物件データ
長くお住まいのご自宅をリフォームすることにしたWさん。坪庭があるなど和の趣がお好きで、リフォームでも和モダンのインテリアをご希望でした。
リビングとダイニングの間の壁を撤去し、ゆったりとしたLDKに。床にはすっきりとしたタモのフローリング、天井にはすだれのようなヨシベニヤを。リビング〜ダイニングまで連続させることにより、空間に連続性が生まれました。大切な坪庭をLDKに取り込むために、窓を拡大。一面の窓には雪見障子を設置し、外からの視線を遮りつつ、庭の景色を愉しめるようにしています。キッチンカウンターやTVボードも床と同じタモを使用し、すっきりとしたイメージに。和の趣とモダンのバランスをとりながら、家族みんなでくつろげる上質な空間に一新しました。
リビング・ダイニング
使わない和室をなくして生まれたLDには、光と緑を贅沢に取り込みました。窓の外には手入れの行き届いたご自慢の坪庭。LDKのどこに居ても眺められるように、リビングからダイニングにかけて窓を大きくしたこともポイントです。雪見障子を開けると目に緑があざやか、清流のほとりに佇んでいるような清々しさが広がります。ご希望だった和のテイストを取り入れながら、明るくモダンな印象に仕上げました。
リビング
木目が美しいタモ材のフローリングを張り、すだれを思わせるヨシベニヤを天井に張って、すっきりとした印象に。奥に位置するダイニングまで連続して張ることで、空間のつながりを強調しています。障子によって光が拡散し、空間いっぱいにやわらかな光が。障子を右側の壁に寄せれば、全開の窓から多くの緑と光を取り込むことも可能です。ご家族みんなでソファに座り、ゆったりとくつろげるようになりました。
ダイニング
全体の調和を意識した空間構成。壁をなくしたことで現れた構造上必要な柱は、ピーラーの丸柱に差し替えて空間に溶け込ませています。また、既存の掘りごたつのテーブル部分は、床やキッチンと同じ色合いで新調。キッチンカウンターの側面のパネル、TVボードや収納も床と同じタモ材で造作しました。使用する木の素材や色を統一し、LDK全体を落ち着いた雰囲気でまとめています。
キッチン
キッチンの天板は、落ち着いた印象のステンレスのへアライン仕上げに。メタリックな質感のキッチンは、側面にパネルを造作することによってLD側から見たときのクールな印象をやわらげています。カウンターの一部は、家事の合間に庭を眺めながらお茶を飲んだり、お子さまが宿題をしたりとテーブルとしても利用できます。奥さまが料理中によく見るというレシピ本を収納できるよう、奥には小さな吊り戸棚を設けました。
玄関
既存の大きな玄関があったものの、ほとんど来客専用となっており、出入りが便利な勝手口を利用することが多かったそうです。そこで既存とは別に、ご家族専用の玄関を新設しました。たくさんお持ちの靴も余裕でしまえるように、大容量のL字型収納を設置。土間には黒いタイルを敷き、居室と同じく和の趣を感じさせています。プライベートとパブリックを完全に分けたことにより、来客に気兼ねせず利用できるようになりました。
ダイニング
夜暗に浮かぶ深い緑。庭に入れたスポットライトが四季折々に色づく木々やつくばいを浮かび上がらせ、昼とはひと味違った庭の表情を楽しませてくれます。塀の高さと雪見障子を開けたときの縁の高さをそろえるなど、細部まで見た目の美しさにもこだわりました。塀にゆらめく木の影がもたらす、非日常的な心の潤い。家族が寝静まった後、ほの暗さのなかで一人楽しむお酒はまた格別です。