目次
耐久性が高く、「メンテナンスすれば100年住み続けられる」とも言われている鉄筋コンクリート住宅。
鉄筋コンクリート住宅のリフォームや建て替えを検討している方向けに、鉄筋コンクリート住宅の特徴やリフォームにかかる費用、注意点などについて紹介していきます。
鉄筋コンクリート造は「ラーメン構造」と「壁式構造」の2種類!
鉄筋コンクリート住宅の構造は、「ラーメン構造」と「壁式構造」の2種類に分けられます。まずはこれらの構造を正しく把握しておきましょう。
ラーメン構造
ラーメン構造は、梁と柱で建物を支えるタイプの構造です。ドイツ語で「枠」を表す「rahmen」が語源となっており、間取りを大きく変更するなどの大規模なリフォームに向いています。
壁式構造
壁式構造は、梁や柱で支えるラーメン構造とは異なり、壁で建物を支えるタイプの構造です。建物を壁で支えているため梁や柱による凹凸が少なく、部屋の中がスッキリ感じられるという特徴を持っています。
ただ、支えになっているという特性上、壁を自由に移動したり撤去したりできないことが多く、リフォームの際は間取りが制限されてしまいます。
ラーメン構造と壁式構造、どちらがリフォームしやすい?
「リフォームの自由度」という点においてはラーメン構造に軍配が上がります。
壁式構造は壁で建物を支えているため、気軽に壁の位置を変更したり撤去したりできません。それに対してラーメン構造の建物は、部屋を一つ取り払って大きなLDKにしたり壁や窓の位置を自分好みに変更するなど、比較的自由に部屋を作り変えることができます。
壁式構造の建物でも構造壁以外の壁であれば、移動したり撤去したりできますが、構造壁は移動も撤去もできないので、間取り変更に制限がかかりやすくなっています。
移動できない構造壁をパーテーションとして活用するなど工夫次第で実現できることは増えますが、リフォームの自由度で選ぶなら断然「ラーメン構造」の住宅がおすすめだと言えるでしょう。逆に、リフォームの自由度よりも梁や柱の少ないスッキリした部屋の方に魅力を感じる方には、壁式構造の住宅がおすすめだと言えます。
鉄筋コンクリート住宅の「建て替え」は、かなり高額に!
鉄筋コンクリート造の住宅を建て替える場合、まずは既存の建物を解体しなくてはいけません。鉄筋コンクリート造の住宅を建て替える上でネックになるのが、この解体作業にかかる費用で、木造住宅の1.5倍〜2倍の費用が発生します。地盤がゆるく杭が刺さっていたりすると、解体費用だけで1,000万円以上かかってしまうことも…。
鉄筋コンクリート住宅は建物を新築する際にも木造住宅の1.5〜2倍の費用がかかるため、木造住宅と同じ感覚で建て替えを進めてしまうと、びっくりするような金額になってしまいかねません。
鉄筋コンクリート住宅の「リフォーム」費用は、建て替えの約1/2
先述したように、鉄筋コンクリート住宅は正しくメンテナンスすれば100年以上持つと言われているくらい頑丈です。建て替えの際の費用が高額になってしまう点を考慮し、「建て替え」ではなく「リフォーム」を選ぶ方も少なくないようです。とくに築年数が古い住宅に特におすすめなのが「スケルトンリフォーム」です。
スケルトンリフォームとは、既存の床や壁、天井をすべて取り払い、構造のみの状態にして進めるリフォーム方法です。
・構造部分のクラック(ヒビ割れ)
・鉄筋のサビ
・雨漏り
・結露
・断熱材の有無
など、建物の状態を細かくチェックしつつ、配管も新しいものに入れ替えながらリフォームしていきます。構造躯体自体は既存のものを活かすため、建て替えの1/2程度の費用でリフォームできるというメリットがあります。
リフォーム会社選びのポイント
鉄筋コンクリート住宅をリフォームする上で重要になるのが、リフォーム会社選びです。
リフォーム会社を選ぶ上で押さえておきたいポイントとしては、
・鉄筋コンクリート住宅のリフォームを得意としている
・リフォームの施工事例が豊富
・デザイン性に惹かれる
・保証やアフターサービスが充実している
などがあげられます。
鉄筋コンクリート住宅のリフォームを得意としている会社は経験やノウハウも豊富です。現地調査ではしっかりと劣化箇所やリフォームでできることを教えてくれますし、提案力も高いので、よりイメージに近い住宅を実現してくれます。
イメージ通りの住宅にリフォームするには、そのイメージに近い施工事例があるかどうかも重要。、ホームページに掲載されているデザイン事例もチェックしておきましょう。(CRAFTのRC造リフォームデザイン事例もご覧いただけます)
また、保証やアフターサービスの有無も忘れずに確認しておかなくてはいけません。内容についてはもちろん、保証期間や保証が適用される範囲についてもしっかり確認し、より魅力的な会社を選ぶようにしましょう。
鉄筋コンクリート造住宅をリフォームするときの注意点
鉄筋コンクリート住宅をリフォームする際は、以下の3点に注意が必要です。
・築年数の古い住宅は耐震性をチェック
・リフォームに適さない物件もある
・配線や配管の交換が必要になるケースもある
鉄筋コンクリート住宅の中には旧耐震基準で建てられたものもあります。築年数の古い住宅はリフォーム前に耐震性をチェックし、補強工事が必要になるかどうかを確認しておきましょう。
また、築50年以上経過しているような古い住宅の中には、リフォームに向いていない住宅もあるので注意しなくてはいけません。メンテナンスが不十分で鉄筋のサビが侵攻しすぎていたり、断熱性や気密性に問題が生じていたりする住宅は、劣化部分の補修で費用が膨らんでしまう可能性があるため、リフォームよりも建て替えが適していると言えます。
築年数の古い鉄筋コンクリート住宅は、配線や配管の劣化が進んでいる可能性も高く、住宅のリフォームと一緒に配線や配管の交換も行っておいた方がいいケースが多々あります。リフォーム後に改めて配線や配管を交換するとなると、費用がかさみますし、何より効率的ではないので、配線や配管の交換も並行すべきかどうかを検討しましょう。
〈まとめ〉鉄筋コンクリート住宅のリフォームは、建て替えの1/2のコスト
鉄筋コンクリート住宅は木造住宅にくらべて構造がしっかりしている分、「建て替え」は高額になりがちです。一方、リフォームであれば建て替えの1/2〜1/3の費用で行えるので、建て替えよりもリフォーム向きの住宅だと言えます。ただし壁式構造の場合は間取り変更が制限されてしまうことは知っておきましょう。
鉄筋コンクリート住宅は耐震性や耐久性が高いので、スケルトンリフォームで躯体の状態を確認しながらリフォームすれば長期間住むことも可能です。鉄筋コンクリート造住宅のリフォーム・リノベーションは、ぜひ実績豊富な〈CRAFT〉にお任せください。
<著者>上原 宏介
住宅関連のコンテンツ作成を得意とするライター。専門的な言葉や用語が多くわかりづらくなってしまいがちな建築・リフォーム関連の情報をわかりやすくお伝えしています。さまざまな媒体で建築・リフォーム・不動産関連のコラムを多数執筆中。