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マンションを買い替えることにしたけど、何をしたらいいかわからない。マンション買い替えは、本当にわからないことばかりですよね。
今回は、マンションの買い替えを成功に導く「3つの鍵」について紹介します。「売り」「買い」の優先度や注意点、さらに苦手意識がある人の多い税金を理解すれば、マンションの買い替えで失敗することはありません。
マンション買い替えのタイミングは「築10年前後」がベター?
マンションの買い替えのタイミングに正解はありません。
しかし、築10年前後の中古マンションは非常に需要が高く、売れやすいので、「築10年前後」は買い替えにおける最適なタイミングの一つだと言えるでしょう。
また、築10年前後は、「住宅ローンの控除終了」「大規模修繕」のタイミングとも重なります。
住宅ローンの控除終了
ローン残高の一定割合分が税金から控除される「住宅ローン控除」は、マンションを購入してから10〜13年と優遇措置を受けられる期間が決まっています。そのため、優遇措置が終わったタイミングで買い換えれば、十分にメリットを教授できるということに。
大規模修繕の期間
マンションでは定期的に大規模な修繕が行われますが、そのスパンは10〜15年が一般的です。実際に、窓が覆われてしまい、非常にうっとおしい暮らしを強いられる大規模改修期間に売却する方も少なくありません。
この大規模修繕のために徴収される「修繕積立金」は築年数が古くなればなるほど値上がりする傾向にあるため、住宅ローン控除が受けられる期間が終了し、修繕積立金の金額が上がる可能性のある築10年前後のタイミングは、マンションの最適な買い替えのタイミングだと言えるわけです。
今は売り時!中古マンション価格は上昇中
マンションを買い替えるタイミングを考えるときに参考にしたいのが市場の動向ですが、中古マンションの価格は2013年ごろから上昇し続けています。
「東京カンテイ」70㎡あたりの中古マンション価格によると、首都圏の場合、2010年に70平米あたり2,965万円だった相場が、2019年には3,709万円にまで上昇。さらに2022年の中古マンション平均価格は前年比+13.2%と、2年連続2桁上昇となっています。2023年もその傾向は続くでしょう。
これまで、中古マンションの売却価格は築5年で約20%ほど、築10年で約30%ほど下がるとされてきました。
しかし最近の中古マンションだと価値が下がらないケースも多く、物件によっては購入時の価格より高く売れるケースもあるほどです。
市場の動向で売却のタイミングを考えるのであれば、「今は売り時」だと言えます。
マンション買い替えのおおまかな流れ
マンションの買い替えは、大きく分けると次の2つに分かれます。
・既存マンションの売却
・新規マンションの購入
ここでは、マンション買い替えの流れについて把握しましょう。
〈既存マンションの売却〉
既存マンションは、次のような流れで売却します。
1.マンションを査定
2.不動産会社と媒介契約
3.マンションの買主と売却契約
4.買主にマンションの引き渡し
このほかにも、マンションの売却にはリノベーションを伴う場合があるため、リノベーションに強いパートナーを選ぶこともポイントになります。
〈新規マンションの購入〉
新規マンションは、次のような流れで購入します。
1.物件探し
2.マンション購入(契約)
3.住宅ローンの手続き(利用する場合)
4.代金の支払い
5.引っ越し
マンション購入時でポイントになるのは「物件探し」と「住宅ローンの手続き」。
既存マンションの不満点や新規マンションへの要望などを事前に不動産会社に伝えておくことで、希望に合った物件や住宅ローンの金融機関をスピーディーに紹介してくれるでしょう。
なお、マンションの売却から住み替え完了までには「3ヶ月〜半年程度」の期間が必要と言われています。リノベーション前提なら、さらに期間がかかるでしょう。そのためマンションの売却期間や物件探しが長くなれば、そのぶん住み替えまでの期間も長引いてしまいます。住宅ローンなど、物件選びに直結しない手続きはできるだけスピーディーに行いましょう。
マンション買い替えは「売り先行」「買い先行」どちらがおすすめ?
マンションの売却と購入。同時進行でやるには少し荷が重いですよね。マンションの買い替えは、堅実な「売り先行」と、マイペースに住み替えできる「買い先行」があります。さらにほかの手も。
1.「売り先行」
「売り先行」は、「既存マンションを売却後、その資金を元にマンション探しをする」というマンションの買い替えにおける堅実な方法です。
新規マンションのスケジュールに合わせる必要がなく、マンション売却の期限を設定する必要がないため、買い手に対する安易な値引き交渉も不要。また、マンション売却で手に入れた費用を元にマンション探しをするため、新規マンションの資金計画が立てやすくなります。
しかし、マンションの売却から新規マンションの引き渡しまでの期間は、仮住まい探しや仮住まいの費用なども視野に入れなければなりません。仮住まいの期間が長引くほど、仮住まいの費用も高額になるので注意しましょう。
〈売り先行のメリット〉
資金計画が立てやすい
希望の価格で売りやすい
〈売り先行のデメリット〉
仮住まいが必要になるケースが多い
急いで物件を探す必要がある
2.「買い先行」
「買い先行」は、「新規マンションを購入後、既存マンションを売りに出す」というマンションの買い替え方法。「売り」優先と違って仮住まいの必要はありません。常に自分の住まいがあるため、手持ちの予算に問題さえなければ、焦ることなく無期限で新規マンションを検討できます。
しかしそれと引き換えになるのが、金銭面のデメリット。売却予定のマンションでローンが未完済の場合は、新規マンションのローンと二重ローンになる恐れがあります。また、想定していた金額でマンションが売れないことも考えられるため、その後の購入したマンションに対する資金計画が乱れる可能性も。
これら金銭面の不安要素を払拭するサービスとして、「買替え特約」や「つなぎ融資」といったものもあります。「買い」優先で動く際には、仲介業者にこれらサービスの利用可否を相談し、協力を仰いでみましょう。
〈買い先行のメリット〉
仮住まいの必要がない
新居探しに時間をかけられる
〈買い先行のデメリット〉
売却を急ぐため、希望の価格で売れないことも
3.業者による買取サービス
これらのほかに、マンションの買い替え方法には「業者による買取サービスを利用」という手もあります。これは、既存のマンションを個人ではなく不動産会社に買い取ってもらうという方法。売却価格は相場の70〜80%に下がってしまうものの、売却時の内覧対応なども不要なため既存マンションを迅速に手放せます。
売却期限がずらせない場合や、立地条件や築年数などの条件面で買い手がつきにくい物件の場合などは、業者にマンションを買い取ってもらうことで新規マンションの物件探しに集中できます。
マンション買い替え資金はどう用意する?「住み替えローン」と「つなぎ融資」
マンションを買い替える際は、マンションの売却代金で住宅ローンの残債務を一括返済するのが一般的です。ただ、マンションを売却しても残債務が残ってしまったり、新しいマンションを購入するタイミングまでに古いマンションの売却が決まらないこともあります。
そのようなケースで活用できるのが、「住み替えローン」と「つなぎ融資」です。
住み替えローンとは
マンションの売却額よりも住宅ローンの残債務が多くなってしまうときは、新しい住宅の購入費用と残債務をまとめて借り入れできる「住み替えローン」で対処できます。
ただ、住み替えローンには、
・借入額が多くなる
・審査が厳しい
・金利が高い
などのデメリットもあるので、実際に利用する際はその特性をよく理解しておかなくてはいけません。
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つなぎ融資とは
「購入する物件が決まっているものの、マンションの売却が完了しておらず、まとまった購入資金を用意できない…」というときは、つなぎ融資を活用して新居の方を先に購入しておくこともできます。
ただ、つなぎ融資には、
・融資期間が1年以内と短い
・事務手数料や保証料などの諸費用がかかる
・一般的な住宅ローンよりも金利が高い
・マンションの売却が完了するまで高い金利を支払い続ける必要がある
・つなぎ融資をおこなっていない金融機関もあり全ての金融機関で利用できるわけではない
など、いくつかデメリットがあるので、利用する際はそれらを加味した上で利用するようにしてください。
マンションを買い替えるときにかかる税金とその他の費用
マンションを買い替える際は、税金やその他の費用もしっかり把握しておかなくてはいけません。
マンションの売却によって利益が発生する場合は、「所得税」や「住民税」が発生する可能性があります。ただ、買い替えによって発生する利益については「3000万円の特別控除」または「買換え特例」などの制度を活用することで非課税にできるので、ぜひ活用するようにしてください。
逆にマンションの売却によって損失が発生してしまったときは、確定申告によって納めすぎた税金の還付を受けられる可能性があるので、税務署に相談するなどして、必要であれば確定申告するようにしましょう。
新しいマンションを購入する際は、
・印紙税:不動産を売買するときに作成する契約書などの課税文書に課される税金
・登録免許税:不動産登記の際に支払う税金
・不動産取得税:マンションを購入したときに都道府県に対して支払う税金
などの税金がかかります。
また、マンションを買い替える際に発生する諸費用については以下のとおりです。
・売却時:仲介手数料や登記費用などで売却価格の5〜7%の諸費用が発生する
・購入時:登記費用や司法書士依頼費用などで新築マンションは購入価格の3〜5%程度、中古マンションや戸建ては6〜8%程度の諸費用が発生する
マンション買い替えの注意点とは?
マンションの買い替えにおいては、マンションの売却・購入それぞれの場合に注意点があります。
マンション売却時の注意点
〈注意点〉
・事前に周辺の相場を調査
・内覧時の対応に注意
マンション売却の際は、ネットなどで周辺の相場を調べましょう。特に同じマンションで売りに出している部屋があるかどうかはポイント。売りに出している部屋がない場合は、周辺にある同等スペックのマンション価格を調査して、不動産会社が提示する買取価格の妥当性を見極めましょう。
中古マンションの内覧における天敵は、部屋の「生活感」です。内覧時に生活感が垣間見えてしまうと、買い手に良い印象を残せません。生活感を感じさせないためには、水まわりの細かい掃除や日当たり・風通しなども意識しましょう。費用をかけてもいいなら、ハウスクリーニングも視野に入れましょう。
CRAFTでは、売却マンションのリノベーション完成CGを作成。マンションのイメージアップにつなげることで、検討者の購入意欲を高めることができます。またSNS配信や、40年のリノベーション会社の歴史で培ったOB客にも訴求。他の不動産会社とは違う立ち位置で、売却活動を行っています。
マンション購入時の注意点
〈注意点〉
・リノベーションの必要性はあるか?
・マンションの管理状況はよいか?
マンション購入においては、資金計画に並行して「マンションの寿命」も大きなポイントです。新築マンションであれば、今後の修繕計画やマンション規約の細かさなどにも目を向けましょう。
中古マンションを購入する場合は、資金計画と共に将来を見据えたリノベーション計画を立てることも大事になります。中古マンション購入と同時にリノベーションするのも、マンションの資産価値を保つ手段として非常に有効です。
マンション買い替えを成功に導く3つのポイント
マンションの買い替えを成功に導く3つの鍵は、次のとおりです。
〈1〉マンション買い替えの知識を学ぶ
マンションの買い替えでは、買い替えの流れや注意点のみならず、買い替え時にかかる税金など幅広い知識が必要になります。
このような知識がないまま買い替えをスタートすると、わからないことが多く「買い替えなんてしなければよかった」と後悔してしまうかもしれません。一度、深呼吸して気持ちを落ち着かせ、必要な知識を学んだ上でマンション買い替えのスタートラインに立つようにしましょう。
〈2〉売却価格にこだわりすぎない
マンションの買い替えで、売却価格にこだわりすぎるのはNGです。
長年住み続けて愛着のあるマンションですから、少しでも高く売りたい気持ちがあるのはわかります。でも、その気持ちが強すぎるといつまで経ってもマンションを売却できないでしょう。
マンションの買い替えは売却や購入、場合によってはリノベーションも同時進行。やることが多すぎて頭がパンクしている状態で売却ばかりを優先していると、良い物件を購入するタイミングまで逃してしまいます。適正価格でスピーディーな売却を目指しましょう。
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〈3〉マンションの売買やリノベーションに強いパートナーを選ぶ
マンションの買い替えでは、マンションの売買やリノベーションに強いパートナー選びが勝負を分ける重要なポイント。
たくさんの知識だけでなく、売却時の交渉や購入時の物件選びまでサポートしてくれることが大切です。
マンションの買い替えは、とてもじゃありませんが自分一人ではできません。売却時にリノベーションが必要になることもあるでしょう。CRAFTでは物件の売却も承っており、オンライン見学が可能な上、購買希望者さまにVRを用いた提案も行っています。できるだけマンションを有利に販売できるよう、全力でサポートさせていただきます。
〈まとめ〉マンション買い替えならCRAFTへ。購入も売却もスマートに進めます
今回は、マンション買い替えを成功に導く3つの鍵や、マンション買い替えにおける注意点や税金についてもご紹介しました。
マンションの買い替えは「売り」優先がおすすめですが、それに固執しすぎると良い物件に出会うチャンスを逃してしまったり、仮住まいが長引いてしまったりすることも考えられます。
マンションの買い替えは、「売る」「買う」だけでは片付けられないほどの忙しさです。資金計画・ローン・税金、さらに中古マンションならリノベーションも必要。忙しい方だと、かなりの負担になってしまいます。
マンションの買い替えでは、これらに精通した「パートナー」が必要。CRAFTなら、マンションの買い替えをすべてサポートします。
<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。