物件データ
ご親戚の住む敷地内にある小さな一軒家。アトリエ兼住宅としてリフォームしました。「仕事とプライベートをはっきりと分けたい」というご希望により、1階はリビングとダイニング、2階には寝室とアトリエを設置。愛猫との程よい距離感づくりも、心地よく暮らす為のポイントです。とくに猫に睡眠と食事を邪魔されないよう、リビングとダイニング、階段と寝室との間に間仕切りを設けています。1階の化粧スペースには猫専用の階段を。段違いの階段を上がって行くと、ご主人さまの寝室へ。入り口の引き戸を開ければ、いつでもコミュニケーションをとることができます。リビングを横切るのは、クールな鉄骨階段。黒く塗装し、空間をぐっと引き締めました。手前の鉄骨階段を上がるとすぐに寝室、ドアの先にはアトリエが。猫と人、それぞれの暮らしを大切にしながらも、いつも顔を合わせていられるように工夫しました。
間取りがライフスタイルに合わず、設備も劣化。
集中できるアトリエがほしい
ご親戚の敷地内にある築39年の一戸建て。 設備が古く、間取りもライフスタイルに合わない状態でした。またご自宅でお仕事をするため、アトリエも欲しいとお考えだったそうです。愛猫に邪魔されないように食事や仕事をする空間づくりもご希望でした。
リビング
リビングを斜めに横切るのは黒く塗装した鉄骨階段。スケルトンの軽やかでクールなフォルムは、光や風を遮ることなく空間を引き締めてくれます。同時に開口を台形に設けた吹き抜けを通じて、2階の窓のやわらかな自然光がリビングにふんだんに届くようにしました。ラフな雰囲気がお好みだったことから、床には黒いコルク、天井には本来下地に使うラフな合板を使用しています。
猫用階段
お施主さまのご希望で、リビングの一角に化粧スペースを造作しました。その壁に設けた、棚を互い違いに配置した猫専用の階段を上っていくと、2階の寝室の本棚から出られる仕組みに。本棚の扉は開閉できるため、閉めたままで静かに眠り、開けて2階から声を掛ければトントンと駆け上がる愛猫の気配を感じることができます。落ち着いた赤のクロスをインテリアのアクセントにしました。
玄関
計画上、窓側に玄関を配置する必要があったため、あえて玄関とリビングを仕切らずオープンにし、庭のすがすがしい緑をどの位置からでもたのしめるようにしました。光や風が届き、季節の移ろいを感じることができる心地よいリビングとダイニングに生まれ変わっています。下部に設けた窓のおかげで、猫も景色を眺めながらお施主さまのご帰宅を待てるようになりました。
寝室
「猫はアトリエへ立ち入り禁止、寝室は許可したときだけにしたい」というご要望があったため、隣のアトリエに続くアーチ型のドアを2つ設け、寝室からの移動がスムーズで、また階段からも直接出入りできるようにしています。壁に設けた大小2つの窓は、お施主さまと猫がお互いの様子を眺める覗き穴。離れていても心でつながっていられます。
アトリエ
絵を描くのが仕事のお施主さまのため、アトリエは使い勝手をどこまでも追求しました。道具を洗う流し台を設け、その上部には絵を乾かす網棚を造作。また大小の作品を立ててしまえる大きな収納もつくりました。照明は、作業位置に合わせて位置と向きを調節できるスポットライトを採用。大きな絵は床で描くこともあるため、床にはぬくもりのあるコルクを敷設しています。隙間なく敷いてフラットな面にし、拭き掃除も手軽にできるようにしました。
洗面所・バス
小さなスペースに合わせたカウンターに、丸い洗面ボウルを取り付けてすっきりとコンパクトに仕上げています。お施主さまのお好みに応じ、洗面所の壁には赤系の丸いタイルを貼ってかわいらしく、バスの壁には細長い青系のタイルを縦に貼ってさわやかな印象に。居室とは趣ががらりと変わる、ポップな洗面所とバスが誕生しました。洗面所とバスの床には同系色のタイルを張り、空間の伸びやかさを演出しています。