物件データ
お住まいのメゾネットマンションをリフォームしたSさん。1階のリビング・ダイニングは「上質な大人の空間」をイメージし、床はヘリンボーン張り、壁は漆喰仕上げに。愛用の家具と調和し、クラシカルな雰囲気を醸し出します。ソファでくつろぎながらお気に入りの絵画やオブジェを眺めたり、バーカウンターでお酒をたしなんだり、ゆったりとした時間を大切にできるようにデザインしました。一方、地下の浴室には大きなバスタブを入れて、入浴を楽しめるように。また、広い居室は家族が集えるファミリースペースに充てました。デスクで勉強や仕事に打ち込んだり、洗濯物を取り込んでアイロンかけをしたりと多目的に活用できます。動線上には壁いっぱいの本棚を設け、家族と一緒に過ごす時間が自然と増える住まいに仕上げています。
BEFORE写真
構造上の制約を感じさせない、
広々とした空間に。断熱性もアップ
「浴室の狭さ気になっていた」というSさん。マンションですが、浴室が地下にあることから、在来工法によって大きなバスタブを設置することができました。「天井をできるだけ高くしたい」というご希望は、動かすことができない梁や配管、天井エアコンを入れるご要望により、叶えることが難しい状態でした。そこで一部を折り上げ天井にして間接照明を入れ、くつろいだ雰囲気を演出。また、外壁に面した壁には断熱ボードを貼り、断熱性能をアップ。使われていない設備配管は、可能な限り撤去しました。共用部のサッシは動かない場所が複数ありましたが、丸ごと交換することができないため、理事会の許可を得て鍵を交換。隙間風に悩まされていた玄関ドアは、隙間を埋める補修を行うなど、マンションの制約を守りながら住まいの性能を見直しました。
リビング・ダイニング
リビング・ダイニングの床には、木目がきれいなアカシアのフローリングをヘリンボーン張りに。長手方向に張ることで奥行きを感じさせ、華やかさを演出しています。窓際にはセントラルヒーティングが設置されていましたが、長年利用できない状態だったため、撤去して広々としたスペースを確保。設計段階から家具のレイアウトも想定することで、愛用の家具がなじむ美しい空間に仕上げています。
リビング
リビングは折り上げ天井に間接照明を入れ、やわらかな光に包まれたくつろぎの空間に。目につく場所には、Sさんがハワイで釣り上げたカジキマグロと同じサイズだという模型をディスプレイしました。椅子に座って過ごす時間が長いダイニングは、少し天井を下げて落ち着いた趣に。奥さまがセレクトしたバカラのシャンデリアと愛用のダイニングテーブルがマッチする空間です。
ホール~リビング
玄関ホールとリビングの間をFIXガラスとテンパードア(強化ガラスドア)で緩やかに仕切って開放感をプラス。見通しを高めることで、玄関ホールに飾った絵画をリビングからも楽しめます。ソファに座ったときにちょうど絵画が見える配置が、Sさんのお気に入りだそう。壁にはスイス漆喰を塗りました。自然素材のぬくもりやコテムラの味わいとともに、陰影がやわらかく光を拡散し、豊かな表情を楽しめます。
キッチン
冷蔵庫や洗濯機、長らく使われていなかったボイラー室があり、やや窮屈だったキッチン。冷蔵庫はキッチンの奥へ、洗濯機は地下のサニタリーに移動し、ボイラー室はオープンなパントリーに一新しました。手前にはフレキシブルに使える稼働棚を、奥には重い物を置きやすい固定棚を設置しています。広くなったキッチンの向かいにはカップボードを置いて、収納量も、作業性も高めています。
サニタリー
洗面室から浴室にかけての壁は、ベージュの大判タイル貼りに。バスタブの周囲に貼ったモザイクタイルや床のタイルもベージュで統一し、落ち着いた雰囲気に。閉塞感があったバスタブは、縦置きにして大きなサイズを入れることに成功。水漏れリスクが少ない地下という環境を活かし、在来工法でゆったりと入浴できる空間に仕上げました。
玄関
暗かった玄関ホールは、ガラス越しにリビングとのつながりをつくり、見通しを高めました。床はベージュのマットなタイル貼りに。落ち着いた雰囲気を演出することで、その先に広がるヘリンボーンの個性をより引き立てています。また、サイドには納戸がありましたが、以前から靴の収納として活用していたため、棚を設けて使いやすく。扉の位置を変えることで、空間を広く感じさせています。
バーカウンターで大人の時間を
お酒が好きなSさんのご要望で、ダイニングとキッチンの間にバーカウンターを設置。天板の縁はモールディングでクラシカルな雰囲気を演出しました。下部には愛用のワインセラーが入るように幅や奥行きを設定。上部には、お気に入りのお酒をしまう棚も設けました。格子をあしらったデザインは、行きつけのバーを再現したもの。毎日ご夫婦で、ここでお酒をたのしむことが日課になったそうです。
畳で寝転がれるキッズルーム
キッズルームは「布団を自分で敷く生活をさせたい」というSさんの要望により、畳の小上がりを設置。隣に勉強できるファミリースペースがあることから、最小限の広さを確保。畳の上では友だちと寝転がったり、腰掛けたり。小上がりの下部は引き出し収納となっており、おもちゃや学校道具をしまうなど、限られたスペースを有効に利用できます。
廊下はライブラリースペース
廊下の壁面に天井までの書棚を造作。正面の壁も同様にし、家族全員の蔵書を収納できるようにしました。反対側の壁にはピクチャーレールを取り付け、お気に入りの絵画も飾れるように。生活動線に過ぎなかった廊下を、歩くだけで楽しいライブラリースペースに一新。書棚の先には、家族そろって勉強や読書に打ち込めるファミリースペースも設けています。