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マンションのユニットバスとは?
ユニットバスとは浴室と浴槽が一体となった、お風呂の様式です。ほとんどのマンションのお風呂は、ユニットバスを採用しています。従来工法のお風呂と違い、決められたサイズのパーツを現場で組み立てて作ります。そのため工事費用や人件費が抑えられ、リフォームの費用を安く抑えられます。
ユニットバスの寿命
ユニットバスの劣化は、30年といわれています。コーキングの劣化や目地に生えるカビ、ヒビ、割れなどが発生し、そのまま使い続けると浴槽・浴室の防水機能が低下します。
パネル同士をつなぐコーキングが割れたり、ヒビが入ったりすると、水が壁の中へ侵入し腐食が始まります。放っておくと、下の階へと水が漏れてしまいます。掃除をしても生えてくるカビや、ヒビ、割れなどが目立つときは、リフォームを行うサインです。見逃さずにすぐに工事を検討しましょう。
マンションのユニットバスのリフォームにかかる費用と工期について
リフォームにかかる費用と相場
新しいユニットバスへの交換費用は60万円~150万円が相場です。100万円前後が平均価格と考えてください。
標準の機能で足りる方は、60万円台で新しいユニットバスに取り換えられます。
高機能、高品質なものへとリフォームする場合は、100万円を超えてきます。また機能だけでなく、ヒノキ製のユニットバスなど、材質にこだわったユニットバスも販売されています。
リフォームにかかる施工期間
最短で1日、平均で3~4日程度で終了します。浴槽のみの交換をする場合には1日で作業が完了します。
床、壁などユニットバス全体のリフォームの場合は、一般的に次の流れになります。
1,解体作業
2,水道、電気の工事、商品の搬入
3,ユニットバスの設置
4,内装工事やクリーニングなど仕上げ、引き渡し
ユニットバスの浴槽が置き式の場合は浴槽だけの交換が行えますが、床と一体型の場合は浴槽のみの交換は行えません。どの様なリフォームが行えるのかを、一度リフォーム会社と相談しましょう。
古いユニットバスから新しいユニットバスへリフォームする場合
マンションのユニットバスのリフォームにかかる費用を、2段階に分けてご紹介いたします。価格は商品代、工事費、諸費用を含めた額です。
60万円台~100万円のユニットバス
オーダーメイドが可能な価格帯です。オシャレなインテリア、機能性を備えた好みのユニットバスへと交換できます。
特殊な形状の丸い浴槽、または深い浴槽では足が延ばせますし、保温機能の浴槽、洗浄力の強いシャワーなどの新しい機能もついています。また高齢者が使いやすいように、滑りにくい床や、段差のないバリアフリー、手すりをつけられるユニットバスもあります。
古いマンションではユニットバスの規格に合わず、交換できない場合もありますが、オーダーメイドであれば60~70万円程度でリフォームが可能です。マンションが古い構造だからと諦めている方は、オーダーメイドのユニットバスを候補に入れてみてください。
100万円~200万円のユニットバス
浴槽の位置を変えたり、浴槽のサイズを上げて大きくしたりと、限られた空間でこだわりを求めるリフォームが可能です。
ランニングコストを抑えた製品(シャワーや浴槽、照明などで消費する水と電力を控える)や、ハイグレード(質が高く、色・材質が豊富)な浴槽やタイルが取りつけられます。
高機能、掃除のしやすい材質、省エネタイプの設備に加え、広い浴室・浴槽を求めると、100万円~200万円の費用がかかります。
また、ユニットバスの交換と一緒に給湯器を追い炊き機能つきへ変えると、工事費用の負担が20万円~30万円ほど増えます。予算と照らし合わせて導入を検討してみましょう。
(上記の金額はあくまでも目安です。リフォーム会社により異なるため、確認しましょう)
在来工法からユニットバスへリフォームする場合
在来工法からユニットバスへ取り換えるには、既存の壁や床などを壊す必要があります。そのため古いユニットバスの入れ替え工事よりも、費用は高く付くことがあります。
費用は80万円台~130万円
既存の浴室(タイル張りの壁、床、浴槽)を撤去して、ユニットバスに入れ換えます。工事費、既存の浴室の撤去費、新しい壁や浴槽などの材料費などを合わせ、およそ80万円~130万円ほどになります。
一度解体をしてからユニットバスを入れるため、水道設備の位置を変えることも可能です。
施工期間
2日~3日前後です。仮住まいに移る必要はなく、自宅で日常生活を送れます。ただし、工事期間中はお風呂に入れませんし、シャワーも使えません。自宅近くの銭湯、入浴施設、スパなどの場所を確かめておきましょう。
在来工法からユニットバスへのリフォームでは、工期は長くなります。また置く場所を変えても、ユニットバスのサイズが合わないという場合があります。浴室を広げるため、洗面所との壁を移動させるなど、空間を確保しなくてはなりません。
在来工法からユニットバスへのリフォームでは、長い工期と解体・浴室の拡張にかかる費用を念頭に入れてリフォームを検討しましょう。
リフォームを依頼するときの注意点
リフォーム会社へ施工を依頼する前に、確かめておくべき点があります。確認しておかないと、「うちではリフォームはできない」と、断られてしまう可能性があります。
また、工事が始まると途中で中止できません。仮に中止をしても工事費用のほか、キャンセル料が発生します。施工を依頼する前に、工事の内容や、工事を依頼するリフォーム会社、支払い方法などしっかりと目を通しておく必要があります。
見積もりの内容を確かめる
リフォーム会社から見積書を受け取ったら、書かれている項目を確かめましょう。大まかな括りだけで、不透明な項目で載せている場合があります。
不審に思ったり、文面だけでは分からなかったりする場合は、リフォーム会社に確認しましょう。
相見積もりを取る
見積もりは複数のリフォーム会社から取りましょう。見積もりを比べることで、費用の相場や、工事の内容、人件費を知ることができます。
また見積もりを取る際、複数の業者から見積もりを取っていると伝えておきましょう。
支払いを行う時期を確かめる
工事費用の支払いは数回に分ける場合がほとんどです。納期までに工事が終わらない、施工後に見つかった不備を直してくれないなど、トラブルに巻き込まれる危険があります。
支払いは2回~3回に分けましょう。最後の支払いは工事が完了してから行ってください。
浴室の広さを確かめる
ユニットバスのリフォームは、これまで使っていたお風呂の種類によって、リフォームが行えない場合があります。特に、在来工法のお風呂からユニットバスへのリフォームです。
ユニットバスは、決められたサイズのパーツを組み立て、浴室・浴槽を作ります。そのため浴室の広さによっては、ユニットバスが設置できない可能性があります。在来工法のお風呂からユニットバスへのリフォームを検討される方は、お風呂の広さを図面で確認しておきましょう。図面で確認しても分からない場合は、リフォーム会社としっかり相談しましょう。
管理規約を確かめる
ユニットバスのリフォームに合わせ、給湯器に追い炊き機能をつける場合、住んでいるマンションから管理組合の許可を得る必要があります。
追い炊き機能とは、ぬるいお湯を給湯器へ戻し温め直す機能です。浴槽と給湯器を配管でつなげる必要があり、給湯器はマンションの廊下に設置されていることが多いです。部屋と配管スペースの間にはコンクリートの壁があるため、壁に穴をあけて配管を通さなければならず、マンションの安全を管理する組合では許可されないことがほとんどです。
リフォームの予算を算出しておく
在来工法からユニットバスへのリフォームは、費用が高くなります。在来工法は防水が何よりも大切。そのため腐食を起こした土台の補修を行ったり、既存の浴室を解体したり、電気・水道管の工事を行ったりする必要があります。
在来工法からユニットバスへは、古いユニットバスから新しいユニットバスへのリフォーム費用より数十万円高い、120万円~130万円前後が相場と考えてください。
ユニットバスのリフォームを検討するときは、既存のお風呂がユニットバスか、在来工法かを確認し、リフォームにかかる大まかな予算を算出しておきましょう。
マンションのユニットバスのリフォームは、計画的に進めよう
マンションのユニットバスのリフォームは、最低でも80万円~100万円ほどかかると考えておきましょう。工期は場合に依りますが、4日~7日程度かかりますので、その間に利用する近くの銭湯やスパなども調べておくと便利です。(リフォーム会社により費用・工期は異なるため事前に確認しましょう)
またリフォームの依頼を出す前に、既存のお風呂や、広さ、管理組合の規約など事前に調べておくと、リフォーム会社とのやりとりをスムーズに行えます。
新しいユニットバスへリフォームし、お風呂の時間を快適に過ごしましょう。
<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。