物件データ
眺めのよいマンションをご購入したHさんご夫婦。「家で過ごす時間を大切にしたい」というご夫婦のライフスタイルに合わせ、フルリフォームすることになりました。とくにバスルームには「入浴しながら夜景を見たい」「お風呂につかってお酒を飲みたい」といった強いこだわりが。そこで、住まいの中心に水回りをレイアウトするといったプランをご提案。それにより、見晴らしのよさと、行き止まりのない回遊性を実現することができました。バスルームの窓からは、インナーテラスを介して夜景を眺めることができるように。家中に風が巡り、光が注ぐ、お2人だけのためのオリジナルのプラン。LDKは天井を上げられるだけ上げ、最高3.3mの勾配天井を実現しました。リゾートホテルのような開放感を感じることができるように。
BEFORE写真
眺めや最上階など、既存の魅力を活かしてプランニング。
ガラスでワンルームのようなつながりを演出
海外生活が長く、日本のマンションの間取りに窮屈さを感じていたご夫婦。クラフトのデザイナーは、”最上階”で”正方形”、かつ南北に窓があるといった既存の魅力を活かしてプランニングしました。天井の仕上げ材をなくし、勾配天井を活かした開放的なLDKに。各部屋の建具の上部にはFIXガラスを入れ、ワンルームのようなつながりを演出したこともポイントです。独立型キッチンは、対面のオープンキッチンに変えて夫婦2人でキッチンに立てるように。窓に面したレイアウトにより、見晴らしもアップしました。寝室の横には大きなWICを設置。書斎兼ゲストルームへの動線も兼ねています。全体的に白でまとめつつ濃いブラウンで引き締め、お好みのアメリカントラディショナルな雰囲気に仕上げました。
LDK
最上階だったことから、天井高を上げ、最高3.3mの高さの勾配天井に。何よりのご希望は「お風呂から夜景が見たい」というもの。窓をバスルームで塞いでしまうと家全体の通風・採光に影響することから、インナーテラスを介してバスルームから景色を望むプランをご提案しました。水回りの壁をグレーにし、大きな箱の存在感を強調。水回りを中心としたレイアウトにより、大きな回遊性を生み出しています。
インナーテラス
浴室に面したインナーテラスは床にタイルを貼り、外の内をつなぐ曖昧な空間に。陽だまりの中で読書をしたり、夜景を眺めながらお酒を飲んだり。その奥には朝の光が心地よい寝室を配置。壁にはウォールナットの板目と柾目を市松模様に貼り、リビングからのアクセントにしました。フルオープンも可能な3枚引き戸の間仕切り。上部にFIXガラスを入れて、勾配天井のつながりを感じさせることで、ワンルームのような一体感をつくっています。
WIC
あちこちに散らばっていた収納を大きなWICにまとめました。寝室~収納~書斎~リビングへと回遊でき、部屋間の行き来がスムーズです。これまで活用できていなかった部屋を活かせるようになりました。部屋とWICの間にはあえてドアを設けず、ダークブラウンの太めの開口枠を組み、重厚なイメージに仕上げています。リビングや寝室、洗面室の入り口も、同じデザインで統一。WICの引き戸を閉めれば、奥の書斎はゲストルームに変わります。
洗面室
入り口を2つ設け、インナーテラスと廊下の両方から出入りができるように。洗面カウンターは、ご希望の2ボウルでオーダー。壁には石目調のタイル、美しい装飾のKOHLERのミラーキャビネットによって、空間にトラディショナルな要素を与えています。床のタイルはリビング~インナーテラス~洗面室へと連続させ、居室とのつながりを。ドア上と一部壁上にFIXガラスを入れ、暗くなり勝ちな水回りにも自然光が届くようにしたこともポイントです。
浴室
インナーテラスに面したバスルームからは、都会の美しい夜景を眺められるようになりました。窓はあえて開閉できるタイプをセレクト。窓を開けてテラスの奥さまとお酒を飲んだり、風を感じながら入浴したりと、理想のバスルームを叶えています。大きなバスタブはご自身でセレクト。窓には浴室用ブラインドを設け、プライバシーにも配慮しています。毎日のバスタイムをたのしくする贅沢な空間です。
玄関
壁には石目調のタイルを貼り、上部に間接照明を入れました。框ドアのガラスの向こうまで光のラインが続く様子は、美しく伸びやかな印象です。同時にリビングの自然光を玄関まで届けます。座って靴を履いたり、荷物を置いたりするのに便利なベンチを造作。玄関~玄関収納~キッチンと回遊できる動線など、奥さまの家事効率にも配慮しました。
ワンルームのような空間
寝室の入り口は木製の3枚引き戸。フルオープンにすると、ワンルームのような開放感が生まれます。リビングからも寝室の勾配天井が見えるように、形状に合わせて上部にFIXガラスを。ルーバーの角度は調整できるため、閉めていても換気ができます。邸内にはできるだけ引き戸とFIXガラスを使い、空間のつながりを感じられるようにしました。
勾配天井で開放感をアップ
こちらのフロアが最上階ということと、既存の図面から、事前に「天井をもっと上げられる」と判断しました。天井材を撤去し、可能な限り天井高をアップ。アメリカ製のシーリングファンとシャンデリアは、テイストに合わせてデザイナーがご提案。アンティーク調の落ち着いたデザインで、勾配天井のダイナミックな空間でも存在感を放っています。
どこにいても風と光を
感じる
引き戸や回遊できる動線により、窓を開ければどこに居ても風を感じることができます。また、FIXガラスが自然光を透し、邸内に暗いところがないほどです。最上階ならではの絶景・陽当たり・風通しを最大限に活かしました。既存の窓は単板ガラスだったことから、インナーサッシで断熱性能をアップしています。