物件データ
ご両親から賃貸マンションを譲り受けたIさん。築32年からくる老朽化や、防犯性の低さが気になっていたことから、クラフトで一棟まるごとデザインリフォームすることにしました。コンセプトは「明るくたのしく暮らせるマンション」です。まず、アプローチやエントランスを新たに設け、白いタイルイメージを一新。室内も白を基調に木のぬくもりを加え、誰もに好まれるナチュラルインテリアとしました。また2戸を1戸に間取り変更したことで、開放感のある1LDKに。寝室とひと続きとなったWICや、便利な室内洗濯干しなど、暮らしやすさにも配慮しました。外観はダークグレーで塗装し直してアクセントに白いタイルを貼り、モダンな外観に。リフォーム後は近隣の新築と同等の家賃に設定しましたが、ほどなく満室となったそうです。
BEFORE写真
外観から室内まで新築のように
もともとは11戸あった部屋数を6戸に減らし、1戸あたりの広さを約2倍に。単身者だけでなく夫婦やカップルも暮らせる1LDとしました。マンション入り口にはこれまでなかったポーチとエントランスを設け、オートロックで防犯性を大幅にアップ。宅配ボックスも導入するなど、働く世代に便利な最新の設備を導入しました。外観はグレーと白で塗装し直し、モダンな雰囲気に。室内は自然材の表情を活かしたナチュラル系でまとめつつ、アクセントカラーもとり入れて明るくたのしいイメージに。若い世代の好みに合うようクラフトのデザイナーとインテリアを検討しました。
コストバランスを図りつつ
外観と機能を一新
しっかりした造りで激しい劣化はなかったものの、外壁のタイルは全面打診調査を行い、不具合箇所を貼り替え。雨どいや手すりは既存を塗装して再利用し、出窓部分は白く塗装してアクセントにするなど、状態のよい部分を活用しています。一方で屋上のルーフドレインは交換し、ベランダには防水工事を施すなど、劣化した部分は修復を行い、コストバランスを図っています。
ゆったりしたアプローチを新設
これまで入居者は1階の店舗脇から出入りしていましたが、このスペースをとりこんで広々としたアプローチとエントランスを新設。アプローチの床は、白と黒のタイルで外観とテイストを統一。壁を挟んだ右側はテナントオフィスのアプローチとしました。入居者の入り口をはっきりと分けることで、出入りが重ならないように配慮。また、壁を撤去する際は、構造計算をした上で耐力性を確保しています。
ガラスブロックをアクセントに
エントランスの床にはタイルを市松模様に貼り、アプローチとは異なるリズミカルなイメージで仕上げました。一方、このマンションを建てたご両親の想いが詰まったガラスブロックはそのまま残し、エントランスのアクセントに。緑、黄、赤、青のガラスブロックは、このマンションのテーマカラーとなっています。また通りに面した正面には採光と見通しをアップするため、FIXガラスを入れました。明るいエントランスを通って、気持ちよく出入りできるデザインとしています。
フロアごとに色を変えて
モノトーンで統一した外観とは趣を変えて、玄関ポーチは明るくにぎやかな雰囲気に。既存の玄関ドアにはカラフルなシートを貼り、イメージを大きく一新。1Fは緑、2Fは黄、3Fは赤、4Fは青と、フロアごとに異なるテーマカラーを設定しました。壁にはモザイクタイルを使って部屋番号を表記し、空間のアクセントに。コストバランスを図りながら、入居者がたのしくなる工夫をあちこちに散りばめています。
3口コンロでファミリー対応
今回のリフォームでは、全戸バス・トイレが別になるようレイアウト。追い炊き機能のある浴槽や温水洗浄便座など、現代のニーズに合わせたさまざまな設備を導入しました。キッチンには3口タイプのガスコンロを設置。ファミリー層にも十分に対応しています。部屋のデザインは若い世代を意識して、明るいフローリングと白い壁のナチュラルテイストに。誰もが好感をもてるインテリアに仕上げました。
3面からの光が差し込むリビング
従来の2戸を1戸にまとめたことで、3面の窓から採光できるようになりました。自然光が白い壁や天井に拡散する、明るいリビングとなっています。出窓の天板には、フロアごとのテーマカラーと同じ色のモザイクタイルを貼りました。寝室も広くとり、ベッドを2台置けるスペースを確保。ひと続きとなったWICも設け、夫婦で使うのに十分な容量と布団収納棚も設けています。室内物干竿を2本設置するなど、暮らしやすさにも配慮しました。
築年数を全く感じさせない
街に溶け込むモダンな外観
マンションの外壁はもともと薄いグレーでしたが、通りに面したファサード以外の3面はダークグレーに塗装。正面は既存のタイルを補修し、コーナーは白いタイルに貼り替えました。出窓など、部分的に白を取り入れて、外壁にデザイン的なアクセントを加えたこともポイントです。昔ながらの商店街にさりげなく溶け込みつつ、築年数を感じさせないモダンな佇まいとなりました。
防犯性を高め、宅配ボックスも
かつてはマンション入り口にドアがなく、防犯性が高いとは言えない状態でした。そこで、新たに設けたエントランスドアにはオートロックを導入。共働き世帯が多い今どきのカップルや夫婦のライフスタイルに合わせ、宅配ボックスも設置しました。また、入口ドアとFIXガラスの間には、グリーンの細かなモザイクタイルを。さわやかな白を基調にまとめたエントランスホールに、アクセントを与えています。
ワンルームにも個室にも
引き戸を閉めても明るいLDK
寝室とLDKとの間には壁を設けず、ガラスの框戸による引き戸で間仕切りしました。普段はフルオープンにしてワンルームとして使い、就寝時など個室にしたいときはクローズにすることができます。扉にガラスを取り入れたことで、閉めた状態でもLDKに自然光が届く利点も。家族が別々に過ごしていても気配が伝わるメリットと、ガラス越しに視線が抜け開放感を感じられる間取りとしました。