物件データ
自社ビルで会社を経営するIさんは、仕事柄オフィスで寝泊まりすることが多かったそう。そのため最上階を寝泊まりができるオフィスにリフォームしました。ホールから正面はオフィススペース、左手はシャワールームを整備したプライベートルームに。廊下を境に仕事とプライベートを明確にゾーニングし、移動しながらオンオフを切り替えることが可能です。また、ワークスペースと会議室の間は棚でゆるやかに仕切り、床の色を変えることで異なるスペースであることを明確にしています。廊下の壁やオフィスの棚に飾ったコレクションが、仕事中のIさんや来客を楽しい気持ちに。空間をはっきりとゾーニングし、機能を持たせることで、快適なオフィス兼プライベートルームとなりました。
オフィスとプライベート
異なるデザインを取り入れて
オフィスには来客があるため、重厚感のあるウォールナットや割肌の石を使って、シックでラグジュアリーな雰囲気にまとめました。一方で、洗面室やシャワールームは丸形の鏡を配したり、さまざまなタイルを貼り分けたりしながら、仕事の合間にふっと心が和らぐ工夫を施しています。露出していた梁は、見せ方を数パターン考えながらベストなスタイルを模索。黒く塗装し背景と馴染ませるプランを採用し、TVも見やすくなりました。屋上には断熱工事と防水工事を行うなど、間取りとデザインとともに、基本性能を見直しています。
廊下
エレベーターホールの正面。石やウォールナットといった自然素材の重厚感あふれる廊下の先には、白を基調とした明るいオフィスが広がっています。趣深い廊下を通り抜けた瞬間、視界が一気に広がる仕組み。デザインからくる心理効果を利用し、気持ちよく仕事に取りかかれるようにしました。
オフィス
カーペットの色を張り分けることで、空間のイメージを変えています。ミーティグスペースはダークグレー、ワークスペースはベージュとして、ひと続きの空間が視覚的に切り替わるようにしました。間をおだやかに仕切るのは、コレクションを飾るショーケースで、座ったときにケース内が見えるように高さを設定。下部には書類ケースだけでなく、TV・AVの配線も一括して収めました。
オフィス
ミーティングスペースの背面一面に、TVボードを造作しました。上部に梁が露出していたことから、梁も含めて黒で統一することでTV画面を観やすくしています。TVを消した状態では、黒い画面が背景に馴染み、TVの存在感を抑えます。
トイレ
トイレはグレーでまとめ、オフィススペースと同じシックな雰囲気に仕上げました。壁には割肌の石を貼り、カウンターはウォールナットで造作。自然素材を小さな空間に散りばめ、印象的なトイレに仕上げています。また、便座の背面には梁があったため、梁の幅とそろえた壁を設けてニッチに。梁の存在をデザインとして取り入れて、モダンなトイレが誕生しました。
洗面室・シャワールーム
洗面室とシャワールームは落ち着きを感じさせるような配色。丸い鏡を配して、仕事の合間のひとときがリラックスできるようにしました。洗面台の壁はガラスモザイク、シャワールームの壁はモザイクタイル、床にはサーモタイルを貼って、機能的かつうつくしい空間に。白・黒・グレーで構成されたモノトーンのシックな佇まいが疲れた心を癒します。
廊下
これまで乗ってきた車の、ミニチュアモデルのコレクション。廊下側に、これらをディスプレイするためのニッチを設けました。間接照明がコレクションの一つひとつをスポットライトのように浮かび上がらせます。立った姿勢で眺められるように、奥行きや高さを工夫。縦長の形状が視線を奥へと誘い、伸びやかさを感じさせる効果も。
石と木材が見せる質感が、
見る人の心を落ち着ける
玄関から事務所までのアプローチの壁には、割肌の石を貼りました。間接照明が凹凸や質感を強調し、陰影を生み出して深い趣を感じさせます。また、向かいにある書類倉庫はウォールナットで造作。控えめな艶や深い色合いがあたたかく、廊下を重厚な雰囲気に。自然素材の独特な風合いが、Iさんご自身や来客をリラックスさせてくれます。
大切なコレクションを、
オフィスのショーケースや廊下のニッチに飾る
廊下とオフィスの間に書庫を設けました。その一部は廊下から使える収納にし、掃除用品などをしまうスペースに。さらに、廊下部分にニッチを設けて間接照明を入れ、大切なコレクションを飾れるようにしました。オフィス側にもコレクションを飾るショーケースのような棚を造作。遊び心のあるインテリアに、ゲストとの会話も弾みます。