物件データ
アメリカで暮らした経験のあるKさんは、NYの古い工場や倉庫を改装したロフト・アパートメントのようにリフォームするため、中古マンションを購入。リフォームでご希望のイメージを実現するため、使用する素材にこだわりました。オーク無垢材にエイジング加工をしたフローリングに、アンティーク煉瓦の壁。キッチンにはワックスの塗り方を調整したテラコッタタイルを使用するなど、素材の質感によって古びた風合いを演出しています。友人を招いて料理やワインをふるまうのがお好きなKさんのために、大人数でにぎわうことができるワンルームのような見通しのよい間取り。熟成されたような空間のおかげで、暮らしが豊かになったそうです。
趣に満ちた空間で、友人たちとにぎやかなひとときを過ごす
ご希望のリフォームイメージがはっきりとしていたKさん。物件さがしからお手伝いしています。構造体が明確になる解体後に、実際のプランを立てていきました。家中を見渡すことができる広々としたリビング・ダイニング。キッチンは業務用の厨房機器を置いて、ご友人たちに本格的な料理をふるえるようにしています。素材にはオーク無垢材やアンティーク煉瓦を使用するなどしてヴィンテージ感を演出。それらの存在感を際立たせるために、壁はシンプルな塗装で仕上げました。個性ある素材に彩られた空間にあえて抜け感をつくることで、全体のバランスを保っています。
LDK
素材をそのまま使うのではなく、実際に時を刻んだような風合いに加工して使用しました。フローリングにはエイジング加工を施したオークの無垢材を。キッチンカウンターや本棚に使った無垢材は、木目が浮き立つ浮づくり加工を施し、さらにナタで傷つけるといった手間を加えています。実際に長年使い込まれたような趣を感じることができるように。
リビング・ダイニング
もともとバルコニー側にあった和室をなくして大きなLDKとし、対面式のキッチンにしたことで、家中どこからでも眺望がたのしめ、すみずみまで光と風が行き渡るようになりました。風が心地よい季節には、窓を開け放ってアウトドアリビングにすることも可能。また、リビング・ダイニング全体の壁をグレイッシュベージュで塗装し、家具もシンプルなデザインでまとめることで、素材を引き立てています。
寝室
細かく区切られた間取りだったため、使用しない２つの和室をなくして、広々としたLDKをつくりました。書斎や寝室はリビングとひと続きとなっており、スムーズな移動が可能です。寝室は、引き戸を閉めれば独立した部屋になります。書斎と寝室を仕切る棚は、背面の一部に空間を設け、バルコニーからの通風を確保すると同時に、視界の広がりを感じさせます。
キッチン
使い込まれた風合い、色、質感を表現すべく、床には厳選したテラコッタタイルを貼りました。ワックスで色ムラを表現したことで、よりヴィンテージの風合いを感じられるように。また、Kさんのご希望で、業務用の厨房機器を導入。味わい深い白いタイルと木のカウンターのなか、スタイリッシュなステンレスキッチンがどっしりと構え、老舗レストランのような貫禄のあるキッチンとなっています。
玄関
Kさんがたくさんお持ちの絵画やオブジェをより魅力的に飾るため、玄関ホールの正面をギャラリーのように仕上げました。玄関ホールはあえて照明を落とし、正面にはスポットライトを使って、アート作品が浮かび上がるように演出。印象を深めると同時に、空間の奥行きを感じさせます。見る人の視線・心の動きに配慮した照明使いがポイントです。
バスルーム
「景色をたのしみながら入浴したい」というご希望により、浴室を大移動して大きな窓を設置しました。この窓を通して、別室の窓の景色を浴室に取り込めるようになりました。また、浴室の移動にともなって、配水管を通すために床高を上げました。こうして生まれた段差スペースには、本棚を設置。段差に腰掛けてページをめくるような、カジュアルな使い方ができるコーナーとなっています。
厳選した素材の
息吹が聴こえてくる。
趣のある空間に
使い古されたような風合いがお好きなKさんのために、フローリングはオーク無垢材にエイジング加工したものを使用しました。また、玄関からリビング・ダイニングへつながる壁にはアンティーク煉瓦を使用し、あえて目地を粗く。そのほかの壁はグレイッシュベージュで統一し、ひとつひとつ厳選した素材の質感が引き立つように。
バスルームを大きく移動し、窓の景色を楽しめるように
「景色をたのしみながら入浴したい」というご希望により、浴室を大移動して大きな窓を設置しました。この窓を通して隣の部屋の窓の景色を浴室に取り込めるようになりました。また浴室の移動にともない、床下に排水管の勾配をとるため、床を上げる必要がありました。こうして生まれた段差には本棚を。カジュアルな使い方ができる図書スペースとなっています。
視覚効果を使って、
実際よりも広がりを
感じる住まいに
立地や眺め、広さが気に入って購入したものの、低い天井高や梁の太さ、低い窓の位置のせいで閉塞感がありました。そこで、大幅な間取り変更を行って、視線が遠くまで行き届く空間にするとともに、ブラインドを天井に直付けするなどして窓を大きく見せる工夫をしています。開放的に感じられるように、さまざまな視覚効果を意識しました。