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新築マンションよりも手頃感があり、物件の選択肢も広がるなどの理由から、近年ますます人気が高まってきている中古マンション。ただ、中古マンションの中には「買ってはいけない」物件もあるため、注意しなくてはいけません。今回は、買ってはいけない中古マンションの特徴について紹介していきます。
買ってはいけない中古マンションってどんなマンション?
買ってはいけない中古マンションの主な特徴としては、
・管理状態がよくない
・立地がよくない
・大規模修繕が適切に行われていない
・旧耐震基準で建てられた築年数の古い物件(例外もあり)
・戸数に対してエレベーターの数が少ない
・管理費や修繕積立金が異様な安さ
・希望通りのリノベーションができない
などがあげられます。
これらの条件に該当する中古マンションを購入してしまうと、思わぬトラブルに巻き込まれてしまったり、マンションの購入を後悔することになりかねないため避けなくてはいけません。
それぞれ詳しく解説していきます。
1. 管理状態がよくない
「マンションは管理を買え」という言葉があることからもわかるように、中古マンションを購入する際は管理状態をしっかりとチェックしなくてはいけません。その物件が魅力的であったり、利便性の高いエリアにある物件だとしても、管理が行き届いていないマンションを購入するのは避けるべきです。
管理体制がずさんなマンションは何かとトラブルが発生しやすいので、内覧の際にエントランスホールや階段など共用部分の状態を確認し、綺麗な状態が保たれているかどうかをチェックするようにしましょう。
2. 立地がよくない
購入したマンションで快適に過ごせるかどうかに大きく影響する「立地」。相場よりも安い物件や綺麗で魅力的な物件が見つかるとつい即決してしまいがちですが、一旦冷静になって立地の良し悪しも確認するようにしましょう。
例えば、駅やバス停まで距離があると普段の生活が一気に不便になりますし、スーパーや病院など生活に欠かせない店舗や施設が周囲にあるかどうかも生活の利便性に大きく影響します。また、小さなお子さんのいるご家庭の場合は、繁華街など治安が乱れがちな地域にある物件も避けるべきだと言えるでしょう。
3. 大規模修繕が適切に行われていない
マンションは鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)のものがほとんどですが、これらは耐用年数が長く、長持ちする構造です。鉄筋コンクリート造(RC造)は特に頑丈で、実際の建物の寿命は100年以上にもなるとされていますが、「大規模修繕が適切に行われている」のが大前提。
マンションでは通常12年に1度の頻度で大規模修繕を行いますが、中古マンションの中には大規模修繕が適切に行われていないところもあります。
そのような物件を購入してしまわないためにも、内覧時にマンションの状態をチェックしたり修繕状況や修繕の予定を確認し、大規模修繕が適切に行われているマンションを購入するようにしましょう。
4. 旧耐震基準で建てられた築年数の古い物件
建物の耐震基準には「旧耐震基準」と「新耐震基準」があります。
旧耐震基準は1981年5月31日までに建築確認が行われた建物に適用されている耐震基準で、震度5強程度の地震でも建物が倒壊しないことを前提としています。一方、1981年6月以降に建築確認が行われた建物に適用されているのが、震度6強〜7程度の地震でも倒壊を免れる高いレベルの耐震基準である新耐震基準です。
旧耐震基準のマンションが必ずしも危険…というわけではありません。現にヴィンテージマンションなどは古くても状態が良く、耐震性も保たれています。あくまで一つの基準として、「旧耐震基準」と「新耐震基準」の違いを知っておいて損はないでしょう。
5. 戸数に対してエレベーターの数が少ない
エレベーターの数もチェックしておきましょう。戸数に対して極端にエレベーターの数が少ないマンションだと、朝や夕方などのピーク時にエレベーターが混雑し、ストレスになってしまいます。
エレベーターの設置台数は100戸に対して1台が適切だとされているので、戸数に対するエレベーターの数も確認しておくようにしましょう。1階〜3階の階段を使用できる範囲であれば、そこまで気にする必要はありません。
6. 管理費や修繕積立金の金額が安すぎる
中古マンションを購入すると管理費や修繕積立金の支払いが毎月発生することになりますが、この管理費と修繕積立金の金額も中古マンションを購入する上でのチェックポイントの一つになります。
管理費が相場よりも「極端に安く」設定されている中古マンションは、管理が適切に行われていない可能性があります。修繕積立金も同様に、相場よりも安い場合は後々修繕積立金の金額が大幅に上がったり、数百万円単位で一括徴収される可能性があります。
管理費や修繕積立金が相場よりも安い中古マンションは魅力的ではありますが、あまりにも安すぎるのは考えものなので、相場と比較して適切な価格で設定されているかどうか確認するようにしましょう。
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7. 希望通りのリノベーションができない
これが一番気をつけたい点です。絶対に買ってはいけないのが「希望通りのリノベーションができない」マンション。もし「リビングを広くしたい」「大きなクローゼットが欲しい」など間取りのご希望があるなら、飛びつくのはやめましょう。「この物件で希望のリノベが確実にできるかどうか」がわかってから買わなければ、後から後悔することになります。
不動産会社は基本的にはリノベーションのプランを提案できないため、CRAFTのように中古物件紹介〜リノベーションまでワンストップでサポートしている会社に相談するのがおすすめです。購入前にリノベーションで可能なプランと、それにかかる概算費用をお伝えするため、安心して購入を検討できる点もメリットです。
すでに気になる物件がある方も、これから物件探しを始めたい方も、お気軽にご相談ください。
買ってはいけない階数はあるの?
部屋の階数も中古マンションを購入する上でのポイントの一つになります。
中古マンションの購入についてリサーチしていると「1階の部屋はデメリットだらけ」や「低層階の部屋は避けるべき」と言った主張を目にすることがありますが、決してそんなことはありません。絶対に買ってはいけない・絶対に避けるべき部屋の階数というのは特になく、低層階の部屋にはそれ相応の魅力があります。
ただ、低層階の部屋には低層階の部屋ならではのメリット・デメリットをしっかりと把握しながら選ぶことが重要になります。それぞれの階数の部屋の特徴やメリット・デメリットについては以下の記事でより詳しく解説しているので、階数を決める際はこちらも参考にしてみてください。
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「リノベ済みマンション」の購入は慎重に
「リノベ済みマンション」とは、すでにリノベーションが完了している状態の中古マンションです。中古マンションは、中古という性質上内装や設備の状態がよくなかったり劣化している物件が多い傾向がありますが、リノベーションによってそれらのデメリットが払拭されています。そのため購入後にすぐに暮らせるのがメリットです/
しかしリノベ済みマンションは、一見すると新しく魅力的な物件に見えますが、配管が交換されないまま、ということも。またリノベーションして販売している分、物件価格が割高になります。すでにリノベーションが完了しているため、理想にぴったり合致する物件を見つけるのが難しいというデメリットがあります。
「まさに理想通り!」というリノベ済みマンションなら購入を検討してもよいけれど、「もっとこうだったら…」と思う部分があるなら、おすすめはしません。
リノベーションを検討しているなら物件選びも慎重に
リノベーションを前提に中古マンションを購入する際は、やりたいリノベーションができる物件を選ぶことが重要になってきます。特に注意しなければならないのが、「ラーメン構造」や「壁式構造」などの構造についてです。
ラーメン構造が梁や柱でフレームを作って建物を支える構造であるのに対し、梁・柱・耐力壁で建物を支えるのが壁式構造になります。
壁式構造は室内に張りや柱が出っ張らないので、部屋の中がスッキリして圧迫感を感じにくいというメリットがありますが、撤去することができない耐力壁がある分、リノベーションでできることが制限されてしまいがちです。
物件を購入した後で「やりたいリノベーションができなかった…」となってしまわないためにも、「やりたいリノベーションができる物件かどうか」をチェックした上で購入するようにしましょう。
〈まとめ〉中古マンションの購入はプロと一緒に進めよう
買ってはいけない中古マンションについて紹介してきましたが、購入を避けるべき物件の見極めは簡単ではありません。かなり判断が難しい部分もあるので、失敗したくないのであれば、知識と経験が豊富な専門家にサポートしてもらいながら進めるべきだと言えるでしょう。
リノベーションを前提とした中古マンションの購入では「やりたいリノベーションをできる物件かどうか」の判断が必要です。そのため物件探しからリノベーションまで一貫して任せられるワンストップリノベーションの会社がおすすめ。
CRAFTでは、物件探しからリフォームまでワンストップで承っています。ぜひお気軽にお問合せください。
<著者>上原 宏介
住宅関連のコンテンツ作成を得意とするライター。専門的な言葉や用語が多くわかりづらくなってしまいがちな建築・リフォーム関連の情報をわかりやすくお伝えしています。さまざまな媒体で建築・リフォーム・不動産関連のコラムを多数執筆中。