物件データ
新築時からお住まいのマンション。窮屈なリビング・ダイニングやキッチンなど、暮らしにくさを感じる部分を改善し、心地よい空間にリフォームしたいと考えていました。直床構造のために水回りの位置を変えられないものの、独立型のキッチンは向きを変えて対面式に変更。リビング・ダイニングと一体にし、大空間を設けました。さらにLDKを囲むように配置された長い廊下もリビングに取り込み、20畳を超えるのびやかなスペースに。制約がある中でプランの可能性を探り、理想を実現しています。玄関ホールからダイニングにかけて壁には天然石を貼り、大空間となった室内へと視線を誘うように工夫。玄関から収納を通って寝室にアプローチできる生活動線など、ライフスタイルに寄り添ったレイアウトにより、使い勝手を高めています。
暮らしやすいレイアウトと収納計画。
大空間のLDKと、ご希望の子ども部屋を確保
キッチンの向きを変えて東側に寄せることで、リビング・ダイニングの狭さを解消。通常、キッチンの背面に設置するカップボードは、奥のパントリー内に収めました。キッチン、冷蔵庫、パントリーの位置が分かれているため、家族がキッチンに集まっても動線が重ならず、動きやすいレイアウトです。キッチンの収納はパントリーに集約。日用品や掃除用具などは玄関脇のユーティリティスペースにしまい、リビングのあちこちに散らばっていたお子さまの勉強道具などは子ども部屋にまとめています。必要な場所ごとに収納を設け、すっきりと暮らせるようになりました。「子ども部屋を南東に設け、デスクを北向きに置きたい」というご要望も叶えています。
LDK
ご愛用の黒いソファやコーヒーテーブルに合わせて、キッチンに黒の腰壁を立ち上げ、ウォールナット色のテレビボードや建具を設置。床にはふわりとした手ざわりの白いカーペットを敷き、ホテルのような上質感を演出しました。折り上げ天井に間接照明を入れることで、2.5m以上の天井高や、リビング・ダイニングの広さがより感じられるように。柔らかな光が、やさしく落ち着いた雰囲気を演出しています。
LDK
都心でありながら、緑ゆたかな眺めをたのしめます。よりくつろいで過ごせるように、室内のインテリアは色やテクスチャーにこだわりました。例えば、キッチンの腰壁には、バーズアイの木目柄が印象的な黒のパネルを貼りました。腰壁を高めに造ることで、リビング・ダイニング側から手元が見えないように配慮しつつ、鏡面塗装によって華やかなイメージに。ダイニングテーブルも、腰壁と同じ色・柄のものを配置することで、統一感のある空間に仕上げています。
テレビボード
リビングには、5mを超えるカウンターと暖炉台を造作。カウンターは、お手持ちのテレビボードを組み込めるレイアウトをご提案しました。現場で組み立てたことで、コストを軽減しています。テレビボードの背面には、小さな孔状のくぼみをリアルに再現したトラバーチン模様の大理石調タイルを貼り、シンプルさの中にあたたかな表情を与えました。
キッチン
奥にパントリーを設けて、冷蔵庫やワインセラーはサイドの凹みに納めてフラットに。キッチンの背面をすっきりと見せると同時に、LDの広さを確保しました。キッチン横のPS(パイプスペース)は構造上なくすことができないことから、一面をインターホンなどの設置スペースに。裏面にはマグネットパネルを貼りました。メモなどを貼ってもリビング・ダイニングから見えません。
トイレ
トイレの壁にはストライプの輸入クロスを貼り、クラシカルな空間に。カウンターは黒で塗装し、床にはダークグレーの塩ビタイルを敷きました。既存の収納は黒の鏡面仕上げの扉に交換し、天井や換気扇、照明器具も黒で統一することで、ゴールドのクロスを引き立てました。また、手洗器の排水管が一部露出していたことから、カウンターを造作して隠しています。
玄関
玄関の床や框には上質な大理石が使われていたため、そのまま活かすことに。大理石に合わせて、壁面収納の扉やニッチは黒の鏡面仕上げとしました。キッチンの腰壁と同様、バーズアイの木目柄が落ち着いた空気感をもたらしています。ホールとダイニングを仕切る壁や扉にはタペガラスを使い、玄関ホールからダイニングまで続けて貼った石壁の存在を緩やかに感じさせています。
炎が揺らぐバイオエタノール暖炉
リビングにはバイオエタノール暖炉を設置。煙や煤が出ないためマンションにも設置可能で、薪の準備や煙突掃除などの手間が掛かりません。クールなカウンターに、暖炉を設置する箱のようなスペースを設けるなどしてオリジナルの暖炉台を造作。天然石のような色や風合いのタイルにより、本格的なマントルピースのような重厚感を再現しました。空間をしっかりと暖め、うつくしい炎の揺らめきをたのしむことができるように。
ゴージャスな輸入クロスを使用
子ども部屋には奥さまがセレクトした輸入クロスを貼り、ゴージャスな雰囲気を演出。見本帳を取り寄せ、原寸大でイメージと相違がないか確認し、パターンに配慮しながらうつくしく施工しています。同じクロスをユーティリティスペースのデスク前も貼り、イメージを統一しました。勉強机の前には、お子さまのテキスト類をしまう本棚を造作。ダークブラウンにしてクロスの雰囲気と合わせています。
玄関~収納~寝室のレイアウト
玄関の左側はユーティリティスペース~ウォークインクロゼット~寝室と続いており、クリーニング業者から届いた衣類をしまう・服を着て出かけるといった生活動線を短縮しています。お出かけの際のアウターや靴、生活家電などを一ヶ所にしまう収納、デスクでミシンやアイロン掛けができるミセスコーナーとして多目的に活躍しているそうです。