メリハリある伸びやかなLDK

壁を撤去し、広い長方形のLDKを設けました。玄関〜ダイニング・キッチンの床には大判タイルを、リビングにはアッシュの無垢フローリング材を使用。床材をエリアごとに張り分けることで視覚的に区分し、間仕切りを設けることなくゾーニングしました。また、店舗側を向いたキッチンの窓の上には神棚を設置しています。

お子さまの個室は、ご自身がお好きだというデザイナーの作品からイマジネーションを受け青一色で塗装。鮮やかな青色は日本の塗料では表現できないため、海外から輸入。床はモルタルとして、ウレタンクリアー塗装で光沢感を与えラフな印象に仕上げました。窓は黒いロールスクリーンで遮光し、外界から切り離されたような雰囲気に。壁から伸びるように設けたカウンターは重厚な黒皮鉄板を用い、宙に浮いたようなデザインで仕上げています。照明の種類や位置、カウンター脇のニッチの位置や大きさなども、綿密なシミュレーションを繰り返して決定。現代美術のギャラリーのような空間です。

Kさん自身、店舗との行き来が多いだけでなく、来客も頻繁に訪れるとのこと。そこで玄関とキッチンをつなぐ動線をもうひとつ設け、人の出入りが玄関で重ならないようにしました。動線の途中に洗面台を設けたことで、誰もが手を洗ってからダイニングに入ることができます。鏡の背面にはモザイクタイルを貼り、間接照明を設置。玄関ホールに溶け込んでいます。