物件データ
お子さまが成長し、これまでの住まいが手狭になったKさん。そこで十分な広さがあり眺めもよい、駅近の中古のマンションを購入しました。好みの間取りとデザインにするため、クラフトでデザインリフォームすることに。明るく日当たりのよい南側に大きなLDKを設けるなど、間取りを大胆に変えています。アンティーク煉瓦の壁や古材を使ったデスクカウンターで、ご希望のインテリアに。ラフな雰囲気を演出しつつ上質な素材にもこだわった、趣ある住まいの完成です。LDKの一角にはお子さまが勉強したり、ご主人さまがくつろいだりする小上りのスペースを設けました。デスクカウンターや本棚でゾーニングし、こもったような雰囲気としたこともポイントです。
BEFORE写真
先行して解体を進行
現状をチェックして正式プランを決定
ホームパーティーができるほどの広いLDKをご希望だったKさん。しかし問題となったのは、住まいの中心に設けられていた防火区画の壁です。撤去はできないため、解体するまではキッチンを動かせるかどうかの判断ができませんでした。そこでいくつかのプランを作成しつつ、先行して解体を進めることに。その結果、キッチンを動かせることがわかり、北側のキッチンを眺めのよい南側に移動。希望通りの間取りをベースとした、正式なプランが決定しました。当初からご希望だった大きなLDKを実現しています。
ラフで上質な雰囲気のLDK
壁には古材やアンティーク煉瓦、表面が波打つ幅広のチークなどを使ってラフさを演出。梁は露出させて躯体を白く塗装し、コンクリートの凹凸がインテリアとなるように。その一方で杉や珪藻土などのすっきりとした素材も使用しました。ラフな雰囲気と上質感をバランスよく取り入れたLDKに仕上げています。
リビングサイドにスタディースペース
LDKの一角には、両親に見守られながらお子さまが遊んだり本を読んだりできるスタディースペースをレイアウト。ご主人さまも横になってくつろげるよう床暖房を入れるなど、シーンに合わせフレキシブルに使えます。オープンな空間をデスクカウンターや本棚、吊り棚で囲み、こもったような雰囲気を演出。その奥に設けた壁面収納の扉は、LDKの雰囲気に合わせた杉の羽目板を採用。ラフさのなかに上質な雰囲気を演出すると同時に、大空間を引き締める役割ももたせました。
アンティークな煉瓦の壁と
ステンレスが印象的なキッチン
キッチンの側面はマットな黒とし、天板は美しいステンレスバイブレーション仕上げ。手前にはスツールを置き、まるでバーのような雰囲気としました。キッチン背面からデスクカウンターにかけての壁には、アンティーク煉瓦を使用しています。梁下で高さを揃えて梁との間は白く塗装し、間接照明を設けて水平を強調しています。重厚感あるアンティーク煉瓦は、広いLDKの中で堂々としたたたずまい。存在感のある煉瓦とキッチンのバランスを考えてデザインしました。
クラシカルな洗面室
海外のホテルで見た洗面室が理想というご主人さまの意向を受けた洗面室。ゆとりのある洗面カウンターにはレトロなデザインの水洗と洗面ボウルを配置しました。洗面台下の収納扉は框の溝を深く掘り、クラシカルなイメージを強調。壁には、表面に歪みのあるハンドメイド調のタイルを貼りました。横方向に半分ずつずらした馬目地で貼り、空間のアクセントに。ミラーフレームは部屋のテイストに合わせて額縁を黒く塗装。細部にまでこだわりつつ、クラシカルな洗面室に仕上げています。
印象的なトイレ
トイレは向きを変えてスペースを広げ、手洗い場を新たに設置。ホームパーティーに訪れたゲストにも心地よく使っていただけます。壁には奥さまご指定のクロスを使用。同じ色で描かれた花模様の輸入クロスを一面に貼り、アクセントとしました。壁のスリットから注ぐ照明と小さなペンダントライトのほの暗さが、籠ったような落ち着きを演出します。扉とミラーのフレームは紺色とし、よりシックな雰囲気に。個性的で心華やぐ空間となっています。
杉の羽目板のドア
複数のドアに面した玄関ホールの中でも、LDKのドアは素材感のある杉の羽目板で製作。また、これまでのリビングは入るとすぐに段差があり、小さなお子さまには危険。そこで手前にドアを設け、床を上げて廊下を延ばすことで段差の唐突感を解消し、安全性を向上させました。床には素朴な風合いで人気のテラコッタタイルを使用。LDKに続くドアの横に設置したFIXガラスから見えるタイルのつながりが、抜け感と伸びやかさ感じさせます。壁がせり出すようにしてニッチを設け、トイレのドアへの視線を散らす工夫も施しています。
どちら側からでも使える
LDKのデスクカウンター
LDKに設けた小上がりとキッチンの間には、デスクカウンターを設置。奥さまがアイロンをかけたりPCで調べ物をしたり、お子さまが食事をしたり。小上がり側に座った際もデスクとして使えるよう、高さを調整しています。また段差に立てば、目線がちょうど吊り棚の高さに。キッチンとの連続性をもたせつつ、適度に視線を遮るための工夫です。吊り棚に黒皮鉄、デスクには古材を使い、無骨な雰囲気に仕上げました。
ファミリークロークで
毎日の家事をスムーズに
個室のそれぞれにはあえて収納を設けず、大きなファミリークロークを新設。収納スペースを一カ所にまとめることで、家族の衣類が一気にしまえるメリットがあります。忙しい奥さまの家事の負担を軽減してくれます。ご夫婦の部屋とお子さまの部屋の双方から出入りがしやすいよう、出入り口を２つ設けて、あえてドアは無し。仲のよい家族だからこそ実現した、合理的な収納となりました。
思い出を刻む珪藻土の壁
玄関の横には大きなSIC（シューズクローク）を設け、宅急便なども一時的に置けるように。出入りがしやすいよう扉は設けず、丸見えにはならないようレイアウトを工夫しました。住まいのデザインに合わせ古材で造作したベンチもラフな印象。ここで靴を履いたり、飾り棚にしたり荷物を置いたりすることができます。珪藻土の壁には、お子さまの手形。偶然、Kさん家族が施工現場に居合わせたことから、職人さんの計らいによってメモリアルな壁が生まれました。