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キッチンや浴室を動かすなら、スケルトンリフォームで

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キッチンや浴室を動かすなら、スケルトンリフォームで

マンションのリフォームでとくに難しいのが、キッチンや浴室といった水回りの移動です。なぜなら〈排水管〉と〈ダクト〉がかかわってくるから。

逆に言えば、〈排水管〉と〈ダクト〉の2つの問題さえ解決できれば、水回りはどこへでも動かせます。それを解決する方法が、スケルトンリフォームです。

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スケルトンリフォームでキッチンを移動…ダクトの経路は?

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まずはダクトについて。たとえばキッチンを移動するとき、キッチン本体とともにレンジフードも動かします。しかし写真からもわかるように、排気ダクトはとにかく太い。家庭用のレンジフードであれば直径15cm(150φ)のサイズです。さらに断熱材を巻くため、最終的には直径25cmほどの空間が必要。

マンションは天井には梁が通っているし、スリーブ(外壁の穴)の位置が決まっていますね。共有部分にあたる梁と外壁に、新たな穴は開けられません。キッチンの移動は、こうした厳しい条件のもとでダクト経路を考えます。

つまり、スケルトンでダクトが丸見えになっている状態でなければ不可能なのです。

スケルトンリフォームでキッチンを移動、排水の勾配は?

キッチンや浴室を動かすなら、スケルトンリフォームで

キッチンや浴室を移動するとき、もうひとつ重要なのが排水管の経路です。考え方はごくシンプルです。排水管の勾配がとれるかどうか。流しそうめんと同じく、管が傾斜していなければ水は流れてくれません。

これには、”二重床か直床”かということも深く関わってきます。

〈二重床〉
床下に十分なスペースがあるため、基本的にはキッチンを移動しても床はフラットなまま。しかし床下のスペースで勾配がとれない場合は、床が上がってしまいます。

〈直床の水回りの移動〉
水回りの床下部分だけが二重床となっているため、キッチンを移動すると床に段差が生じます。

キッチンや浴室を動かすなら、スケルトンリフォームで

二重床で、床下のスペース内で勾配をとれる範囲であれば、キッチンを移動できます。問題なのは直床です。写真のように、水回りだけが部分的に凹んで二重床となっています。ここからキッチンを移動しようとすると、排水管の勾配をとるために床を一段上げざるを得ないのです。

「どうしても床がフラットなままでキッチンを移動したい」という場合は…方法がないわけではありません。

しつこいかもしれませんが、床材をすべて剥がしまうスケルトンリフォームだからこそ検討の余地があることを付け加えておきます。

プランの工夫で、段差をマイナスにしない!

家の中に段差があるのはデメリット。しかしプランによっては、この段差をメリットに変えることができます。スケルトンリフォームの事例から学んでみましょう。

スケルトンリフォーム事例1〈段差を隠してしまう〉

キッチンや浴室を動かすなら、スケルトンリフォームで
スケルトンリフォーム・リノベーションデザイン事例 #00429

こちらはマンションのスケルトンリフォーム事例です。床は直床。キッチンを移動するには床を一段上げる必要がありました。でも床が唐突に上がってしまうのは、やっぱり気になりますよね。

そこで、段差を収納内に隠し、段差が見えないように計画。フラットなイメージをキープしたまま、キッチンを移動することができました。

スケルトンリフォーム事例2〈段差をベンチとして〉

キッチンや浴室を動かすなら、スケルトンリフォームで
スケルトンリフォーム・リノベーションデザイン事例 #00217

こちらもマンションのスケルトンリフォーム事例です。

「夜景を眺めながら入浴したい」というご希望から、窓のある部屋に面した位置にバスルームを大移動。排水管の勾配をとるために、床に段差ができました。

先ほどの事例のように、収納の中に隠してしまうのもアリですが、こちらはあえて段差を活かすことにしました。サイドに本棚を造作し、段差をベンチ代わりに。ちょっとした図書スペースが誕生。NYのロフトアパートメントのようなラフな雰囲気がお好きなら、こうした遊び心のあるプランもよいのではないでしょうか。

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CRAFT 編集部

<著者>CRAFT 編集部

一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。

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