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「マンション vs 戸建て」は、家を購入するときの永遠のテーマ。たとえ家族であっても、意見が分かれたりするものです。この永遠のテーマに終止符を打つべく「最初に比較すべき項目」の5つをおさえておきましょう。
〈マンションか戸建てか〉最初に比較すべき5つの項目
家族みんなの意見を聞いて「住まいの方向性」を決めていきましょう。次の5つを比較する過程に、方向性を決めるヒントが隠されています。
〈1〉暮らしやすさ
「暮らしやすい」と感じるポイントは、人それぞれちがいます。住まいの方向性を決めるのに、絶対におさえておきたいのがこの4つです。
・
家の広さ
・防音性
・設備の充実
・セキュリティ
やはり「家の広さ」や「防音性」は、戸建てが優勢。狭小住宅でさえなければ、開放的で広々としたリビングダイニングや、ご主人が読書にふけるための書斎など、希望に合った自由な間取りを実現できます。休みの日に広い庭で家庭菜園ができるのも、戸建てならでは。マンションに比べて、お隣からも離れているのでペットの鳴き声なども安心です。
一方、マンションは「設備の充実」と「セキュリティ」に絶対の自信アリ。たとえば、24時間いつでもゴミ出しができたり、キッチンディスポーザーのおかげで三角コーナーがいらなかったりと、ワンランク上の快適な生活ができます。
また、大規模マンションなら管理人常駐でセキュリティも万全。さらにはキッズルームもあって、子育て世代の夫婦も安心ですね。
〈2〉災害リスク
災害リスクと聞いて、第一に心配なのが「耐震性」です。
しかし実は、1981年6月1日以降に建築確認をした「新耐震基準」の建物なら、マンション・戸建に関わらず耐震性に差はほとんどありません。
戸建ての場合、災害時には「周囲の建物からの被害」に注意が必要。たとえば、新耐震基準の家でも隣の家が倒壊すれば、自分の家も被害にあわないとは言い切れません。
なお「新耐震基準」とは、震度6、7程度の地震でも倒壊しない水準のこと。新耐震基準以前は「旧耐震基準」とよばれ、震度5強程度の地震でも倒壊せず、地震の破損箇所を補修することで生活可能な構造基準のことをいいます。
〈3〉耐用年数・メンテナンス
耐用年数については、マンションの圧勝です。国土交通省の資料によると、マンションの耐用年数は120〜150年。これから来る「人生100年時代」にも、万全の体制です。これに対して同資料では、戸建の耐用年数は、鉄筋コンクリート構造で40〜90年となっています。
また、耐用年数と一緒に考えなければいけないのが、住まいのメンテナンスについて。
マンションの場合は、新築時にその後のメンテナンス時期や費用などを「長期修繕計画書」にまとめています。毎月、修繕積立金の支払いはあるものの、メンテナンスを管理会社におまかせできるのは魅力ですよね。
一方、戸建の場合、建物の管理はすべて自分次第。メンテナンスの時期や方法、さらには予算まで自分で判断・実行することになります。木造やRC造など、建物の構造別にメンテナンスの目安はあるものの、最適なメンテナンス方法や時期はバラバラ。メンテナンスを先延ばしにすれば、その分あとで割高になったり、雨漏れなどの急な被害にあったりして、まとまった出費につながります。
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〈4〉リノベーション
「マンションか戸建てか」を選ぶ上で重視したいのが「リノベーションのしやすさ」です。
戸建の場合は、建築基準法など大きな意味での制約はあるものの、リノベーションはしやすいのが一般的。RC造・S造なら間取り変更の自由度も高く、ライフスタイルに合ったリノベーションが可能です。
マンションのように内装だけではなく、外観やポーチなどもリノベーションできるのは戸建てのメリットです。外側から内側まで、新築のように美しく変わります。
一方、マンションをリノベーションするには、まずはマンションの「管理規約」とにらめっこが必要になります。マンションはあくまで「集合住宅」なので、マンション全体の強度などに影響を与えるリノベーションはNGとされ、その内容をまとめたのが「管理規約」というわけです。
ただし「壁式構造」でなければ、マンションは戸建てと変わらないくらいリノベーションがしやすいと言えます。マンションは「管理規約」や他にも「共用部の制限」などがありますが、フルリノベーションなら新築以上の満足を得られるはずです。
つまり、リノベーションの内容や工事範囲によって、マンションと戸建ては一長一短といえます。
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〈5〉資産性
家を購入するときに建物の資産性を考えるときに気になるのが「20年経った戸建ての建物価値はゼロ」という言葉。あなたも耳にしたことがありませんか?
言葉の通り、戸建ては20〜25年で建物価値がゼロになります。しかし、ここで覚えておいてほしいのが「土地は減価しない」ということ。数学のグラフをイメージしてください。右肩下がりの直線が、20〜25年あたりから一定の高さになるイメージです。
一方マンションの資産価値は、年数の経過に比例して年々右肩下がりになっていきます。「修繕計画書」に沿って適切に管理されていれば、急激に資産価値が下がることはありません。
築20〜25年以降、一定の高さを保つ戸建てと、年々右肩下がりになるマンションの資産価値は、いずれどこかで交わるときがきます。それ以降は、戸建てが右肩下がりのマンションを逆転していきます。
建物の資産価値は、住む年数によってその優位性が異なるため、築20年前後の戸建てを中古購入してフルリノベーションするのも一つの選択肢です。
〈まとめ〉マンションも戸建ても「中古物件購入×フルリノベーション」がおすすめ
「マンションか戸建てか」この永遠のテーマに終止符を打つための「最初に比較すべき5つの項目」をご紹介しました。
多くの人が「家」を買うことはつまり「夢」を買うこと。まずはその高ぶる気持ちを懸命に抑えて、家族みんなが後悔のない「価値のある未来」を考えてみましょう。
「価値のある未来」を考えたとき、「マンションか戸建てか」における第三の選択肢として「中古物件購入×フルリノベーション」はおすすめです。フルリノベーションなら、耐用年数の長いRC造のマンションや戸建を選ぶとよいでしょう。
「中古物件購入×フルリノベーション」なら、ぜひCRAFTにお任せください。
<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。