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マンションの玄関リフォームができる箇所、できない箇所
マンションのリフォームでは、共用部分と専有部分について考えなければなりません。共用部分とは、自転車置き場、階段やエレベーターなど、自分以外の人とも共用する箇所を指します。専有部分は自宅内部を指しますが、窓枠や境界のコンクリート壁など、自宅であっても共用部分である箇所があります。
玄関の場合、ドアの外側、隣の家との境界となる壁は共用部分となります。ドアの内側、下駄箱などは専有部分となります。リフォームを考える前に、どんなリフォームをどこまで可能か、調べておきましょう。
マンションの玄関のドアをリフォームする
マンションの玄関ドアの内側は専有部分のため、ドアの色を塗り替える、保護用のシートを貼るなどのリフォームが可能です。
ドアの内側を塗り替える場合、ドアの種類によって塗料や、塗装の仕方、乾燥までの時間が異なります。ドアの種類や塗装については事項でご紹介いたします。
また錠前も専有部分のため、より防犯性を高めるための錠前交換も可能です。
マンションで使われる玄関ドアの種類
マンションの玄関に使われるドアは金属製です。金属の種類は、スチール、アルミ、鋼板、ステンレスなどが扱われています。金属はメンテナンスをしなくてはなりません。色落ち、サビの発生、目立つ傷など、汚れや傷に強い金属でも塗料を塗り替える必要があります。
中でも、一般的に使われるスチール性のリフォームの方法は、塗装する方法とシート貼りの2種類があります。塗装の場合はそのまま塗ると、塗料がすぐに剥がれてしまうので、下地材を塗らなくてはなりません。また、サビをしっかり落としてから防錆用の塗料も塗っておく必要があります。
費用と塗り替えるサイクル
費用は3万円~7万円が相場です。
アクリル塗料は5年~8年、ウレタン塗料は7年~10年、シリコン塗料は10年~15年、フッ素塗料15~20年の寿命です。自宅の玄関ドアはどのぐらいの年数が経つでしょう。
塗り替える期間に該当する、そろそろ塗り替える時期だ、という方はドアの汚れ、サビが目立つ前に塗り替えを行ってください。
マンションの玄関の内装をリフォーム
玄関の印象はたたきや壁紙、靴箱、照明の明かりによって全く異なってきます。狭い玄関先でもリフォーム次第では、明るく、使い勝手のよい、きれいな空間に生まれ変わります。
マンション玄関を広く明るくみせる
マンションの玄関は土間が狭く、靴箱を置くとさらに窮屈に感じます。しかし、土間に使う素材、壁紙、照明を変えることで、空間に広がりを持たせられます。
●壁紙は玄関の雰囲気を変えることができます
無機質な印象を変えたい場合は、壁紙に石や木目調などをあしらった物を選ぶと、自然の持つ柔らかな印象になります。逆に、真っ白、あるいは真っ黒にすると、清潔感、高級感を演出できます。
●幅の広いタイルで空間に広がりを持たせる
土間に幅の広いタイルを使うことで、空間に広がりを持たせることができます。クッションフロアを使えば費用を抑えながら手軽に印象を変えたり、大理石調のフロアタイルを張れば足元を明るく演出できたりします。
●間接照明で自然で柔らかい明るさを作る
照明は間接照明をうまく取り入れると、玄関が柔らかく温かい印象になります。また靴箱の下に照明をつけることで、暗くなりがちな足下の重々しい印象が薄れます。
マンション玄関の「収納と空間」を増やす
玄関には靴、傘、レインコートなど、かさばる物をたっぷり収納できる収納棚が必要です。玄関のリフォームでは収納スペースを広げる施工も数多く行われています。
靴箱は天井まである大きなサイズを始め、靴箱を玄関から続く廊下の端に増設する事例もあります。土間の面積が小さく収納を諦めていた場合でも、工夫次第では収まりきらない靴を収納することが可能です。広さに余裕がある玄関に限りますが、靴の収納を兼ねたベンチを設置するという事例もあります。
狭いマンション玄関の空間を増やす
玄関に隣接する壁の一部を取り壊して、空間を広げるリフォームについて紹介します。
「廊下を短くしてたたきを広くする」、「壁を壊して自転車を駐車するスペースを作る」、「車いすでも上がれる傾斜をつける」など、使い勝手のよい玄関に生まれ変わります。
ただし、大がかりなリフォームは「マンションの強度に問題がないこと」、「管理組合の許可が得ること」が前提です。また、他のリフォームに比べて騒音、振動が発生する工事内容が予想されます。そのため、隣や上下階の住人へ配慮も忘れずに行う必要があります。
リフォームの費用は3万円~80万円ほどです。
たたきと壁紙の交換で3万円~8万円程度、収納棚の設置は6万円~20万円ほど、玄関全体のリフォームでは20万円~80万円が相場です。
(あくまでも目安です。リフォーム会社により費用は異なります)
マンション全体の改修に合わせたリフォームを
マンションは数年に一度、マンションの外壁や鉄部、共用部分の内装など劣化した箇所の補修を行います。
ただし、マンションによっては塗装のみで、ドア枠とドアの取り換えは見送ることがあります。時機を見極め、管理組合の方針を調べておきましょう。
マンションの玄関部分をリフォームするには、マンションに住む人と管理組合の許可が必要です。決まり事をしっかりと守った上で、気になる玄関を一新させましょう。玄関ドアは内側だけでも新しい見栄えに変えられます。規約の範囲内で使い勝手のよい室内にリフォームをしてみましょう。玄関の広さや形、収納など、家族の人数に応じたマンション玄関のリフォームを検討してみてください。
<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。