物件データ
ご実家の2階をリフォームして同居することにしたKさん。しかし、2階の半分は賃貸用の住居、もう半分はご自宅というようにフロアが分かれていました。2つの住居の間仕切りを撤去して1つの住まいにしたいと数社のリフォーム会社に相談したところ、2×4工法のため難しいと言われましたが、クラフトは強度バランスを保てば壁の撤去は可能と判断。可能な限り壁をなくし、間口を広げて2つの住宅をつなげることができました。上部に吹き抜けを設けた開放感あふれるLDKと、そこに続く寝室といった、シンプルな間取りに仕上げています。寝室の引き戸を開放すれば、舞い込んだ風と光が縦に横に通り抜けるワンルームのような大空間に。ご夫婦がお互いに心地よい距離感を持って暮らせる住まいが誕生しました。
2×4工法の住まいでも、強度バランスを考えて壁を撤去
2×4工法の住宅の2階は、入念な調査のもと壁を撤去。開口部をマグサや床根太で補強するなどしたことで、和室、LDKと寝室、水まわりと、3つにゾーニングすることができました。そのうち和室は親世代に使用してもらうことにし、耐震性を保ちながら広々としたLDKと寝室を設けました。屋根裏収納の一部を吹き抜けにし、既存の小窓を大きくつくり変えたことで、開放感と明るさを確保。LDKの上部に設けたロフトの障子や梁に見られる重厚な和のテイストが、開放的な空間をしっかりと引き締めています。
ロフト
LDKの上部には、ご主人の書斎とゲストルームを兼ねたロフトを設けています。雰囲気よくお酒を飲みたいというご希望から、和風の居酒屋テイストを取り入れました。本棚は、表面がざらざらしたラワン材に塗装をしてラフな質感を出し、天井には無骨さを印象付ける化粧梁を入れました。お1人で読書したり、ご友人とお酒をたのしんだり、カジュアル使いができるよう、気取らない和のテイストに仕上げています。
リビング・ダイニング
既存の間取りは細かく仕切られおり、2×4工法のため壁を撤去するには強度バランスを考慮する必要がありました。玄関ホールからダイニングからリビング、寝室までを見通すことができる、大空間のワンルームのように仕上げています。白を基調としたシンプルなインテリアのなかでアクセントとなるように、テレビ台の背面には素材感が際立つタイルを貼りました。凹凸の陰影が空間の中心であるかのような存在感を放ち、自ずと視線が誘われるようにしています。
キッチン
玄関から丸見えだった独立型のキッチンは、玄関の向きを変えて見えないようにし、壁をなくしてLDKにつくり変えました。対面式にしてダイニングやリビングでくつろぐ家族と会話ができるようにしつつ、カウンターに目隠しの壁を立ち上げて手元を見せないように配慮。カウンターのダイニング側には飾り棚と収納を造作しています。扉がテーブルに引っかからず開閉しやすいように、サイズを調整しました。
玄関
リビングとひと続きの寝室は、真北にあるため光が届きにくいことが問題でした。そこで、間仕切りには半透明の引き戸を採用し、ダイニングに面した壁の一部にも半透明のタペガラスを使用。既存の天窓に加えて、2方向のガラスから隣室の光が届き、太陽の光とともに心地よく目覚められるようになりました。
お互いの気配を
感じる間取り
リビングの一角には、奥さまが電子ピアノを弾きやすい高さでカウンターを設けました。天板の裏面は鏡にし、立てて化粧台として利用できるように工夫。ほかに、奥さまの仕事道具を収める吊り戸棚を設けるなどしてちょっとしたプライベートスペースとしました。ロフトはご主人さまの書斎を兼ねたゲストルーム。非日常空間でお酒たのしめるように、古民家風の居酒屋のようなデザインに。
障子や梁で和の趣を演出
屋根裏収納の一部をロフトにつくり変えました。ご主人さまが読書したり、お酒をたのしんだりすることから、LDKと趣を変えて、こもるような落ち着きを感じる雰囲気に。床は黒みがかったウェンジ材のフローリングを敷設し、障子の格子と本棚は黒に塗装、天井にも化粧梁を入れて無骨さと重厚感を与えています。床に座って、お座敷のように使えるカジュアルな和の空間となりました。
素材や間仕切り、
間取りに工夫
これから猫を飼う予定があるため、ロフトの障子はワーロンシートを使用しています。塩化ビニール樹脂で和紙を挟んでいるため、丈夫で掃除がしやすく、猫が引っかいても破れにくくなっています。また、洗面室とダイニングの間仕切り壁には猫専用のドアを。トイレにも猫専用のトイレスペースを設け、これから迎える猫のために万全の準備を整えました。