物件データ
中古で購入した戸建てをクラフトでデザインリフォームしたMさん。昼間も電気が必要なほど暗いLDKや玄関を、明るく開放的にしたいとお考えでした。そこでリビングと洋室の壁を取り払い、ひと続きにすることに。しかし洋室はリビングよりも低いスキップフロアなので、壁の撤去だけではうまくつながりません。視界を洋室の天井が遮り、開放感を損なうことに。そこで洋室の天井をリビングに延長し、間接照明を設置。部屋をうやむやにつなぐのではなく、あえて境界を明確にし、印象的に演出。床と壁は、窓からの光が部屋中に回るように白で統一。黒いタイルで空間を引き締めています。
目線の動きに配慮し
開放感と落ち着きを演出
視線の及ぶ範囲を自分の領域と感じる心理をもとに、空間を仕切りながら、どこかに抜ける部分をつくって、開放感を感じられるようにデザインしました。また、邸内がちぐはぐにならないように、素材や色の組み合わせはもちろん、板の厚みなども統一しています。リビングは真っ白な空間なので、そのままだと目の落ち着きどころがなくなってしまうため、テレビの背面に黒いタイルを張ってアイポイントを設けるとともに、自然にテレビに視線が戻るようにしました。
リビング・ダイニング
リビングに隣接する洋室は、お子さまがおもちゃで遊んだり家族が寝転がったりするなど、気兼ねなく過ごすための「みんなのスペース」と名づけられた空間です。引き戸で仕切れば、いつでも気持ちよくゲストを迎えられるようになっています。
リビング・ダイニング
白を基調としたことで、自然光が反射する明るいリビングに。隣接する洋室へと視線を伸ばしながら、黒いタイルが美しいコントラストととなっています。キッチンカウンターや天井の板厚、隣接する収納のフレームはすべて同じ幅に。一連の空間に統一感を持たせるなど、細部まで細かな配慮がなされています。
洗面所
ウォールナットの洗面台はクラフトのオリジナル。シャープな印象になるように、天板の断面を横板で隠しました。洗面台と壁が浮いているような印象となるよう計画。壁には木のルーバーを造作し、既存の窓を隠しながら光を取り込むとともに、夜には内側の間接照明で美しい水周り空間に。ルーバーは全てが開閉でき、窓の開閉や照明の交換も可能です。
リビング・ダイニング
窓にはタテ型ブラインドを取り付け、スリットから美しく光が差し込むように。キッチン側の上部にも間接照明を取り付け、天井を浮き立たせる効果を演出しています。
階段
階段の壁を撤去してスチール製の手摺りに交換しました。壁を撤去することによって生まれた空間を活かし、下4段の段板を幅広にして、階段に広がりや奥行感を演出したこともポイントです。
玄関
昼間でも電気が必要なほど暗いLDKや玄関でした。そこで壁だったところにドアと2本のスリット窓を新設。玄関を入ると、スリット窓を通して窓からの自然光が注ぎます。空間をしっかりと仕切りながら、視界の広がりを確保する工夫によって、1階はどこも開放的な空間に仕上がっています。
光を隅々まで行き渡らせる
明るさや開放感をご希望だったMさんに合わせ、外からの光を部屋の隅々や隣室まで行き渡らせるように白を大胆に使用。建具や造作家具で随所にウォールナットを使い、空間を引き締めています。 どこにいてもスタイリッシュなデザインの中で過ごせるように。造作家具は見た目だけでなく、使い勝手や収納量まで考えてデザインしています。