物件データ
実家の所有するビル内(2階と3階)に移り住むと決まったご夫婦でしたが、もともと事務所だったため、幕らしに必要な設備がありませんでした。ご夫婦2人用のシンプルな間取りをご希望だったことから、内部での仕切りを極力減らした設計を検討。端から端まで見渡せるワンルー厶のような間取りに仕上げました。構造上なくてはならない中央の柱と窓際の下がり天井には、グレーのクロスを貼り、白壁&白い天井に対して変化をもたらしています。床材を張り分けることで視覚的にエリアを区分したこともポイントです。WIC(ウォークインクローゼット)や本棚などを設置し、収納を充実。またPC作業に集中できる書斎スペースも設け、リモートワークや家でのちょっとした作業も可能にしました。ビルの特性を活かしながらも伸びやかに過ごせる住まいです。
構造上必要な梁や柱は
空間のアクセントとして活かす
2人暮らしのIさんは、「部屋数は必要最低限に減らして、空間を広く使ったLDKでゆったり暮らしたい」というご希望がありました。いくつかご用意したプランの中で、ワンルー厶のように扉や仕切りの少ない家中を見通せるプランを採用。たとえば玄関とLDKの間は収納で仕切り、玄関から奥の空閒まで視線が抜けるようにしました。視界や空気、光を遮るものがない空間は、実際より広く感じさせてくれます。構造上必要な梁や柱にはグレーのクロスを貼り、白を基調とした空間を引き締めています。
収納が充実
たくさんの本をお持ちのIさんのために、階段下の脇に収納ニッチを造作。空間をくり抜いたような壁面収納で、本のサイズに合わせて幅や奥行きを設定しています。手持ちの本をすべて収納でき、自分だけのミニライブラリーとして活用できます。本のほかにも小物や花瓶などを飾ってお気に入りのスペースに。もともとあった階段には、スチール製の手すりを取り付け、スタイリッシュに。
グレーのクロスがアクセント
構造上必要な粱や柱は、デザインとして活かすことにしました。窓際の下がり天井と中央の柱は、その存在感を利用して、グレーのクロスを採用してアクセントに。白ベースのさらりとした印象の空間に、グレーのクロスがよく映えます。また奥へと続くグレーの天井により、伸びやかなフロアの奥行きを演出しました。
伸びやかなリビング・ダイニング
出入口に2つのドアがあったものの、間取り変更により一つが不要に。そこで採光用のフロストガラス(タペガラス)に変更し、自然光がLDKに注ぐように。玄関とLDKの間仕切りは、目隠しと収納を兼ねています。天井まで壁を設けず、緩やかに仕切ることで圧迫感を感じないように配慮。ほどよく目隠ししながら広がりを感じさせます。
日当たりのよい室内干しスペース
事務所として使われていたためペランダがなく、新たに洗濯物干し場が必要でした。そこで洗面を陽当たりのよい位置に設け、天井にハンガーバイブを設置。雨の日も安心して選択ができるようになっています。家事導線に考慮し、洗濯機置場の横に配したこともポイント。共働きご夫婦の生活スタイルにぴったりな、家事がしやすい間取りとなっています。
眺めのよい書斎
LDKの先には、ゆとりのあるL字型のカウンターをレイアウト。ご夫婦それぞれが窓辺に向かって仕事をする書斎としました。PCやブリンターを置くスペースも設け、作業効率を高めています。2面の窓から開けた景色を眺めながら、気持ちよくデスクに向かえる書斎です。
お互いの気配を感じて過ごす
フロアは壁で仕切らず、床の素材や壁の色味を変えて生活空間をゾーニング。柱や壁の少ない室内は奥まで見渡すことができ、家全体に一体感を持たせています。夫婦それぞれが別の部屋で過ごしていても、お互いの気配を感じながら暮らせるようになりました。
事務所ビルから住居に一新
ベランダがなかったことから、洗濯物干し場を設けました。室内干しをするため、陽当たりのよい手洗い場に物干しスペースをレイアウト。また2階にはゆとりのあるWIC、キッチン横には食料品用のパントリー、階段の脇にはサイズ感を調整した本棚など、収納スペースを充実。ご夫婦の生活に必要な設備を考えて、一つひとつ計画しています。
階段ホールの壁をなくして
上下階がつながるメゾネットに
以前は2階と3階は独立しており、直接行き来ができませんでした。そこで3階へのアプローチだった2階の階段ホールの壁を撤去。LDKと元の階段ホールを一体化し、上下階をつなげました。壁がなくなったことで、縦にも横にも広がりを感じる空間が完成しました。