物件データ
港区にある築34年のマンションを購入したOさん夫妻。デザインリフォームを前提に購入し、クラフトに依頼しました。希望したのは大きなワンルームのように使える広い空間です。そこでもとあった洋室をLDKと一体化。窓からの眺望を妨げていた壁面収納も撤去し、都心ならではの美しい景色がたのしめる開放感に溢れた空間としました。キッチンの向きも、窓側に向くようレイアウト。バーを思わせるカウンターとグラスホルダーを備えた吊戸棚を造作し、食器棚や冷蔵庫はフラットに収まるようデザイン。キッチンまわりをすっきりとした印象に仕上げました。ホームパーティで訪れる友人にも評判の、モダンな空間です。
さまざまに活用できる畳の
小上がりをLDKに設置
Oさん夫婦の希望のひとつ、小上がりの畳スペースはあらゆる配置パターンをシミュレーションした結果、キッチンの近くに設けることとしました。玄関から見たときにはLDKの一部として広さを感じるだけでなく、テーブルを置けばダイニングルームとして使うことも可能。さらに玄関にも隣接させることで、靴を履く際のベンチの代わりとしても利用できるようにしました。また引き戸を閉めれば、客間としても活用できます。小上がりの下部は配管スペースとしての役割も果たすなど、マンションの限られた空間を無駄なく使ったこともポイントです。
キッチンはフラットの対面式
もともとは壁を向いていたキッチンはフラットな対面式に。側面には床材と同じウォールナットの無垢材を張り、デザインを統一しました。ステンレスの天板とむき出しの換気扇がクールな印象を与えています。背面には寝室とWICに繋がる2つのドア。壁を黒く塗装して、ドアとその周囲を白く塗装することで、まるで壁がくり抜かれたようなユニークデザインに仕上げました。夫婦のどちらがキッチンに立っても絵になるような、デザイン性の高い空間となっています。
小上がりのあるダイニング
玄関から入ると目に飛び込んでくるのは、LDKの先に広がる窓の景色。手前に設けた小上がりの畳スペースも空間の一部となり、広さを感じさせます。畳スペースの上り框の支えと、玄関扉の戸当たりでを兼ねたスチールの柱は黒く塗装。間延びしがちな空間を引き締めています。
書斎はこもったような落ち着きを
LDKに隣接して設けた書斎(SOHO)エリアは、手持ちのブックシェルフを使ってさりげなくゾーニング。窓側にはシェルフと高さを合わせたカウンターを設け、安定感を演出しています。天井は梁下の高さに合わせて下げ、集中しやすい雰囲気に。カセット式のエアコンを天井に埋め込むスペースにもなっています。窓を向いたデスクは、昼は青空、夜は都心の夜景を眺めながら仕事ができる贅沢な空間です。
美しい木の素材感に包まれる
LDKから書斎までの間仕切りをなくし、リビング側と書斎側の両方の窓を同時に見渡せるようにレイアウト。窓一面に広がるパノラマの風景をたのしめるようにしました。夕暮れの景色も味わえるよう、リビングの照明は狭角のスポットライトを使用し、光量を絞ったこともポイントです。リビング・ダイニングと浴室を仕切る壁には、床材と同じウォールナットを張りました。スポットライトが壁や床の木目を照らし出し、より印象を深めます。
小上がり〜バスルームの導線
着物を着る機会の多い夫人にとっても、小上がりの畳スペースは最適の空間。着付けのための大きな鏡も設け、ゆったりとした気持ちでお気に入りの一枚を纏うことができます。奥にはたくさんの着物や小物が入る収納を設け、大切な着物を保管できるように。小上がりから直接、サニタリールームに向かう動線も設け、着替えてすぐにお風呂に直行できるようにしました。
防音性と調湿性をアップ
お持ちのベッドの大きさに合わせて、寝室の広さを設定。天井や壁には防音材を入れて、調湿機能のあるシラス壁として、快適に眠れる空間に仕上げています。ベッドヘッド側の壁には、細長くスタイリッシュなデザインのニッチを造作。寝る前に読む最小限の本や、飲み物などを置くサイドテーブルのように使うことができます。
自然素材のぬくもりを感じる
自然素材をLDKの随所に使い、シンプルなインテリアながらも上質感とぬくもりが感じられる空間に仕上げました。LDKの床や壁にはウォールナットの挽き板を使用。寝室と小上がりとなっている畳スペースはシラス壁とし、左官仕上げによる塗りムラと凹凸を味わえるようにしています。