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世界中の高級ホテルやレジデンス採用されている〈JAXSON/ジャクソン〉のバスタブ。「JAXSONのバスタブが入っている」と聞けば、それが一流の証に聞こえます。
一流ブランドのマスターピース(名作)をご紹介するシリーズ。
第6回目は〈JAXSON〉の愛すべきバスタブ、「Barco/バルコ」をご紹介します。
日本生まれの世界的ブランド〈JAXSON〉
グランドハイアットソウル、マンダパ・リッツカールトン・リザーブバリ、マカオMGM GRAND、シャングリ・ラホテル東京、コンラッド東京。数々の一流ホテルで目にする〈JAXSON〉のバスタブ。
そのラグジュアリーなブランドイメージから「JAXSONは海外ブランド」と思う方が少なくないようです。しかし、正真正銘のメイド・イン・ジャパンブランド。国内の自社工場で、熟練した職人の手しごとによって生産されています。
そんな日本生まれの〈JAXSON〉のバスタブには、大きな特徴が。肩まで湯船に浸かって、体をしっかりあたためることができる「深さ」です。日本人特有の入浴文化に合わせたコンセプトに、海外メーカーのバスタブとの明確な違いを感じます。
さらに、「家族で入浴する」ことを前提としたサイズ展開も〈JAXSON〉らしいこだわり。子供が小さなうちは一緒に入浴したい。家族のささやかな幸せに、デザイナーのあたたかい眼差しが向けられています。
「日本が誇る風呂文化で、世界に勝負を挑もう」
〈JAXSON〉の設計は、創業者兼デザイナーの清水秀男会長が担っています。イタリアンモダンファニチャーに刺激を受け、家具修行のために渡伊した20代の清水会長。しかし、ふとしたことからイタリアの入浴文化の乏しさに気がつきます。イタリアの富裕層は、家具や絨毯ほどバスタブにこだわる人がいなかったのです。
「日本が誇る風呂文化で、世界に勝負を挑もう」と、帰国後すぐに自宅のガレージで試作品づくりをスタート。1982年、たった4人のメンバーで、〈JAXSON〉が誕生しました。
その10年後、清水会長は前代未聞のバスタブ開発に取りかかります。汚れにくく、肌触りがなめらかなアクリルバスの一体成型。今の〈JAXSON〉の原型です。
陶器のように滑らかな光沢。体を心地よくホールドする凹凸。アクリル濃度の高さから生まれた白さは、湯を張るとあざやかなブルーを映します。そして、湯船に浸かったときの吸い付くような肌なじみ。〈JAXSON〉のバスタブの入り心地は、ほかのどんなバスタブとも違っているのです。
握りバーや排水栓には無垢のステンレスを使用し、重厚感を演出。ジェット機能やベッドレストなどはセレクト可能で、〈JAXSON〉を自分らしくカスタマイズできることも愉しみの一つです。
インテリアとしてのバスタブ「Barco/バルコ」
〈JAXSON〉のマスターピースとしてご紹介するのは、2005年発売の「Barco/バルコ」。「インテリアとしてのバスタブを」というコンセプトが際立つプロダクトです。
別荘のバルコニーやテラスにレイアウトし、非日常感を演出したり、ガラス張りのバスルームに上質な家具のようにレイアウトしたり。空間に置くだけで、インテリア性をアップしてくれます。
バスタブを包むのは、高級アウトドアファニチャーにも使用されているラタン調カバー。セブ島の職人によって、手しごとで丁寧に編み上げられています。
バルコとは、スペイン語で「小舟」という意味。澄みわたったブルーの海を航海するような、リラクシーなひとときを約束してくれるはずです。
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世界に誇るバスタブのトップブランド。家具のように美しく、オリジナリティあふれるプロダクトを作り続けています。青山骨董通りにショールームあり。
<著者>中野 瀬里乃
大学卒業後、出版社・フリーライターを経て、2013年リノベーション会社CRAFTへ入社。自社HPやオウンドメディアにてリノベーション・不動産・建築・インテリア関連の事例紹介やコラムを多数執筆。