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民族調のエッセンスを取り入れた、オリエンタルインテリアが人気の高まりを見せています。
具体的にはどのようなインテリアなのでしょうか?リノベーション事例のご紹介とともに、魅力ある空間づくりのポイントを解説していきます。
オリエンタルインテリアとは?
「オリエンタル」とは、「東洋風」という意味。どこまでが東洋にあたるのかというはっきりとした定義はなく、トルコやエジプトなどの中東エリアから、広くは中国や日本などの極東アジアまで含まれます。つまりオリエンタルインテリアとは、欧米文化とは異なる国々の民族的な要素を持つインテリアといったところでしょうか。
オリエンタルインテリアにリフォームするポイント
建具の文様やクロスの色にこだわる
一般的な住まいは、白系の無地クロスにナチュラルカラーの建材といったシンプルな構成が多いもの。そこに伝統文様や民族調の配色を取り入れてみましょう。例えばトルコ風やモロッコ風ならアラベスク(幾何学文様)が施されたタイル、中国風なら赤と金の配色を取り入れることで、ぐっとオリエンタルな雰囲気になります。
バランス配分を考える
オリエンタルな要素の配分バランスによってインテリアの印象が異なってきます。建具から家具までとことんオリエンタルな空間にすることもできますし、ほかのスタイルと組み合わせることもできます。洗練されたモダンインテリアをベースに、異国情緒を感じさせる要素をさりげなく取り入れるのも素敵ですね。
家具の置き場所にこだわる
オリエンタルインテリアの住まいにしたいと考える人のなかには、すでにお好きなテイストの小物や家具を集めているケースも多いもの。住まいをリフォームするなら、大切なコレクションに合わせたプランニングがおすすめです。小物や家具の置き場所を確保し、それらが映える素材・色の壁材を選ぶと良いでしょう。
オリエンタルインテリアの実例1
こちらは、バリのリゾートホテルをテーマにしたリノベーション事例です。寝室の天井には年輪が美しいチークの突板を張り、ラグジュアリーな雰囲気に仕上げました。壁の上下にも板を張り、ベッドヘッドのような印象に。その間に設けられた間接照明が、紙を編んだクロスの質感を照らし出しています。
お持ちの上質な家具やオブジェが引き立つよう、間取りを見直してゆったりとした空間に。
寝室と洋室の間には、機能性とデザイン性を両立するルーバーの引き戸を採用。視界を緩やかに遮りつつ、風通しを維持することができます。
オリエンタルインテリアの実例2
こちらは、シノワズリモダンのリフォーム事例です。シノワズリとは、17世紀頃にヨーロッパで流行した「中国をイメージしたデザイン様式」のこと。施主さまが、10年間のヨーロッパ赴任の間に買い集めた食器や家具が調和するよう、シックな色味でまとめました。
廊下の奥にある格子の建具は、シノワズリを意識したデザインで造作。リビングの自然光がオリエンタルな文様を通して廊下に届きます。
廊下の壁には石目が美しい大谷石を張り、絵や掛け軸を掛けられるようにピクチャーレールを設置しました。
オリエンタルインテリアの実例3
海外にお住まいだった施主さまの帰国のタイミングに合わせ、マンションをアジアンモダンにリフォームした事例です。
LDKの一角と廊下に、オリジナルのショーケースを作成しました。落ち着いた色味と美しい木目のチーク材に、旅先で集めたアジアの器や人形が映えます。棚板はガラス製のため、スポットライトの光が下段のコレクションまで届きます。
オリエンタルなデザインの鏡を採用した、ホテルライクな洗面室。
ルーバー扉がリゾート感を演出するとともに通気性を確保しています。収納棚の棚板には、味わい深いアンティーク塗装を施した足場板を採用しました。
オリエンタルインテリアの実例4
下町の一戸建てを、和モダンの住まいにリノベーションした事例です。間取りを見直し、LDKに廊下を取り込むことで広々とした開放的な空間に。リビングに設けた壁面収納には、和紙に漆を塗ったクロスで仕上げました。床はブラックオイルで塗装したオークのフローリングを採用し、お持ちの家具と調和する色合いにまとめています。
サニタリーも和モダンにこだわりました。床に採用した黒の御影石と、壁のガラスモザイクがモダンな印象です。洗面カウンターには、漆で着彩した栗の無垢材、間仕切りには福井の染木組子を採用しました。デザイン性だけではなく、床暖房やタオルウォーマーの設置により快適性も高めています。
オリエンタルインテリアの実例5
既存の意匠を活かしつつ、リビングを和モダンにリノベーションした事例です。壁の一部にはグレーの和紙を張り、味わい深い趣を演出。天板の朱色と脚部の黒のコントラストが印象的な漆塗りの座卓は、オリジナルで製作しました。座卓の上部に設置した灯籠のようなものは、照明を兼ねた換気設備。寒い季節には、ご家族で快適に鍋を囲むことができます。
オリエンタルインテリアの実例7
LDKに隣接する和室を、和モダンにリノベーションした事例です。床には、個性的な黒い畳を採用しました。床から浮かせた飾り棚の壁に赤い和紙を貼り、衝立のような印象に。ふかし壁に設けた間接照明が、空間の奥行きを演出しています。ありふれた和室が、「魅せる和室」に生まれ変わりました。
まとめ
オリエンタルインテリアにリフォームをするなら
・コレクションの配置を考慮する
・建具に伝統文様や伝統色を採用する
・壁や床の素材感、照明計画にこだわる
といったポイントを押さえると良いでしょう。
住まいを東洋のエッセンスが光る空間に生まれ変わらせてみませんか?
<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。