物件データ
Uさんは住み慣れたマンション内で、より広い物件に住み替えをしました。これまで以上の快適性と使い勝手のよさがご希望だったため、独立していたキッチンの壁を撤去。30畳を超える広々としたLDKへと生まれ変わりました。キッチンには、アイランドカウンターと軽食スペースを設け、その先は和室へと通じています。キッチンで料理をする奥さまがお昼寝するお子さまを見守ったり、和室でくつろぐゲストがLDKの様子を感じたりと、Uさんの生活スタイルに沿った間取りに。また、玄関から直接キッチンに入ることができるなど、生活動線にも十分に配慮。152㎡の大空間を無駄なく使えるよう、さまざまな工夫を凝らしています。家具が主役になるような、シンプルでモダンなインテリアもポイントです。
ときどき使う和室のレイアウトに工夫
使用頻度は少ないけれど、来客時には使いたい。和室を残すかが一番の問題でした。そこで、和室は使いやすい場所に配置することをご提案。いくつかのプランの中から、キッチンの奥に配置することに決めました。料理をしながら、和室でお昼寝するお子さまを見守ることができ、ゲストがくつろぐ場合も、ほどよい距離を保ちつつ、あたたかなおもてなしをすることができます。和室とLDKがつながることで、以前のような行き止まりのない、風通しのよい印象になりました。元々和室があった場所は南向きで日当りがよいため、毎日使う寝室に変更しています。
リビング・ダイニング
今回はリフォームだけでなく、家具のスタイリングも担当しました。30畳を超えるLDKは空間の広さを活かすため、落ち着いた色合いの家具で統一しています。当初はダークトーンを基調としたインテリアをご希望だったUさんですが、打合せの会話の中から好みのテイストを把握して、絵画やクッションなどで明るいカラーを添えることを提案しました。シンプルな空間に、ほどよいリズムのあるインテリアとなっています。
キッチン
L字型のキッチンカウンターの奥にはアイランドカウンターを配置。併設したテーブルは軽食をとったり、将来成長されたお子さまが宿題をすることを想定しています。キッチンで料理をしながら、リビングでくつろぐご主人や、和室で昼寝する小さなお子さまを見守ることもできます。キッチンやリビングには、和室の窓から心地よい風が舞い込んでいきます。長時間キッチンで過ごす主婦のためのさまざまな工夫を施しました。
リビング・ダイニング
最上階のため天井高を高くすることが可能と判明。ダクトの関係で天井を上げられない部分以外はできるだけ上げ、より開放的なリビングに。その高さを活かして大容量の壁面収納を造作したことで、いつも整頓された暮らしが維持できます。また、ご主人がご趣味の映画鑑賞をたのしめるようにプロジェクター、スクリーン、7.1chのスピーカーを入れ、壁の遮音性をアップ。
寝室
以前は北側にあった寝室を日当りのよい南側に移動したことで、太陽を感じながら目覚められるようになりました。天井にゆるやかな勾配を持たせることで、寝室にふさわしい開放感が生まれています。光の方向を計算しながら設置したライトの陰影が、落ち着いた心を誘います。壁には輸入クロスを貼って、ヘッドボードの裏にも間接照明を。ファブリックにもこだわり、ホテルのように上質なたたずまいに仕上げました。
洗面所
WICで囲まれた洗面所と浴室では、着替えと洗面、脱衣と入浴がスムーズに行えます。また、洗面台にはボールを2つ設け、家族の身支度が重なる心配を払拭。天井高を高くしたことで寒さが心配されるため、床暖房と温風暖房を入れました。窓の外は玄関前なので、遮視・防犯のために普段は可動式のミラーでおおって、掃除や身支度など必要時だけ窓を利用できるように工夫しました。
玄関
以前は暗く閉鎖的だった玄関。リビングのドアの横にフィックスガラスを配したことで、南側にあるLDKの光が玄関ホールに届くようになりました。やわらかな光が床の白いタイルを、いっそう艶やかに見せてくれます。タイルをリビングの手前まで敷設することで、ガラス越しに見たときに伸びやかさを感じられるようになりました。加えて天井を折り上げることで、より開放感を高めています。
機能性、デザイン性を追求した家具を
オリジナルで造作
テレビの掛かる壁には、ベージュのタイルを張ることで、シンプルな空間におだやかなリズムを生み出しています。テレビ台は上質なウォールナットのオーダー家具。AV機器がぴたりと収まり、背面で配線処理ができるようにしています。テレビ台の出っ張りや木の継ぎ目が気にならないように、天板には黒い板を使用しました。同時に空間を引き締めています。
暮らしに合わせた
レイアウトで、
大人も子どもも心地よく
生活動線を最短にするために、玄関を中心に左側をLDKなどのパブリックゾーンとし、右側を寝室やWIC、水廻りなどのプライベートゾーンとしました。WICに隣接した洗面所には出入り口が2つ、洗顔と着替え、脱衣と入浴がスムーズに行えるようにしています。また、親と子がいつも触れ合えるように、キッチンを経由して子ども部屋へ向かう間取りにしました。
新設したトイレの配管スペースは、リビングの飾り棚として活用
新築時に2ヶ所あったトイレのうち1つは、前居者により撤去されていました。今回のリフォームで、もう1つを復活させたいというご希望がありましたが、そのためにリビングの中央を通る配管とトイレをつなげる必要がありました。直床で床下に配管ができないため、黒い台の中に配管を収め、台は飾り棚やベンチとしてご活用いただくことにしました。