは種類によって使用する塗料が異なり、あるカビに対しては効果的な塗料が別のカビに対しては逆効果となるケースもあります。安全に防カビ処理を施すためにも、処理は専門業者に依頼しましょう。
〈まとめ〉リフォームで断熱性アップ!寒さ・結露対策をしよう
コンクリート打ち放しの家は、そのデザイン性の高さの一方で、断熱性が低いため寒さを感じやすいという特徴があります。また、外気との気温差により冬は結露ができやすい点にも注意しなければなりません。寒さ・結露対策としては建物の断熱性を高めることがポイントです。断熱方法には大きく分けて、内断熱と外断熱があります。どちらも断熱性を高める点は同じですが、工期やコストに違いがあるため、工事を行う際は慎重に検討する必要があります。
コンクリート打ちっ放しのリフォーム・リノベーションは、実績豊富なCRAFTにお任せください。
<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。