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「クラフトの評判をもっと知りたい!」という方のために、お客様インタビューを行いました。
バルセロナで暮らした素敵な家が忘れられず、「理想の家をつくるにはリノベーションしかない」と判断したご夫婦。古材や黒皮鉄、モルタルや塗装など、さまざまなテクスチャーが交じり合うラフな空間に一新しました。
バルセロナの家のインパクトが強すぎて、満足できる家が見つからない
CRAFT(以下C):お2人の印象にぴったりなお住まいですね。はじめから新築ではなく、リノベーションをご検討されていたのでしょうか。
奥さま:いいえ、むしろ賃貸のままでいいと思っていたんです。またいつ主人が転勤になるかわかりませんから。でも、賃貸マンションってどこも同じ間取り・デザインですよね。それがマンション購入を考えるきっかけになったんです。でも、分譲マンションでも同じだということがわかりました。
C:探してみたけれど、なかなか気に入った物件に出会えなかったんですね。
奥さま:はい。実は以前2人でバルセロナで暮らしていたことがあり、その家のイメージが強すぎて理想が高くなってしまっていたのかもしれません。煉瓦の壁があって、窓が大きくて部屋は明るく、アクセントに色が入っていて…本当に素敵でした。
ご主人さま:そんな経験をしたものですから、東京に転勤になりマンションを探したとき、かなりギャップを感じました。そこで僕たちが理想の家で暮らすには『中古マンションを買ってリノベーションするしかない』と。
妻の実家と公園、そして大きな川が近いことが気に入ってこちらのマンションを購入しましたが、正直なところ間取りはまったく好みじゃありませんでした。とくにこの縦長の形状が窮屈で、なんとかならないか…と。3社のリノベーション会社さんに相談することにしました。
ちょっとしか話していないのに、どうしてわかるの?
C:これまで恵まれた家にお住まいだったからこそ、既製の間取り・デザインでは満足できなかったんですね。3社のリノベーション会社の中から、クラフトを選んでくださった理由を教えていただけますか?
ご主人さま:圧倒的にクラフトさんのプランがよくって、衝撃を受けたからです。「部屋は最低限でいいからリビングと玄関を広くしたい」「SOHOとWICが欲しい」など、各社に同じリクエストを出しました。理想を叶えてくれたのはクラフトさんだけでした。
実は、こういった縦長の形なので『多分できないだろうな…』と諦めつつリクエストを出したんですよね。そしたら、住戸の形をまったく感じさせないプランを提案されて。一目見て、『絶対にクラフトさんにお願いしたい』と思いました。
奥さま:営業さんにはざっくりとしかお話していないのに、私たちの意図をほとんど理解してくださいました。理想どおりのプランが仕上がってきたので『どうしてわかるの?』と不思議でしたね。
一番おどろいたのがSOHOです。
ブラックの畳とモルタルの框で、クールな小上がりが誕生
私たちは「SOHOが欲しい」と言ったけど、「小上がりが欲しい」とは言わなかったんです。それに主人は「畳のスペースが欲しい」と言っていたけど、私は「インテリアに合わない」と思って反対でした。どうしてもつくるなら、見えないように『畳スペースを区切らないと』と思っていると。
畳の小上がりと、その奥にひと続きのSOHOを提案されました。しかも、ブラックの畳フローリングとモルタル塗りの框がクールで、まさに私たちの好みのテイスト。
小上がりでは子どもが遊んだり、夫が横になったり、運動したり。私はここに座って洗濯物を畳んだり。お布団を敷いたら客間にもなるし、いろいろなシーンで使うことができます。小上がりは想定外でしたが、つくっていただいて本当によかったです。
「2人並んでPCができるカウンター」をリクエストしたら...
ご主人さま:「2人並んでPCができるカウンター」も希望だったんです。”リビングのデスクカウンター”は雑誌で見たことはありましたが、まさかこういった形で提案されるなんて思っていませんでした。
深いブルーの壁に囲まれていると、心が落ち着きます。オープンの棚には仕事の書類をたくさん仕舞えるし、好きな本を手に取りやすい。
ここで本を読むと、とにかく集中できますね。こういうスペースができて嬉しいです。
素材選びにハマってしまって…色1つ決めるのにも悩んだ
C:お持ちの家具がとても馴染んでいますね。デザイン面ではどのようにリクエストなさったのでしょうか。
奥さま:まずは雑誌や各リノベーション会社のHPを見て、理想に近いデザインを探しました。するとクラフトさんのデザイン実例で『これだ』と思う実例を見つけて。
その後、自由が丘モデルルームを見学した時に、素敵な納戸色のドアを見て一目惚れ。書斎の壁のブルーはこうして決まりました。明るいところと暗い所では色が違うので、色を1つ決めるのもひと苦労。ものすごく悩みましたね。
ミットセンチュリーや北欧家具を中心に集めてきたので、素材感のあるものを使いたかったんです。そこでキッチンの腰壁には古材、ドアノブやキッチンの腰壁の笠木は黒皮鉄。仕様決めにハマってしまい、もう大変でした。
C:奥さまはインテリアがお好きで、こだわりが強かったとうかがっています。
奥さま:こだわりすぎて、トイレのライト1つにしてもなかなか決められませんでした。「こんなのが欲しい」とイメージをお伝えすると、デザイナーさんがいくつか探してくださったんですが、見れば見るほど悩んでしまって。主人に聞くと「どっちでもいいんじゃない」と。許容範囲が大きいんです(笑)
ご主人さま:僕は間取りにはこだわりましたが、使う素材などは妻に任せることにしていたんです。これまでいろいろな家で一緒に暮らしてきて、”いいな”と思うことが一緒だとわかっていたので。
壁の”面”がそろっている。些細だけど住まいに大切なこと
ご主人さま:僕はもともと建築が好きだったので、クラフトさんの提案が毎回たのしみでした。ラフプランを見て「ここに◯◯がほしいです」なんて言うと、次の打ち合わせで図面を修正してくれて。
ディテールの細かさにはいつも感心しました。たとえば廊下~キッチンまで壁の”面”が揃っています。些細なことですが、見ていて気持ちがいいんです。暮らしてみなければわからないことですね。
C:そんな細かいところまで感じていただけているんですね。ガラスの框ドアはオリジナルですか。
奥さま:そうです。空間テイストに合わせてオリジナルでつくってもらいました。取っ手は黒皮鉄です。ガラスの建具によって空間に伸びやかさが感じられます。あんなに窮屈だった空間が、ここまで生まれ変わるなんでウソみたいです。
ご主人さま:仕事から帰って玄関に入ると、ガラスの向こうに子どもの姿が見えてほっとします。小さなディテールの積み重ねで居心地のよい空間が生まれるんだ、と実感しました。リノベーションが終わって、寂しいというか。名残り惜しく感じているところです。
インタビュー後記
バルセロナで暮らしていた家のことを、たのしそうにお話してくださったKさんご夫婦。しかしリノベーションした新しい家のことを話すときは、それ以上の笑顔でした。
古材や黒皮鉄、モルタルやコンクリート。そして深いブルーの塗装。さまざまな素材が交差し、調和し、どこにもない空気感でご一家の暮らしを包み込んでいます。
「理想の家がなかったから、リノベーションでつくるしかないと思った」。その言葉通り、Kさんご夫婦にしかつくることのできない住まいに仕上がっているのではないでしょうか。
<著者>中野 瀬里乃
大学卒業後、出版社・フリーライターを経て、2013年リノベーション会社CRAFTへ入社。自社HPやオウンドメディアにてリノベーション・不動産・建築・インテリア関連の事例紹介やコラムを多数執筆。