物件データ
Aさんが生まれて以来、ずっと暮らしてきたマンション。ホームパーティーや勉強会などを開催することが多いため、大人数をもてなすことができるデザインと間取りに変更したいとお考えでした。ゲストを迎える玄関ホールはたっぷりと面積をとり、床と壁に張った黒のタイルを、間接照明で艶やかに照らして高級感を演出しています。シューズクロゼットには飾り棚を設け、ゲストを華やかにもてなします。また、壁一面に張った横長のタイルが視線を奥へと導いて、奥行きを感じさせる効果も。どんな年代のゲストもくつろげるように、LDKには小上がりを設けています。和室で食事をとる場合も配膳がしやすいように、キッチンと小上がりの間にカウンターをつくりました。あらゆる年代の家族やゲストが、ゆるやかなときを過ごせる住まいとなっています。
生活リズムの異なる二世代が心地よく暮らせる、
回遊性のある間取り
日常的にゲストを招くことから、おもてなしのできる空間を意識してプランしました。ゲストが心からくつろげるよう、ギャラリースペースを兼ねた広々とした玄関ホールや、小上がりのような和室を設けた、大きなLDKを提案しました。Aさんはデザイン面にもかなりこだわりがあり、気に入ったモデルルームやホテルのお写真をお持ちいただいたおかげで、お好みをしっかりと把握することができました。タイル1枚にしても色や質感、サイズ、張り方まで一緒に考えながら、Aさんもゲストもくつろげるような、オリジナル性の高い住まいに仕上げていきました。
玄関
たくさんのゲストの靴を収納できるように、大容量のシューズクロゼットをゼブラウッドで造作。中央に設けた飾り棚は、背面に割肌(割ったような質感)の石を張って、黒がベースの重くなりがちな空間にリズムと抜け感を与えています。石の色は、廊下の壁のタイルと揃えて統一感を出しています。間接照明のおだやかな陰影が、上質なホテルのようにゲストの落ち着た心を誘います。
廊下
玄関ホールからリビングへと続く壁には、横長のタイルを張りました。リビングのフローリングもタイルと向きを揃えて敷設し、玄関からの視線を奥へと促します。効果的に配置した間接照明が、壁に飾った絵画の魅力を際立たせてギャラリースペースのようになりました。リビングと玄関ホールは、ガラスのドアで仕切ることで連続性と開放感を保っています。
リビング・ダイニング
和室の仏壇やダイニングのキャビネットの背面は、模様のうつくしい石を張って重厚感と高級感を持たせました。間接照明を設置したことで、光の当たり方による表情の変化をたのしむことができます。リビング・ダイニングにはライトコントロールを採用したため、友人たちとにぎやかに過ごしたり、家族だけで静かに過ごしたりと、それぞれのシーンに応じて光の量を調整することができます。
和室
リビング・ダイニングの床には、赤みを帯びた艶やかなローズウッドの無垢フローリングを敷設しました。和室には、黒い縁なしの畳を使用。全体的にシックな色合いで統一していますが、人造石やブロンズミラー、割肌の石や大判のタイルといった上質な素材を組み合わせることによって、空間全体に華やかな空気がただよっています。
洗面室
キッチンと隣あわせの洗面室は、タオルウォーマーやリネン収納を備えたゆとりある空間に。洗面台とミラー収納の間にも鏡を張って、より明るく開放的な印象に仕上げました。もともとキッチンの横にあった浴室は洗面所の向かいに移動して、寝室から洗面、浴室への動線をアップ。大きな浴槽を入れたことで、湯船にゆったりとつかる癒し空間に生まれ変わりました。
トイレ
ゲストが利用することを想定し、トイレはダークトーンの色彩で統一しました。濃茶の建具やアクセントクロスや黒のカウンターが、心を落ち着かせてくれます。間接照明のやわらかな光で、よりリラックスできそうです。キッチンダクトが通るために天井高が低くなっていますが、一面にブロンズミラーを張ることで実際より広く感じさせています。
素材感を使い分け、
趣のある空間に
テレビコーナーの壁は、艶のある黒の大判タイルで囲い、内側にはリズムのある割肌(割ったような質感)の石をあしらっています。重厚な黒いタイルがリビングに落ち着きを与えながら、グレーの石が波打つような面持ちで印象を深めてくれます。玄関ホールの飾り棚にも、同じく割肌の石を使用して、趣のある雰囲気で全体を統一しました。
二世代が心地よく
暮らせる回遊性
ご夫婦とお母さま、生活リズムの異なる二世代が心地よく暮らせるように、寝室からキッチン、洗面所へと流れるような動線を設けました。たとえば、玄関で来客対応中でも、引き戸を閉めることで浴室や洗面所を使用するなど身支度を整えることができます。また、キッチンと洗面所を隣接させることで、家事効率を高めることもできました。
寝室に続く小部屋は、WICや書斎として
2つの各寝室にはクロゼットをつくりましたが、たくさんの衣類をお持ちのご夫婦の寝室隣りには、さらにWICとしても使える小部屋を設けました。ここに机を置けばAさんの書斎としても使える、使い勝手のよい部屋です。引き戸を開け放てば寝室と一体の開放的な空間に、閉めれば仕事に集中する書斎に。必要に応じて変化する、フレキシブルな空間となっています。