物件データ
中古購入した一戸建ての建て替えを検討していたものの、既存のデザインで素敵な部分があったため、それらを活かしてリフォームすることにしました。間取りは、ご夫婦2人で過ごすため部屋数よりも広々とした空間づくりを優先しています。以前は1階にあった水廻りを2階に移動し、リビングとダイニング・キッチンの間仕切りをなくして広々としたLDKを新設。庭に面していたリビングの腰窓を格子入りの大きな掃き出し窓に変えて、開放感と明るさをアップさせました。横に並ぶ既存のアーチ型の窓とデザインを統一し、空間に統一性を持たせていることがポイントです。また、お持ちの家具のクラシカルなテイストがしっくり馴染むように、使用する素材や色にこだわっています。既存の魅力を活かしながら、お2人のお好みと快適性を考慮したクラシカルな住まいに生まれ変わりました。
既存の素敵なデザインを活かしつつ、
耐震補強で安全性をアップ
ご夫婦2人で暮らすことから、部屋数の多さよりも、心からくつろげるような開放感あふれる空間づくりを重視しました。たとえば、1階にあった水廻りを2階に移動し、1階をパブリップスペースとしてゆったりと使えるようにプランニング。大空間のLDKをつくるため、邪魔な柱は撤去して、替わりに新たな柱と梁を目立たない場所に設けて補強しました。プライベートスペースの2階には、もともとあった和室を残し、新たに寝室と読書スペースを設けています。1人で静かに過ごす時間も大切にするため、寝室と読書スペースの間にWICを設けてそれぞれの空間にほどよい距離が生まれるように配慮しています。
リビング・ダイニング
暖炉の導入を強くご希望されたため、気軽に利用できるガス暖炉を採用しました。空間のテイストに調和させるため、周囲を大理石で囲って装飾をあしらった飾枠を造作しています。両サイドには天井まで届く本棚を設け、お持ちの書籍を飾りながら収納できるように。おじいさまから譲られたという絵画を飾って、リビングを彩る華やかなスペースに生まれ変わりました。
リビング・ダイニング
既存の腰窓を大きな掃き出し窓につくり変えたことで、庭の緑と光が空間を彩るさわやかなリビングに生まれ変わりました。横に並ぶ建具と雰囲気を統一するため、複層ガラスの間に格子の入ったデザインを採用。表面に凹凸がなく掃除がしやすくなっているうえ、断熱性を高めています。天井高を上げたことにより露出した梁は白で塗装して目立たなくし、構造上撤去できない柱はルーバーとして活用しました。
キッチン
壁には白いタイルを煉瓦のように貼って、掃除がしやすく、エレガンスさの漂うキッチンに仕上げました。キッチンの側面には家具のトーンと揃えた木を貼って落ち着きを与え、キッチンをインテリアの一部のように空間に調和させています。階段の横には木のルーバーを設けてトイレが視界に入らないように配慮しつつ、階段ホールとダイニング・キッチンをゆるやかに区分しました。
読書スペース
寝室の一角には読書スペースを設けました。たくさんお持ちだった書籍に合わせて、本棚も新たに造作しています。お気に入りのシャンデリアやカーテン、机とライトなどエレガンスな調度品に囲まれて、コーヒーを片手にほっと一息つけそうです。床には階段と色違いの白い絨毯を敷設。もし飲み物をこぼしても安心な撥水性の高いものを採用しています。
トイレ
さわやかな白で統一した開放感あふれるトイレには、ゆったりとした手洗いカウンターを設け、その下部にたっぷりと収納できるようにしました。天板には白いモザイクタイルを張って、シンプルな中にも素材感を感じることができるように。収納扉や鏡には装飾をほどこし、タオル掛けや蛇口にも趣のある真鍮を採用しています。室内とテイストを揃え、モダンでクラシカルな雰囲気に仕上げました。
玄関
来客から家の中が見えないように、玄関ホールと階段の間を壁で仕切ってエントランスを独立させ、ルーバーでおだやかに目隠ししています。暗くなりがちな玄関は、正面の壁の一部にすりガラスを使用して階段ホールの光が玄関まで届くように工夫。また、天井まで届く大容量のシューズクロゼット、ベンチとして利用できる収納を設け、すっきりとした状態を保てるようにしています。
家具が引き立つ
シンプルな配色
ご愛用の家具が空間に合うようにインテリアをデザイン。LDKの床には、濃淡のグラデーションがうつくしいチークのフローリング材を敷設。壁や天井の白を背景に、クラシカルな家具がぱっと冴えるように設計しました。また、階段から2階のプライベートルームに続く通路は、深みのあるワインレッドの絨毯を敷いて落ち着きと重厚感をもたらしています。
既存を活かしてエレガントに
既存のデザインで魅力的だった部分は、新たなインテリアに活かしています。たとえば、玄関とリビングのエレガントな建具は白く塗装。階段の照明や、扉のクラシカルな取っ手もそのまま利用しています。リビングにあった腰窓は、庭を見渡せる大きな掃き出し窓につくり変えました。流用した半円の窓のテイストと合わせ、白い格子のデザインで上品に仕上げています。
構造躯体を補強し
耐震性アップ
今回のリフォームの目的の1つだった耐震補強。構造躯体に筋交いを補って、金物で補強し、外壁の雨漏りしていたひび割れの補修、塗り替えを行っています。区の助成金を利用してコストを抑えることができました。さらに快適性を高めるために、雨漏りしていた屋根を交換し、ガス床暖房を取り入れています。