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「4人暮らしにちょうどいいのは、結局、どういう間取りなの?」そんなふうに悩んでいませんか?お子さまの成長とともに、使いやすい間取りは変化します。でも、先を見越して間取りを考えるのは、難しいものですよね。今回は〈CRAFT〉が手がけたリノベーション実例をもとに、間取りの考え方や工夫をお伝えします。
4人暮らしは3LDK~4LDKの間取りが多い
4人暮らしのご家族からよくお伺いするのは「2人の子どもが大きくなった時に、それぞれに個室を用意したい」というご希望です。そのため、4人暮らしの住まいでは、3LDK〜4LDKの間取りがもっとも多くなっています。
3LDKに4人で暮らしたら?
3LDKの間取りなら、夫婦の寝室と2人のお子さまの子ども部屋を用意できます。3部屋あれば、ライフスタイルの変化に合わせて部屋の使い方を変えることも可能。お子さまが小さいうちは、家族の寝室と収納、プレイスペースなどに使い、独立後は、ご夫婦それぞれの個室や来客用の部屋として活用できます。
4LDKに4人で暮らしたら?
4LDKの間取りなら、家族全員の個室を確保できます。集中して勉強や仕事をしたり、趣味を楽しんだりできるのは、3LDKにはない魅力です。部屋が分かれていれば、起きる時間や寝る時間が違ってもそれほど気を遣わなくてすみます。もちろん、お子さまの成長に合わせ、フレキシブルに部屋の使い方を変えることも可能です。
4人暮らしの間取りを決める、5つのチェックポイント
実際に間取りを考える際には、個室の数に加えて、部屋の広さや他に必要なスペースなどを総合的に検討して決めていきます。間取りを考えるポイントを、5つピックアップしてご紹介します。
〈4人暮らしの間取りのポイント1〉夫婦の寝室はどのようにする?
夫婦の寝室は、同室か別室か、どのくらいの広さにするか考えましょう。同じ部屋にするなら、8畳程度が一般的。広さに余裕があると、ベッド以外の家具も置きやすくなります。生活時間が違う方は、別室もおすすめです。気を遣わず、ゆっくり就寝できます。
〈4人暮らしの間取りのポイント2〉子ども部屋はどうする?
子ども部屋は、お子さまの性別と年齢差がポイント。同性で年が近いと生活パターンが似てくるので、同室でも十分かもしれません。一方、異性で年が離れていると、受験期や思春期に個室を欲しがることも。いずれ部屋を分ける、狭くても2部屋作るなどの対応を考えましょう。
〈4人暮らしの間取りのポイント3〉書斎やワークスペースは必要?
書斎やワークスペースは、ワークスタイルに合わせて検討しましょう。家族に気を遣わず集中しやすいのは、個室タイプや一部を壁で仕切るセミクローズドタイプ。お子さまを見守りながら作業したいなら、リビングなどの一角を使うオープンタイプがいいでしょう。
〈4人暮らしの間取りのポイント4〉収納はどれくらいの広さにする?
収納スペースの目安は、マンションなら床面積の8~10%、戸建てなら12~13%と言われます。持ち物や趣味に必要な収納量を見極め、適切な広さで確保しましょう。可能なら、ロフトや床下などのデッドスペースも活用すると、コンパクトに収まります。
〈4人暮らしの間取りのポイント5〉リビングと個室どちらが優先?
リビングと個室は、どちらで過ごす時間を優先したいですか? 家族とのコミュニケーションを優先してリビングを広くする、プライベートな時間も尊重して個室を広く取るなど、さまざまなパターンがあります。暮らし方に合う面積配分を選びましょう。
4人暮らしの間取りの工夫をご紹介
限られたスペースでも家族4人がゆったりと暮らすなら、間取りの工夫が必要です。お子様の成長に合わせてレイアウトを変えられるようにしたり、リビングを広げた分個室をコンパクトにしたりするなど、暮らし方にフィットする工夫を知っておきたいですね。そこで、〈CRAFT〉の事例から、家族4人で伸びやかに過ごせる住まいにリノベーションするコツをご紹介します。
家族が集まるゆとりのリビング
間取り:3LDK
リフォーム面積:211㎡
家族構成:夫婦+子ども2人
家族で過ごす時間が多いこちらのご一家は、ゆったりした広さのリビングを確保しました。2面ある窓から四季折々の景色が楽しめる、居心地のいい空間です。リビングの柱の向こうには、ご主人のワークスペースとお子さまのピアノスペースに。家族の気配を感じるセミクローズドな空間を設けたことで、過ごし方のバリエーションも増えました。
また、家族それぞれの個室は、玄関からリビングを経由してアクセスする動線に。あえてリビングを通る動線は、お子さまが成長してもコミュニケーションの取りやすい間取りです。
オープンキッチンで開放感を
間取り:2LDK+スタディルーム
リフォーム面積:121㎡
家族構成:夫婦+子ども2人
こちらの住まいでは、キッチンとダイニングを横並びにレイアウトしたオープンキッチンを採用。視線をさえぎらないフルフラットのアイランド型キッチンは、空間をのびやかに演出します。また、調理家電は壁面収納にビルトインして、生活感を見せないよう工夫しています。
リビングと連続するオープンキッチンのおかげで、30畳という広さ以上に開放感のあるLDKが実現しました。
家族みんなのファミリークローク
間取り:3LDK+S
リフォーム面積:150㎡
家族構成:夫婦+子ども
限られた床面積をできるだけ効率よく使うには、収納もポイントです。こちらのリノベーション事例では、個室にはあえて収納を設けず、大きなファミリークローゼットを新設しました。そのため、住まい全体の収納スペースがコンパクトになり、リビングや個室を広く使うことができます。家族の衣類を1ヶ所でまとめて管理できるので、洗濯物の片付けや衣替えの負担も軽減されました。
また、ウォークスルー型クローゼットの出入り口は、日常的な使いやすさを優先し、意図的にドアなしにしています。
リビングに家族みんなで使えるワークスペース
間取り:3LDK
リフォーム面積:107㎡
家族構成:夫婦+子ども1人
リビングにワークスペースとして使えるデスクを設けると、さまざまなシーンで活躍します。例えばちょっとした書き物やパソコン作業、お子さまの学習など、デスクを使いたい時は意外と多いもの。こちらのリノベーション事例では、カウンターデスクを造作し、家族みんなで使うワークスペースとしました。パソコンやスマホを充電するコンセント、書類の収納棚を設けるなど、機能性にも配慮しています。
共有のワークスペースのおかげで、個室にこもりきりにならないメリットも生まれ、家族のコミュニケーションも深まります。
多様な過ごし方ができるフリースペース
間取り:3LDK+S
リフォーム面積:150㎡
家族構成:夫婦+子ども
こちらの事例では、広々としたリビングの一角に、お子さまが学習したり、ご主人さまが横になってくつろいだりできる小上がりのフリースペースを設けました。キッチン側からも使えるデスクカウンターでは、奥さまがアイロンなどの家事をすることも。デスクや本棚でゾーニングし、こもれる空間としたことで落ち着きが生まれています。
LDKに多様な過ごし方ができる小さな場所を設けることで、ワンランク上の心地よさが生まれました。
子供部屋はコンパクトに
間取り:3LDK
リフォーム面積:97㎡
家族構成:夫婦+子ども2人
リビングの広さを優先するなら、いずれ独立するお子さまの個室はコンパクトに設計するのもおすすめです。こちらのご家族は、2人のお子さまがリビングで過ごすことも多いことから、子ども部屋はそれぞれ4畳ほどの広さで計画。コンパクトな部屋は、成長してもお子さまが自室にこもりすぎないメリットも期待できます。
また2つの部屋は、壁ではなくデスクと収納を組み合わせた造作家具で区切っています。間仕切りが簡単に撤去できるため、将来は1つの部屋にしてご夫婦で使うなど、フレキシブルに対応できます。
ロフトベッドでプライバシーを確保
間取り:3LDK
リフォーム面積:95㎡
家族構成:夫婦+子ども2人
こちらのリノベーション事例では、出入り口のドアや照明を2つ設置して、2人姉妹の子ども部屋を将来は2つに分けられるよう計画しました。天井を取り払い、ロフトスペースを設けています。収納力や開放感が得られるだけでなく、子どもたちの格好の遊び場ともなっています。さらに、適度なこもり感のある空間は、ベッドスペースとしてもおすすめ。姉妹で共有する子ども部屋の中にも、プライバシーを保てる空間を確保しました。
4人暮らしは何平米必要?
4人暮らしに必要な面積を知っておくと、物件探しやリフォームの検討がしやすくなります。目安となるのは、国土交通省の「住生活基本計画」で示されている、「世帯人数別の居住面積水準」です。
〈4人世帯の居住面積水準〉
・最低居住面積水準:50平米(約15坪)
・誘導居住面積水準(マンション):95平米(約28坪)
・誘導居住面積水準(一戸建て):125平米(約37坪)
出典:国土交通省 住生活基本計画
最低居住面積水準とは、世帯人数に応じた「健康で文化的な住生活を過ごす上で必要不可欠な住宅の面積」のこと。そして、誘導居住面積水準とは、多様なライフスタイルに合わせ豊かな生活を過ごすことのできる住宅面積のことで、マンションと戸建てそれぞれの面積が示されています。
マンションの誘導居住面積水準の95平米というと、3LDK〜4LDKの間取りが一般的です。4人暮らしでゆったり生活するには、「誘導居住面積水準」を目安にするとよさそうです。
ただし、リノベーションでは広さを変えることができません。もし今住んでいる住まいの狭さが気になるようなら、住み替えも検討しましょう。〈CRAFT ONE〉では物件探しからのリノベーションもサポートしています。
〈まとめ〉間取りの工夫で、伸びやかな4人暮らしを実現しよう
4人家族で伸びやかに暮らせる間取りを実現するには、家族の変化に対応できるフレキシブルなレイアウトや、広いリビングにもパーソナルなスペースを作るなど、さまざまな間取りの工夫が役立ちます。
〈CRAFT〉では、4人暮らしの住まいのリノベーションを数多く手がけています。間取りが気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。
<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。