物件データ
1年前に中古のタワーマンションを購入し、リフォームしてお住まいだったNさん。しかし、ご夫婦の生活スタイルに合わせた間取りにしたいと、再度リフォームすることに。大きな窓の外には高層ビル群が連なる都会的な風景が特徴。この魅力を活かすため、キッチンを移動し、廊下だった空間を取り込んで、LDKを約26畳に拡大しました。奥まった場所に移動したキッチンは、オープンにして窓を向いた対面式にしたことにより、家事中でも景色を眺めることができるように。キッチンから窓まで視界が開け、抜けるような開放感が生まれました。邸内に2つある撤去できない太い柱を軸とした回遊動線は、暮らしをスムーズにしています。
洗面室やキッチンの移動で、開放感あふれるLDKに
98㎡の広さがあるにもかかわらず、実面積ほど広さと開放感を活かしきれていなかったため、長くて暗かった廊下をなくして洗面室や浴室を広げ、キッチンを奥に移動してLDKの面積を拡大。キッチンから窓までの見通しが開け、開放感が格段にアップしました。さらに壁をチャコールグレーにすることで、視線が窓に向くようにデザイン。また、キッチンの近くに洗面所を設けたり、寝室からWICまでをスムーズに移動できるようにするなどし、動線も改善しました。必要な場所ごとに収納を設け、整然とした状態を保ちやすくしています。
リビング・ダイニング
圧迫感のあったリビングは、廊下を無くしてキッチンを移動し、約26畳のLDKに一新しました。天井の配管を整理して折り上げ天井を設け、長手方向に間接照明を入れることで、天井がすっきりとし、空間に奥行きを感じられるように。壁にはチャコールグレーのクロスを張って、窓をフレーミング。設備を窓中心の左右対称に配置し、景色を額縁に飾ったうつくしい絵画のように輝かせています。
キッチン
独立していたキッチンは、窓を向いた対面式につくり替えて料理中も景色をたのしめるように。キッチンの天板には、水晶を主成分とした黒い人工大理石を採用。艶のある表面に水晶の欠片が散りばめられて、高級な家具のようです。キッチンの横のパントリーには、冷蔵庫などの家電製品も収納可能。生活感を排除して、上質なひとときを過ごせるように工夫しました。
寝室
寝室の床には肌触りが心地よいカーペット。ベッドの背面には個性的なテクスチャーのグレーのアクセントクロスを張りました。間接照明の光で生まれた陰影が、就寝前の落ち着いた気分をもたらしてくれます。以前から外音が気になっていたことから、壁には防音処理を施して、ぐっすりと眠れるようになりました。静寂に包まれて眺める夜景には、また違った趣が感じられます。
洗面室
水まわりを大幅に移動し、面積を拡大しました。幅1.7mのゆとりある洗面台と、同じく幅広の鏡を設けてゆったりとした空間に。壁は紫のパールガラスモザイクで上品に装飾。鏡の上下に設けた間接照明の光の当たり具合によって、色彩と趣がきらきらと変わり、華やかな気分で身支度ができるようになっています。洗面室と浴室の間仕切りにはガラス戸を使用して、空間に明るさと開放感をもたらしました。
WIC
ご夫婦の生活スタイルに合わせて、間取りを工夫しています。例えば、寝室からWIC、シューズクロゼット、玄関までをひと続きとして、寝室のドレッサーでのメイクからWICでの洋服選び、シューズクロゼットでの靴選び、出かけるまでの動線を設けました。どのような流れで身支度を行うかを考慮し、部屋と収納をバランスよく配置したことがポイントです。
玄関
以前は暗い印象だった玄関は、LDKとの間をガラス扉で仕切ったことで、リビングの自然光がホールまで行き渡るようになりました。同時に、玄関からも眺望をたのしめるように。床にはリビングと同じ60㎝角の大判タイルを敷設。白く艶やかなタイルには、自然光やトップライトが映り込んでより明るく軽やかな印象です。リビングまで続けて張って、空間に伸びやかさと開放感を与えています。
窓を中心としたシンメトリー
都会的な景色が広がるリビングは、窓を中心としたシンメトリーに。間接照明や引き戸、ガラス棚やコンセントの位置など、デザイン・配置ともに左右対称に仕上げています。さらに、両側の壁をチャコールグレーにし、外の景色をフレーミングされた絵画のように印象的に浮かび上がらせています。自然と窓に視線が向き、ふと心が癒される。タワーマンションの魅力を最大限に活かしたデザインです。
柱を軸にゆるやかに回遊
2つの柱を軸に回遊できる動線をつくったこともポイントです。1つの柱側はキッチンから洗面所を設けて料理をしながら洗濯ができるように。また、もう1つの柱側はWIC、シューズクロゼットを設けてスムーズに身支度を整えられるようにしました。柱を軸にしたことで、柱の存在感を抑えることができました。ご夫婦の生活スタイルに合った動線を設け、快適性を高めています。
必要な場所に収納を
生活感を出さずにすっきりと暮らすために、収納量を増やしました。とくに、キッチンの横に設けたパントリーは食品だけでなく、冷蔵庫などの家電を収めることができ、リビングから見たときに生活感を感じさせることがありません。大きなWICやシューズクロゼットのほか、洗面所には天井まで届く収納を造作しています。