物件データ
築19年のマンションを購入したEさんは、クラフトでデザインリフォーム。キッチンを中心に据えた、シックな住まいをご希望でした。インテリア好きでこだわりのあるご夫婦が選んだキッチンカウンターは、木目がきれいな家具調。床にはグレーのタイルを使い、全体をシックな雰囲気でまとめています。無垢のフローリングや建具なども使用し、クールさのなかに木のぬくもりもプラス。見通しのよい空間構成で、LDKのどこからでも空や窓の外の緑が視界に入る住まいとなりました。壁式構造のため撤去できない壁の一部は、開口部を見せた本棚としてLDKのアクセントに。素材のテクスチャーを活かしつつ、限られた条件下でも空間を広く見せるため、さまざまな工夫と視覚効果を意識しています。
BEFORE写真
壁式構造の制限を乗り越え
ご希望の間取りとデザインに
壁式構造のため動かせない壁が多かったものの、レイアウトを工夫することで、洗面室や浴室のスペースを拡大しました。LDKの壁の開口部分は本棚とし、構造上の制限を逆手に取りながらインテリアの一部に取り込んだこともポイントです。
お気に入りのキッチンを中央
ダークブラウンの木目模様のキッチンをセレクト。これに合わせて、床にはマットな質感と色むらがクールなグレーのタイルを貼りました。壁式構造のため動かせない梁があったものの、見通しを高めることで開放的な印象に。玄関ホールの突き当たりにはミラーを設置して、伸びやかな雰囲気を演出しています。リビングの向こうに広がる窓の外の緑がミラーに映り込み、抜け感が。ご夫婦2人がどこで過ごしていても絵になるような、モダンな空間となっています。
こもり感あるデスクカウンター
ダイニングのタイルに対し、リビングにはウォールナットのフローリングを張りました。あたたかな雰囲気を演出しつつ、ご主人さまのデスクカウンターも設置。上部の下がり天井と間接照明により、こもったような雰囲気が生まれています。また収納は、ワインセラーが収まるようにサイズを調整してレイアウト。リビングの一角ながらも、さまざまな過ごし方ができる空間です。
寝室への動線にひと工夫
シンプルなデザインとクールなタイルのテクスチャーをベースに、天井や床にはウォールナットで木の素材感をプラス。珪藻土など自然素材も取り入れています。本棚の先に続く寝室をクランクさせ、入り口が見えないように配慮したこともポイントです。空間の奥行きと同時に、生活感を感じさせないようにしています。
モノトーンで統一したキッチン
当初から、生活感のない暮らしを希望していたEさん夫婦。素材にもこだわりがありました。キッチンはフラットなステンレスの天板とダークブラウンの木板パネルのオープンの対面式としました。コンロの横の壁には石目模様が美しい上がるタイルを貼り、背面の壁の一部には黒いモザイクタイルを使用。モノトーンで統一しつつも、豊かなテクスチャーを感じさせるキッチンに仕上げています。
インナーサッシを入れ
断熱性と防音効果をアップ
ベッドルームのフローリングはオークの無垢材を採用。LDKから見えないように配置したため、ドアを開放したまま通気性を高めたり、開放的に過ごすことができます。窓からは自然光が注ぎ、朝の光で気持ちよく目覚められるように。窓にはインナーサッシを入れ、断熱性と防音効果をアップ。ベッド側の壁は、ご夫婦自らが楽しみながらパステルグリーンに塗りました。
ゆとりを持たせた洗面室
今回のリフォームにおける課題のひとつは、「壁式構造の制約の中でいかに洗面室を大きくするか」ということでした。浴室を大きく移動し、洗面室とともにL字型に配置するなどレイアウトを工夫することでスペースを拡大。ワイドな洗面カウンターを設置し、壁一面にミラーを貼ることで視覚的な広がりを演出しました。床には玄関やダイニングキッチンと同じタイルを使用。住まい全体のテイストを統一し、上質な雰囲気に仕上げています。
インナーサッシとペアガラスで快適に
広さや立地が気に入って購入したマンションでしたが、断熱性に不安がありました。既存のサッシには断熱効果がないため、冬は寒く、夏は暑くなることがご心配だったとか。そこでリビングやベッドルームの出窓はインナーサッシに、その他の窓はペアガラスに変更。防音性も高まり、年間を通して快適に過ごせる住まいになりました。
LDKのどこにいても緑を感じる
窓の先に緑が広がっていることも、この家を気に入った理由のひとつ。そこでLDKのどこにいても緑を感じられるよう間取りを変更しました。独立していたキッチンはオープンにすることで、キッチン側にあった窓の景色もLDKから見えるように。視界が開けると同時に、明るさと開放感をもたらしています。四季の移り変わりを感じることができる快適なリビングに。