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世の中の中古物件には、驚くくらい「おとり物件」が蔓延しています。しかし、〈おとり物件の見分け方〉さえ知っていれば大丈夫。
今回は、おとり物件の見分け方と特徴をご紹介します。これから中古マンションを買う方は、しっかりと見極めましょう。
おとり物件は、来客をよぶためのエサ!
おとり物件というのは、どういったものでしょうか。大きく3つに分けると、
・本当は物件は存在しない
・物件は存在するけど、売り出していない
・もう成約済み
のどれかです。たとえば、1月の広告で公正競争規約違反とされた1社では、契約済の中古マンションをホームページにずっと掲載していたそうです。販売終了しているのに広告を出し続けるのは、来客を増やすためのエサだから。もっと悪質なケースになると、1014号までしかないのに1015号を安く販売する広告を出したり。これは気がつきませんよね。
そこまでやるか? と思いたくなりますが、実際におとり物件に誘われて不動産会社に来店し、巧みな営業をされ、他の物件で契約してしまう人も少なくありません。まさに不動産会社の思うツボですね。
おとり物件にダマされたために、物件探しが難航
「最近おとり物件にハマってしまった」という恵美子さん(仮名)にお話を聞くことができました。
お子さまの誕生で、今より広めの中古マンションを探していた恵美子さん。できれば吉祥寺の駅近で70平米以上が希望ですが、「まあ予算からすると無理だろうな~」なんて思いつつも、ドリーム不動産(仮名)の物件サイトをながめていました。すると…
あった!!
まさしく、恵美子さんが探していた条件・予算の物件です。しかも、どうやらこの不動産会社しか仲介してなさそう。やっぱり地元の不動産会社だから、何か特別なネットワークでもあるのかも? (後述しますが、ここも危険な落とし穴)
高鳴る気持ちを抑え、ドリーム不動産に電話をかけます。さっそく物件の内見を申し込むと、
「ちょうど明日、内見が入ってるんですよね。ちょっと堅そうな方で…。似たような物件をご紹介できますので、もしよかったらご来店くださいませんか?」
「こんなに好条件の物件なら、すぐに決まっちゃうわよねー」なんてご主人に話しながら、後日、夫婦でドリーム不動産を訪れました。出てきたのは、スポーツマンタイプの感じのよい担当者。他にもいくつかよさそうな物件があり、それぞれ間取り図を見せてもらえました。しかし、その担当者が販売している不動産会社に電話を入れると「たった今決まりました」「事故物件です」
結局、希望よりも駅から遠くて狭い物件を紹介されたそうです。「後から『おとり物件だった』ってわかったんですが、その時は気がつきませんでした。それに、しばらくおとり物件が私たちの判断基準となったから、なかなか物件を決められず…。本当に時間のムダでした」
中古マンションのおとり物件、見極めのポイント
では、実際におとり物件とはどういったものなのか? 特徴をつかむことで、「これは…アヤシイ!」なんて、なんとなくわかるようになります。
〈おとり物件の可能性1〉相場より安い
「あら、この物件お買い得だわ~」っていう物件、ときどきありますよね。周囲の不動産の相場と比べてみても、格段に安い。だとしたら、おとり物件の可能性が高いです。おとり物件でなかったとしても、事故物件かもしれません。どちらにしても、周辺の相場より明らかに安いときは、まずは疑ってみましょう。
〈おとり物件の可能性2〉現地で待ち合わせできない
「ネットに載っている目黒の物件、内見したいので現地待ち合わせでもいいですか?」と不動産会社に問い合わせたら、「申し訳ございません、あの物件は売り主さんから現地待ち合わせNGになっていて…ひとまずご来店いただけますか?」と断られた。
怪しいです。売り主さんはできるだけたくさんの人に見てもらいたいので、効率的な現地待ち合わせのほうが好都合なはず。わざわざ現地待ち合わせを禁止するなんて、あり得ません。というわけで、おとり物件の可能性が高いと言えるでしょう。
〈おとり物件の可能性3〉ひとつの不動産情報サイトにしか載っていない
中古マンションの売り主は、できるだけ早く売れるようにいくつかの不動産会社に販売を依頼する〈一般媒介〉のケースが多いです。売りたい物件は、各不動産社がそれぞれ自社のサイトにアップするのが普通です。それなのに、Aの不動産情報サイトには載ってるのに、他のサイトには載っていない。だとしたら、おとり物件の可能性が高いです。ただし、〈専任媒介・専属専任媒介〉の場合は、一つの不動産会社に依頼するのが普通なので、一概には言えません。極めてグレーですが、このあたりも気をつけておきましょう。
〈まとめ〉確実に理想の物件を探すなら、ワンストップリノベーションがおすすめ
中古マンションを買うなら少しでも安く買いたい。その気持ちはわかりますが、おとり物件にまどわされていては時間のムダです。しかも、そのおとり物件にとらわれたために相場感がズレてしまい、どの物件を見ても「高いな~」なんて思えてきて、なかなか物件が決まらないということも。
今回ご紹介したように、
・相場よりも安すぎる
・現地待ち合わせを拒否される
・他のサイトで紹介されていない
といった場合は、ちょっと注意が必要。そのうえで、「おとり物件かもしれないけど、気になる」ときは思い切って問い合わせてみましょう。「成約済みです」なんて言われたら、「なーんだ、やっぱりおとり物件か」と軽く割り切り、さっさと次の物件を探しましょう。
また、物件購入からリノベーションまでワンストップでサポートしている会社に依頼するのも確実な方法です。CRAFTでは、理想通りにリノベできる物件だけを、厳選してご紹介しています。内見にはリノベのプロが同行するため、失敗のない物件購入が可能に。これから物件を探す方は、ぜひご相談ください。
<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。