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中古マンションを「将来売るつもり」で買う人が増えているように感じます。実際、「後々売る前提でマンションを探している」という方も多いのではないでしょうか? 売るつもりで中古マンションを購入するメリットに触れながら、「売りやすい物件」の見極めポイントや少しでも「高く売る」方法などについて紹介していきます。
売るつもりで中古マンションを買う3つのメリット
売るつもりで中古マンションを買う主なメリットとしては、
・資産になる
・ライフステージに合わせて住み替えしやすい
・思わぬアクシデントに対応しやすい
の、3点があげられます。
それぞれのメリットを詳しく解説していきます。
1. 資産になる
将来売るつもりで購入した中古マンションは資産になります。
売却する予定がなくても持ち家は立派な資産ですが、老後も売却せずに住み続けるとなると資産としての価値は低くなります。一方、将来的に売却することを見据えて購入する中古マンションは、適切なタイミングで売れば高値で売却できる可能性がありますし、購入したときより高く売れる可能性も。
将来を見据えて資産を持っておきたい・増やしたいと考えている方にとっては、非常に魅力的なメリットだと言えるでしょう。
2. ライフステージに合わせて住み替えしやすい
通常はほとんどの方が、以下のようなライフステージの変化を経験します。
・結婚
・出産
・子どもたちの独立
そうしたタイミングで「新しいマンションに引っ越したい」と考える方も少なくなりません。
売るつもりで中古マンションを買う場合、「需要が高く売れやすい物件かどうか」が重要なポイントになります。なぜなら「売却がスムーズで住み替えしやすくなる」というメリットにつながるからです。
売却を意識せずに中古マンションを購入すると、いざ「売却したい」と思ったときにスムーズに売却できないことがあります。賃貸に出すという方法もありますが、売却して新居購入費用に当てたいと考える場合は、やはり売れるまで待つことに。すると住み替えの計画が滞ってしまいます。
需要の高さや売れやすさに注目しながらマンションを選んでおけば、すぐに買い手がついてスムーズに売却でき、ライフスタイルの変化にも対応しやすくなるのです。
3. 思わぬアクシデントに対応しやすい
人生は必ずしも計画通りにいくわけではありません。思わぬアクシデントによってライフプランの変更を余儀なくされてしまうこともあります。
例えば、転勤によって引っ越さなくてはいけなくなってしまうこともありますし、隣人とのトラブル、介護などで引っ越しを余儀なくされてしまうこともあります。
老後も生活し続けることを前提に中古マンションを購入すると、そういったアクシデントに対応するのが難しくなってしまいがちです。終の棲家としてマンションを購入しているわけですから当然と言えば当然です。
一方、売るつもりで中古マンションを購入する場合はスムーズに売却活動に移行できるので、万が一の思わぬトラブルにも対応しやすいという強みがあります。
売るつもりで中古マンションを買うときにチェックしておきたいポイント
売るつもりで中古マンションを買うのであれば、需要の高さや売れやすさに注目しながら物件を選ばなくてはいけません。
物件の主なチェックポイントとしては、
・人気のあるエリアかどうか
・最寄り駅までの距離が遠すぎないか
・周辺施設(スーパー、病院)などが充実しているか
・将来性のある街か
・災害リスクは少ないか
・マンションの管理体制はよいか
・日当たり・方角・眺望に恵まれているか
・ブランドマンションかどうか
・築年数は古すぎないか
などがあげられます。
チェックポイントを大きく分けると、立地に関するポイントと建物に関するポイントに分けられます。
それぞれのポイントについては以下の関連記事で詳しく紹介しているので、あわせてチェックしてみてください。
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売るつもりで中古マンションを買うときに避けるべき物件6選
中古マンションを売るつもりで購入するのであれば、しっかりと売却できるマンションを購入しなくてはいけません。そこで注意したいのが、いざ「売りたい!」となったときに売却しづらい、購入を避けるべきマンションです。
売るつもりで中古マンションを買うときに避けるべき主な物件としては、
・劣化が進んでいる
・旧耐震基準のマンション
・定期借地権のマンション
・メゾネットタイプのマンション
・立地が悪い
・管理体制が悪い
などがあげられます。
それぞれ詳しく解説していきます。
1. 劣化が進んでいる
現在売りに出されている中古マンションの中には、状態の良い物件もあれば、劣化が進んでいる状態のよくない物件もあります。
劣化が進んでいる中古マンションは買い手がつきにくく、いざ売りたいとなったときにスムーズに売却できない可能性があるため購入するべきではありません。また、リフォームやリノベーションを前提に購入する場合、修繕や補修にお金がかかり、コストがかさんでしまう可能性があるので、やはりおすすめできる物件ではありません。
売るつもりで中古マンションを購入する際は、物件の状態を確認し、劣化が進んでしまっていないかチェックするようにしましょう。
2. 旧耐震基準のマンション
現在売りに出されている中古マンションの中には、「旧耐震基準」で建てられたものと「新耐震基準」で建てられたものがあります。旧耐震基準では震度5強の地震でも建物が倒壊しないことを基準としている一方で、新耐震基準では震度6強~7程度の地震でも倒壊しないことを基準としています。
旧耐震基準の中古マンションが必ずしも危険だというわけではありませんが、中古マンションを購入する際に耐震基準を重視する方は多いので、売却のしやすさを考えると新耐震基準のマンションを選ぶべきだと言えるでしょう。
3. 定期借地権マンション
定期借地権マンションとは、契約期間を定めて地主から土地を借り、その土地に建設されたマンションのことを指します。契約期間をすぎた後は土地を地主に返却しなければならないため、マンションに住み続けることができませんし、退去しなくてはいけません。
そのため、老後を見据えて中古マンションを購入するなど、購入したマンションに長期間住み続けたいと考えている方から避けられがちですし、解体積立金の負担も発生するので、売るつもりで購入する物件としてはおすすめできません。
4. メゾネットタイプのマンション
2階以上で構成され、戸建てに住んでいるような感覚で生活できるメゾネットタイプの中古マンション。
人気が高いように感じられるメゾネットタイプの中古マンションですが、メゾネットタイプの中古マンションには、
・階が分かれていることで家事動線が悪い
・バリアフリー仕様ではない
など、ならではのデメリットもあります。
そもそもメゾネットタイプの物件を購入の対象として考えていない方も多いので、売却を前提に購入するのに向いていない物件だと言えるでしょう。
5.立地が悪い
「不動産の資産価値の9割はエリアで決まる」と言われるほど、立地はマンションの価値に大きく影響します。
物件自体が魅力的であっても、
・人気のない街にある
・駅やバス停から離れている
・スーパーや病院などの施設が近所にない
など、立地が悪い中古マンションは買い手がつきづらく、売却するまでに時間がかかります。
また、売却価格も低くなる傾向があるので、立地が悪い中古マンションの購入は避けるようにしましょう。
6.管理体制が悪い
状態の悪いマンションは売りづらいと紹介してきましたが、マンションの状態に影響するのが「管理体制」です。
管理体制が整っていない中古マンションは、エントランスや廊下などの共用部が汚れていたり、廊下の電球が切れていたりすることがありますが、そのようなマンションを購入したいと思う人はいません。また、大規模修繕など必要なメンテナンスが適切におこなわれていない可能性もあるため、管理体制が悪い中古マンションも購入を避けるべきだと言えるでしょう。
購入後すぐに売却すると税金が高くなるので要注意
マンションを売却すると、売却によって譲渡所得を得ることになります。この譲渡所得には所得税や住民税などの税金がかかりますが、これらの税金の税率に影響するのが、購入した中古マンションの保有期間です。
購入した中古マンションを5年以内に売却すると「短期所有」という扱いになり、5年以上保有した状態で売却すると「長期所有」という扱いになりますが、短期所有と長期所有では税率が19%も異なります。
所有期間5年以内(短期所有)….税率39%
所有期間5年以上(長期所有)….税率20%
中古マンションを購入した後ですぐに売却すると、支払う税金の金額がはね上がってしまうので、5年以上保有した上で売却するようにしましょう。
中古マンションを売却するときの流れ
では、具体的に中古マンションを売却するときは何をするのでしょうか? 主な流れは以下のとおりです。
マンションを売却することが決まったら、まずは査定を受け、売却予定の中古マンションがいくらで売れるか確認しましょう。査定結果が出るまで数日から一週間ほどかかるので、その間に登記済証や固定資産税・都市計画税納税通知書など、必要な書類を用意しておいてください。
また、そのときの担当者の対応や態度、提示される金額などをチェックしておくのも忘れないようにしましょう。これらの情報は、売却を依頼する不動産会社選びに役立ちます。
売却をサポートしてもらう不動産会社と、媒介契約を結び、売り出し価格を決めて売却を進めていきます。
マンションの売却が成立したら、翌年の3月15日までに確定申告を行う必要があります。
購入した中古マンションを少しでも高く売るには
「購入した中古マンションを少しでも高く売る」コツも知っておきましょう。
・専任媒介契約を結んで販促を強化してもらう
・しっかりと戦略を練って売却する
・リノベーションによる付加価値を訴求する
の、3点を押さえておくことが大切です。
それぞれ詳しく解説していきます。
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1. 専任媒介契約を結んで販促を強化してもらう
中古マンションの売却は不動産会社と媒介契約を結んでおこないますが、複数の不動産会社と媒介契約を結ぶのでなく、一社と専任媒介契約を結ぶのがおすすめです。
専任媒介契約を結ぶということは、その不動産会社にマンションの売却活動を一任するということです。一任することで担当者のモチベーションが高まり、積極的に売却活動に取り組んでくれるようになるので、専任媒介契約を結んで販促を強化してもらうようにしましょう。
詳しくは「物件の売却は「一般媒介」「専任媒介」のどっちがお得?」をご覧ください。
2. しっかりと戦略を練って売却する
中古マンションを少しでも高く売りたいのであれば、なんとなくで売却を進めるのは避けましょう。
例えば、同じマンションの別の部屋が売りに出されていたり、売却しようと考えているマンションと立地や間取り、築年数などが近いマンションが売りに出されているときは売却価格を慎重に決めることが大切です。あえて売却時期をずらす、という方法も。
なぜなら、似たような条件の物件が同じタイミングで売りに出されていると最終的に価格が決め手になることが多く、売却額が目減りしてしまう可能性があるからです。
売却する物件の掲載先としてはSUUMOなど大手の不動産ポータルサイトをイメージする方が多いかと思いますが、それらのサイトには多数の物件が掲載されているため、情報が埋もれてしまい、多くの人に見つけてもらいづらくなる可能性があります。
〈CRAFT〉では、SNSでの販促やこれまでのOB客へのプロモーションによって幅広く優良客を集めているので、買い手になる可能性の高いお客さんにしっかりと情報を届けることができます。
このように、マンションを売却する際は、売却時期や売り出し方などを担当者と話し合い、戦略的に売却活動に取り組むことが大切です。
3. リノベーションによる付加価値を訴求する
〈CRAFT〉が中古マンションの販促時に作成したリノベーションイメージCG
マンションを購入したいと考えている方の中には、リノベーションを前提に中古マンションを購入したいと考えている方も大勢います。そういったお客さんに対して有効なのが付加価値の訴求です。
ただ単に現在の物件の写真を掲載するのではなく、リノベーションのCGイメージなどをもあわせて掲載するようにしましょう。リノベーションした後のCGイメージがあると、リノベーション後のイメージが湧きやすくなり、お客さんのモチベーションも高まります。
リノベーションによる付加価値の訴求は値引き交渉の阻止にもつながるので、ぜひ実践してみてください。
〈まとめ〉中古マンションを売るつもりで買うなら戦略が大切
ライフステージの変化を想定した場合、「売るつもりで中古マンションを買う」のは賢い選択だと言えます。
ただ、今回紹介してきたとおり、何の戦略もなしに思いつきで物件を購入してしまうと、売却したいタイミングで売り切ることができず、住み続けたり、想定よりもはるかに安い価格で売却するなど残念な結果になってしまいかねません。
売るつもりで中古マンションを購入する際は、買い手がつきやすく、高値で売却しやすい物件を探して購入するようにしましょう。
また、実際にマンションを売却する際は、タイミングを考えたり、リフォームによる付加価値を訴求するなど戦略的に売却することも大切です。
〈CRAFT〉では、SNSやこれまでのOB客へのプロモーションを駆使して幅広く優良客を集めています。オーナー様への独自取材などを通して、物件の価値を効果的に訴求することができます。ぜひ〈CRAFT〉にご相談ください。
CRAFTのモデルルームで「中古物件購入+リノベーション」について相談する
*関連記事*
<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。