物件データ
都心の築33年のマンションを購入したNさん。クラフトのデザインリフォームにより、欧米の歴史ある高級ホテルのように気品ある住まいに仕上げました。これまでは玄関からリビングを通ってダイニング、そしてキッチンに続く動線のみでしたが、廊下を新設。玄関から直接キッチンへアクセスできるようにし、住まいの中を回遊できる動線としました。またNさんは長く海外で暮らした経験があることから、随所に飾り壁などのモールディングや輸入クロスなどを採用。家全体をエレガントでクラシカル、かつモダンな空間となりました。リビングはシックにまとめる一方、お子さまと過ごすダイニングは明るくカジュアルな雰囲気に。お子さまと賑やかに過ごす時はダイニングで、ご夫婦で静かに過ごす時はリビングでと、シーンに応じて使い分けることができます。
子供部屋、書斎、収納
必要なスペースを新設
全体の形はくさび形という特殊な形状。Nさんは子ども部屋や収納の増設、キッチンの移動や洗面室とトイレの分離など、具体的なご希望をお持ちでした。しかし、構造上動かすことのできない躯体壁や梁の位置、直床、ダクトルートの問題から、大幅な間取り変更は難しい状態でした。そこで既存の構造を活かしつつ、レイアウトを工夫することに。まずは使用予定のないサウナをなくし、ゲストルームと合わせ2人のお子さまための2部屋を確保。キッチン裏には玄関から廊下を通って直接アクセスできるパントリー、寝室には奥さまメインのWICと、ご主人さまの書斎を設置。またダイニングの一角にはスタディコーナーと本棚を設け、ここで勉強をするお子さまを見守ることができるようにしました。邸内の各所には框ドアやモールディングを使用し、クラシカルでモダンな雰囲気に。さらに、シックな色合いのアクセントクロスや特殊塗装によって重厚感もプラス。ご愛用の輸入家具がよく似合う上品な空間です。
シックな大人のくつろぎ
大人がくつろげるスペースとして、シックな雰囲気にまとめたリビング。TVボード側の壁にはアクセントウォールに煉瓦を採用。白いペンキをラフに塗り、煉瓦の煤けた色を見せています。あえて経年を感じさせる壁は、リビングに高級感と落ち着く雰囲気をもたらす効果が。またFさんのご希望により天井にはプロジェクターを、テレビの前にはスクリーンも導入。映画を観ながらゆったりと過ごすのに最適な空間となっています。
メタリックな特殊塗装の壁
床にはドイツ・VORWERKのカーペットを使用。世界の一流ホテルのスイートルームなどに採用されているだけでなく、健康に対する安全性も高く評価されている逸品です。部屋の傍らには、落ち着いた空間によくなじむ黒い本棚を造作。またリビングからのぞく廊下側の壁は、ブルーグレーのメタリックな特殊塗装を施しました。建築家照明を取り入れた天井や革張りのソファと相まって、高級ホテルのラウンジを思わせる空間となっています。
家族が集まる
明るいダイニング
落ち着いたインテリアでまとめたリビングに対し、家族やご友人が集まるダイニングは明るくカジュアルな雰囲気に。2面の窓からはたっぷりと自然光が届き、白い壁とキッチンが明るく映えて見えます。床はナラ材をヘリンボーン張りにし、照明はすっきりとしたダウンライトを採用。一角にはスタディコーナーや本棚を設け、2人のお子さまがいつも家族と過ごせる間取りに。家全体の中心にあり、リビングやバスルーム、寝室と、各スペースにアクセスしやすいレイアウトもポイントです。
ダイニングを見渡す
オープンキッチン
キッチンは移動し、アイランド型の洗い場を設けてダイニング全体を見渡せるように。オープンキッチンの奥には収納力の高いパントリーを設置しました。玄関からパントリーを通りキッチンにつながる動線により、奥さまの家事効率もアップ。配管を通すためにキッチンを床を一段上げる必要がありましたが、玄関からの高さを揃えてストレスなく移動できるようにしました。また、冷蔵庫はLIEBHERR、コンロはGAGGENAU、食洗機はMieleと、ドイツ製の一流キッチン設備で統一しています。
ホテルライクな洗面室
洗面室にあったトイレを移動し、広々としたスペースに。朝の混雑を解消するため、2ボウルの洗面カウンターを設けました。下部はあえてオープンにし、対面に大きな壁面収納を設置。タオルや衣類などはそちらにまとめて収納できます。浴槽に設けたブローバスのブロワポンプもここに収め、すっきりとしたイメージに。また床と壁には、奥さまがセレクトした大理石調のグレーのタイルを使用し、さらにこだわりの蛇口やタオル掛けも設置。浴室につながるドアと壁はガラスとし、ホテルのような開放感を演出しています。
寝室にご夫婦それぞれのスペースを
ベッドヘッドの壁には奥さまがセレクトした輸入クロスを使用。深い眠りを誘うような落ち着いた空間となっています。また寝室の2か所に、ご夫婦それぞれの専用スペースを設置。奥さまのスペースは洋服や小物をたっぷり収納できるWIC。お持ちのアンティーク調ミラーをここに置き、ゆっくりとコーディネートできます。一方ご主人さまのスペースは、造り付けのカウンターを設けた書斎に。どちらの空間もクロゼットでゆるやかに間仕切り、両サイドからアクセスできる動線としました。
リビングの向こうに
コージーコーナー
デザイナーが現地調査をした際、リビングから見えるダイニングの一角がアイポイントとなると確信し、Fさまにご提案。ここにカウンターを設置し、ブルーの落ち着いた輸入クロスを貼りました。FRITZ HANSENのエッグチェアや、Serge Mouilleのフロアライトなど、名作家具でラグジュアリーなスペースに。読書をしたりダイニングの家族と会話をしたりと、さまざまな過ごし方ができるコージーコーナーです。
玄関からキッチンに直行
リフォーム前は玄関からリビングを通り、キッチンに回り込む動線のみでした。そこで新たに廊下を設け、玄関からこの廊下を通って直接キッチンにつながる動線を確保しました。パントリーを経由することもできます。奥さまは買ってきた食材をすぐに冷蔵庫にしまうことができ、お子さまは帰宅したらスタディコーナーのあるダイニングに直行。回遊できる動線が、暮らしやすさを大きく向上させました。また廊下は框扉やモールディングで上品に装飾し、クラシカルモダンな雰囲気に。
ダイニングから目が届く
スタディコーナー
ダイニングの一角には、2人のお子さまのためのスタディコーナーを設置。壁向きで集中できる環境を設けつつ、料理や家事を行う奥さまの目が届きやすいようレイアウトしています。上部には本棚を設け、デスクの正面はスチール焼き付け塗装。マグネットでプリントや連絡を貼ることができます。