物件データ
お住まいのマンションが手狭になったことから、同じマンション内の広い部屋に移り住むことに。ご希望は、シンプルモダンかつスタイリッシュなデザイン。そこで、テクスチャーの際立った自然素材を使って表情豊かに仕上げつつ、白とグレーのモノトーンでまとめたシンプルなインテリア。たとえば、キッチンの壁には貝殻のモザイクタイルを貼り、クールな空間にぬくもりを演出。LDKの一角に設けた書斎の間仕切りには、細かい砂の入ったマットな塗料をコテむら残して塗り、手仕事のぬくもりをプラス。キッチンを対面式に変えたことで、料理中にも海を眺められるようになっています。リビングや書斎にいるご主人との会話も楽しめます。開放感あふれる住まいで、海と空とともに過ごす特別な毎日が始まりました。
好みを把握しながらプランニング
妥協なしで理想の住まいに
打合せを繰り返し、2人の好みを正確に把握しながらプランニングしたことがポイントです。間取りの案をいくつも作成し、可能性を広げていきました。その結果、キッチン・書斎・リビング・ダイニングのどこからでも窓の先の素晴らしい眺望が目に映り、夫婦がそれぞれの時間を過ごしていてもお互いの存在を感じることができるプランが誕生しました。Tさんはたくさんのこだわりをお持ちだったことから、キッチンに貼るモザイクタイルは、サンプルを数十種類用意して気に入った物を選んでいただきました。細部にまで妥協せずに追求したことで、理想通りの住まいに仕上げることができました。
リビング・ダイニング
LDKの床は大判タイルを細い目地で貼り、大きな一枚のタイルが広がっているような伸びやかな印象に仕上げました。通常、大空間に大判タイルを敷設すると経年により下地が歪んでしまいますが、不陸調整をするなどして段差やうねりが生じないように工夫。赤みがかったグレーの独特の色合いが、クールな空間に程よいあたたかみを添えています。
リビング・ダイニング
リビングの一角にTさんの書斎を設けました。間仕切りは、細かな砂を散りばめた黒いマットな質感の特殊塗料を、コテむらを残しながら塗装。背面には天然石を貼り、間接照明で照らして陰影を強調しています。モノトーンのシンブルなインテリアのなか、テクスチャーや光の陰影を際立たせることで、趣を感じる上質な雰囲気を演出しています。
キッチン
キッチンカウンターの奥には、いくつものサンプルの中から吟味した貝殻のモザイクタイルを貼りました。シンプルでスタイリッシュなインテリアにおいて、貝殻のやわらかな色彩が重なる様子は自然の魅力を存分にたのしませてくれます。ステンレスの天板と貝殻がお互いを引き立て合い、クールさとあたたかみが両立する洗練されたキッチンとなっています。
寝室
住まい全体のイメージを統一するため、LDKの床の大判タイルに合わせて寝室の床もグレーに。ベッドの背面にはグレーの凹凸感のあるクロスを貼って、ラグジュアリーな印象に仕上げました。ライトの光がクロスに明暗を生み出し、趣深さを与えています。ぐっすりと就寝できるような落ち着きのある雰囲気となっています。
トイレ
黒を効果的に配してクールに仕上げました。天井には黒いクロス、手前には黒のトップとステンレスのシンクで設けた手洗い器を設け、スポットライトでアンニュイな雰囲気に。壁の一部にガラスブロックを入れ、廊下を通じてリビングからの光が届くようにしました。ステンレスの無垢板で造作した飾り棚は、ペーパーホルダーを隠して生活感を排除しています。
洗面所
既存の洗面台に加工を施し、コストを抑えながらデザイン性と使い心地を高めました。天板を長いものに入れ替え、縦長の鏡を追加。こちらは座ったときの顔の映る位置に合わせて鏡を下まで延長し、座ったままメイクができるようにしました。また、長身のご夫婦に合わせて洗面台の高さを10cmほど上げています。
ホテルのような非日常感
廊下部分だけ低くなった天井は、リビングのドアを開けた瞬間に違和感がありました。そこで、廊下の天井高をリビングと揃えてつながりを演出し、広がりを感じられるように工夫。また、洗濯機は扉、冷蔵庫は壁で隠し、オーブンをビルドインにして家電製品が目に触れないように配慮。生活感を排除し、ホテルのように非日常性のある空間に仕上がっています。
別々でもお互いの存在感を
壁面を向いたキッチンを対面式に変え、新たにアイランド型のカウンターを設けたことで、料理中も窓の外に広がる海の景色をたのしめるようになりました。また、LDKの一角には間仕切りを設けて書斎をつくり、壁の配置と高さを調整して作業中もキッチンにいる奥さまの気配を感じられるように。どこで過ごしていてもお互いの存在を感じられるレイアウトとなっています。