物件データ
Kさんのご両親がご祖父母と暮らしていた二世帯住宅。今後はKさん夫婦とご両親が同居することとなり、生活スタイルに合った間取り・デザインにリフォームしました。共有だった玄関は、「独立性を高めたい」というご希望から、ホールから世帯別に。玄関を新設するよりも低コスト・短工期でご希望を叶えることができました。さらに、親世帯の入り口には半透明のガラスを採用し、Kさんが出入りする度にご両親の様子をさりげなく確認できるように工夫。親世帯が暮らす1階は、将来に備えてバリアフリーに配慮しながら、シンプルな生活動線に。子世帯の2階はLDKを拡大し、子ども部屋として利用できるフリースペースを設けました。両世帯ともに今後の暮らしの変化に対応できる、フレキシブルな住まいとなっています。
玄関の土間は共有、
ホールは世帯別にしてそれぞれの距離感を確保
もともと二世帯住宅で玄関が共有だったため、今回のリフォームで完全分離型の住まいにすることをご希望でした。しかしその場合は、外観部分を増築するなど大規模な工事が必要になってしまいます。コストも納期もかかってしまうため、ご希望をアレンジした玄関のプランをいくつも提案しました。そのなかから、土間は共有し、世帯ごとに玄関ホールを分けたプランを採用。両世帯への度重なるヒアリングから、お互いの最適な距離感を探りつつプランを考えていったことがポイントです。屋内のリフォームのみに留めながら、世帯ごとの動線を確率しています。
リビング・ダイニング
子世帯が過ごす2階のLDKは、白と黒のモノトーンでまとめてシンプルモダンの空間に。白い壁や天井のなかで、黒いキッチンカウンター、PCカウンター、TVボードが空間を引き締めています。異なる用途の家具ですが、どれも同じ素材で造作しているため空間に一体感が生まれ、より落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
階段
間取り変更に伴って階段の向きを変えました。階段を上がりきった瞬間、ダイニングの大きな窓が視界に飛び込むようにレイアウト。のびのびとした心地よさを感じられるようになっています。手すりは軽快な印象の黒いスチールをデザインし、せっかくの開放感を損なわないように配慮。お子さまが生まれたら、手すりに転落防止のネットを取り付けることもできます。
リビング・ダイニング
親世帯が過ごす1階は、キッチンを対面式に変えてリビング・ダイニングと一体に。ゆとりのある広さのキッチンには、食器や家電がぴたりと収まる収納スペースを造作し、奥にはパントリーや、家事コーナーも新設しています。散らかりがちなキッチンをすっきりとした状態に保ち、家事もこなしやすい空間に仕上げました。
ホビールーム
1階の南の庭に面して、日だまりのなかでご両親が読書したり、絵を描いたりすることができるホビールームを設けました。大量の書籍をお持ちだったことから、お持ちの本棚に加えて可動棚を新たに造作しています。本棚の通路を通って寝室からホビールームに直接向かえるようになっただけでなく、寝室からも庭の緑をたのしむことができます。
洗面室
将来のことを考えて、ご両親が使用する水まわりはバリアフリーを意識してデザインしています。車椅子に座って使用できるように、洗面台は下部をオープンに。洗面室とひと続きのトイレには間仕切りを設けずにゆとりあるスペースを確保。手すりを設け、開口の広さ、段差を工夫し、歳を重ねてもやさしく使えるようにしました。
玄関
共有だった玄関に、より独立性を持たせることをご希望でしたが、外観工事を避けるため、土間とクローゼットは共有とし、ホールを世帯別に造作しました。靴を脱ぐ時の方向を背中合わせにし、より独立性を持たせています。親世帯側の入り口は半透明のガラスを採用し、Kさんが出入りする度に1階で過ごすご両親の様子をうかがえるようにしています。
玄関ホールを分けて世帯間に独立性を
もともと玄関とホールが共有の二世帯住宅だったため、より独立性を高めたいと考えていました。しかし、玄関を増やすとなると大規模工事になってしまうため、土間は共有、ホールを世帯別に。外出や帰宅時にはお互いの気配を感じることができ、それ以外は完全にプライベートを確立しています。ほどよい距離感のなかで、心地よく暮らせるようになりました。
オリジナルの造作家具で
インテリアを統一
子世帯が過ごす2階のLDKには、夫婦のご希望に沿ったオリジナル家具を造作しました。キッチンカウンターは、ダイニング側へ作業中の手元が見えない高さに設定しています。また、リビング・ダイニングにはたっぷりと収納できるPCカウンターやTVボードを造作。それぞれが重なり合うようなデザインで、どっしりとした安定感を見せています。
ご両親の住まいは将来に
備えてデザイン
以前ご両親が自宅でご祖父母を介護した経験を活かし、老後も暮らしやすい住まいを意識してプランニングしました。バリアフリーはもちろんのこと、LDKから水廻り、寝室までを直線でつなげるなどシンプルな間取りで移動しやすくしています。廊下や開口は、車椅子でも移動できるように余裕を持たせ、将来に備えた快適な空間が誕生しています。