物件データ
マンションのオーナー住戸部分をリフォームしたKさん。快適に過ごせるように、廊下の一部を取り込みゆとりある広さのLDKを設けました。キッチンはL字型の壁付きキッチンからフルフラットのアイランドキッチンに変更。玄関ホールからLDK～SIC（シューズインクローゼット）と回遊性が高い間取りを計画したこともポイントです。デザインはシックな色でまとめました。オークの突き板で製作したTVボードや石壁、キッチンやトイレに貼ったガラスモザイクなど、さまざまな素材を調和させながら空間を構成。落ち着いた空間を演出しています。
BEFORE写真
おおまかなレイアウトはそのままに、
住み心地を高める工夫を
3LDKの間取りやレイアウトはそのままに、住み心地を高めました。例えば、広いスペースを割いていた廊下を有効に活用するため、一部をLDKに取り込んで広い居住スペースを確保。玄関の奥には贅沢な広さのSICを設けました。SICはキッチンとつながる裏動線として、家事効率を高めてくれます。また、このSICの他にも2ヶ所のWICなど使う場所ごとに収納スペースを設け、すっきりと暮らせるように配慮しました。室内には木や石、ガラスなどさまざまな素材を使用し、落ち着いた色合いや質感でまとめています。
LDK
リビングとダイニング・キッチンが独立していた空間を、一体のLDKに。廊下の一部を取り込み、ゆったりとした広さを確保しました。リビングは折り上げ天井とし、間接照明を入れ、空間をゆるやかにエリア分けしています。ダイニングには、以前から愛用しているダイニングテーブルを配置。週末はお母さまとともに食事をたのしむこともあるそうです。
リビング
TVボードは、オークの突き板で製作したオリジナル。下部に間接照明を入れて浮いているような印象に仕上げています。隣には暖炉を兼ねた本棚を設けました。TVボードの木と背面の石壁、ツヤを抑えたメタリックな塗装で仕上げた本棚といった異なる質感が調和し、リビングのデザイン性を高めています。
キッチン
フルフラットで見通しのよいアイランドキッチンを採用。背面の壁にはカウンター収納を設け、電子レンジや炊飯器といったキッチン家電を置けるように。下部はごみ箱などを隠してしまえる収納スペースとしました。背面の壁にはブラウン系のガラスモザイクを貼り、アイポイントとしています。また、冷蔵庫の奥はSICというレイアウトのため、買い物した食材などを玄関から最短の動線でキッチンに運べます。
寝室
寝室のかたわらは、Kさんの書斎コーナーとなっています。就寝前に読書をたのしめるように、窓際には本などの収納を兼ねたカウンターとデスクを、柱型により生じた奥まったスペースにも棚を設けてデッドスペースを活用しています。単板ガラスの窓にインナーサッシを取り付け、断熱性能をアップしたこともポイントです。
トイレ
トイレは面積を広げ、ゆとりあるサイズの手洗いカウンターを設置。壁一面に黒のガラスモザイクを貼り、埋め込むようにミラーを配置し、スタイリッシュに仕上げました。背面には飾り棚を設けて見せる空間としつつ、片側の壁に将来手すりを設置できるよう下地を入れて補強するなど、先々の住み心地にも配慮しています。
階段
湿気がこもりやすい北側の玄関ホールは、階段横の壁一面に調湿作用があるタイルを貼りました。空間のアクセントにするとともに、湿気が気にならないように配慮しています。広さを活かしきれていなかった階段ホールは引き戸で仕切り、大きなSICを設置しました。内部にはコート掛けや、ゴルフバッグを収納するスペースも設けています。
画材の収納を
備えたアトリエ
奥さまが絵を描くためのアトリエは元々カーペットでしたが、絵の具汚れなどが落としやすいようフロアタイルを貼りました。扉は壁と同じ色で塗装し、作品が引き立つシンプルな空間に。飾り棚を兼ねた収納として設置したオープン棚は、上部に画集やパレット、水入れなどを収め、下部は60～70cm近いキャンバスを入れる想定で製作しています。
開放感を演出する鉄骨階段
吹き抜けに面した鉄骨階段は既存を活かし、手すりや階段の裏側を黒で塗装しました。踏み板と蹴込み板にはダークブラウンのシートを貼り、シックなイメージに。できる限り軽やかに仕上げることで、吹き抜けの開放感を引き立てています。
玄関ホールからLDKのつながり
玄関ホール〜LDKの床にはベージュの大判タイルを貼り、落ち着いた空間を演出。建具のサイドにFIXガラスを入れることで、空間を視覚的につなげました。リビングの壁には天然石を貼り、凹凸の陰影や石の質感を空間のアクセントに。2面に貼ることで重厚感を強調しています。