物件データ
現在はマンションにお住まいのHさん。空き家となっている市内のご実家をセカンドハウスとして活用しようと、クラフトにデザインリフォームを依頼しました。大手ハウスメーカーによるオリジナルの軽量鉄骨造のため、間取りは既存の壁の位置を活かしながらプランニング。1階にはLDKと3つの和室がありましたが、LDKと北側の和室があった部分をリビングに、中央の和室部分をダイニングに、南側の和室部分をキッチンとし、大空間のLDKを計画しました。キッチンはテラス側の大きな窓に面したL字型とすることで、料理をしながら眺望を満喫できるように。フロア全体を回遊できる間取りはそのままに、玄関ホールから洗面室、コートやジャケットの収納スペースに続く帰宅時に便利な動線を設けるなど、住み心地も高めています。
BEFORE写真
家具やグリーンが映える家に
コロナ禍だったこともあり、打ち合わせはオンラインが中心でしたが、デザインの好みや、設置を予定している家具やグリーンのイメージをじっくりとヒアリング。広いスペースをゆるやかにエリア分けしながら、空間構成やデザインを計画しました。入居後は家具のレイアウトなどを楽しみながら暮らせるよう、グレイッシュな大判タイルや挽板フローリングなどを取り入れ、シンプルななかに素材感のある心地よい空間を作り上げています。
見せる柱と見せない柱
LDKと和室だったスペースをすべてリビングにすることで、圧倒的な広さと開放感のある空間に。軽量鉄骨造のためになくすことができない柱は、壁側の2本を黒で塗装して空間のアクセントに。一方ダイニング側の柱と耐力壁は白で塗装して空間に溶け込ませ、存在感を軽減しています。
薪ストーブのあるリビング
リビングの床と壁一面に天然石を思わせる大判タイルを貼り、グレイッシュな空間に。薪ストーブ下部の床は、地震の際などに滑らないよう、同じタイルの滑りにくいタイプを敷きました。既存の薪ストーブをいったん外して実測し、センターを合わせてからタイルを貼り始めることで、薪ストーブがタイルの中心に配置できるようにデザインしています。
庭の景色と圧倒的な開放感
テラスのある窓側には3つの和室がありましたが、すべてなくして一体のLDKに。和室とLDKの間に生じていた段差も解消しました。和室ごとに分断されていたテラスの眺望がLDKのどこにいても視界に入るようにしたことで、景色の美しさや圧倒的な開放的がいつでも味わえます。
テラスに面したダイニング
ダイニングの前にタイルデッキを敷き、ダイニングとデッキテラスがひと続きのような伸びやかで開放感がある空間に。ダイニングとキッチンの間には壁を立ち上げることで、キッチンのバックカウンターがダイニングから見えないように配慮しつつ、ゆるやかに間仕切りしています。
キッチンとダイニングのつながり
北側にあったキッチンは、南側の角へ。元々は和室で水回りはありませんでしたが、2階の真上に洗面台があったことから排水経路を確保し、大胆な移動を実現しました。構造上なくすことができない鉄骨の柱は露出させ、壁は撤去。キッチンとダイニングを連続性のある空間としています。
キッチンは眺望を楽しめる特等席に
キッチンはGRAFTEKTにオーダー。ダークカラーのシックなデザインに加え、床からの高さはやや高めの90cmとしてBOSCHの食洗機を入れるなど、美しさと使い勝手を両立しました。L字型とすることで、料理をしながら2方向に開けた眺望を楽しめます。
スタイリッシュで機能的に
人工大理石の洗面カウンターは30cmの厚みを持たせ、石の塊が浮いているようなデザインに。窓際にはガラスのペンダントライトを設置し、グレイッシュトーンで統一した空間のアクセントとしました。洗面台の向かいには洗濯機と上部にガス乾燥機を設置。室内物干しも設け、洗濯を室内で完結するための設備をすっきりと収めています。
木のおだやかな表情がアクセント
トイレは床・壁・天井ともにグレイッシュトーンで統一。DOMUSの木製のブラケットライトLOOPを設置し、かたわらにはタモ集成材の天板で製作した手洗いカウンターを設けました。シックな空間のなかで、木のぬくもりを感じさせています。
ダイニングとつながるテラス
広大なデッキテラスを最大限に活かせるように、室内のプランを検討しました。リビングに面した引き違い窓は開口を広げて掃き出し窓とし、ダイニング横の窓と同じ大きなサイズに。シャッターは電動式にして、いつでも気軽に緑豊かなテラスの眺めを楽しめるように計画しています。