目次
中古マンションのリフォームは新築マンションに比べてコストや自由度の面で多くのメリットがあり、住まいの新たな選択肢になりつつあります。
しかし、中古マンションのリフォームにはデメリットも少なからず存在するため、注意が必要です。この記事では、中古マンションをリフォームするメリットとデメリット、実際のリフォーム事例について詳しく解説します。
中古マンションをリフォームするメリット
中古マンションのリフォームには、新築マンションでは得られないメリットがたくさんあります。
ここでは、中古マンションをリフォームするメリットを3つ紹介します。
〈1〉理想の住まいが実現できる
新築マンションでは、キッチンの高さや床のデザインなどの細かい変更ができないケースがあり、設備のグレードも必ずしも高いというわけではありません。
中古マンションをリフォームすれば、自分の好みやライフスタイルに合わせて自由に間取りや内装をカスタマイズできます。床や壁紙はもちろん、キッチンやバスルーム、照明などお気に入りのデザインを自由に選ぶことが可能です。
またこだわりたい箇所にはグレードの高いもの、優先順位が低い箇所にはグレードが低いものなど、予算に合わせてコストバランスを測れることもメリットの一つです。
中古マンションを購入してリフォームすれば、世界に一つしかないオリジナル空間を創り出せます。
〈2〉物件購入費用が抑えられる
中古マンションは、新築マンションに比べて物件価格が安いケースがほとんどです。
マンションは築年数が古くなるにつれて価格が下がっていく傾向にあり、築10年以上経過したマンションは新築マンションに比べて1,000万円ほどの価格差が出ることも珍しくありません。
また、新築マンションでは割引や値下げなどの価格交渉ができないケースが多いですが、中古マンションであれば価格交渉に応じてもらえる可能性があります。
売主が「マンションを早く売りたい」と考えているなら、価格交渉のチャンスです。
物件の購入費用で浮いた分の予算はマンションのリフォーム費用に充てられるため、カスタマイズの幅をさらに広げることが可能です。
〈3〉物件の選択肢が多い
都市部や駅近くなどの人気エリアで新築マンションは倍率が高く、ハードルが高い傾向にあります。
しかし、中古マンションであれば立地条件が良いエリアに既に建てられているケースが多く、新築マンションより選択肢が豊富にあります。
都市部や地方に関係なく、あらゆるエリアに中古マンションが点在しているため、場所に捉われることなく自由に物件探しができます。
住まいや住環境にこだわりがある方であれば、新築よりも中古マンションリフォームがおすすめです。
〈4〉暮らしをイメージしやすい
部屋から見える景色や日常的な騒音、日当たりや風通しなど、どれも暮らしの質に大きく影響するものです。
新築マンションの場合はモデルルームの見学で購入を決めるケースが多く、実際の暮らしのイメージが掴みにくいことがあります。万が一入居後に思うような暮らしができず、引っ越しをしたいと思ってもコストの問題で容易にはできないリスクが想定されます。
中古マンションであれば既に建物は完成しているため入居した後の暮らしのイメージがしやすいというメリットがあります。日当たりや風通しはもちろん、同じマンションの住民の様子もわかります。また静かそうなマンションでも人によっては車の音が大きく感じることもあり、そうした「個人の感覚」で判断できることもメリットです。
中古マンションは購入する前に物件の日頃の様子が確認できるため、より自分に合った物件選びが可能です。
〈5〉資産価値が下がりにくい
前述したように、マンションは築年数が古くなるにつれて価値も下がっていきます。新築マンションを購入して住み続けた場合、10年ほどで当初の購入価格を大きく下回るケースもあります。
しかし、中古マンションであればすでにある程度の築年数が経過しているため、資産価値の低下が緩やかです。
都市部や駅近くなどの立地条件が良いエリアの物件であれば、常に一定の需要があるため、資産価値が下がりにくい傾向にあります。
リフォームすることで物件の資産価値が上がることもあるため、数年後に売却する状況になっても売れ残る心配はほとんどありません。
CRAFTの中古マンションリフォーム事例
CRAFTの中古マンションリフォーム事例を2つ紹介します。
リフォームは何かとイメージがつかみにくい場合がありますが、実際の仕上がりや費用感を参考にするとより判断がしやすくなるはずです。
〈リフォーム事例1〉
お子さまが独立したことをきっかけに、ご夫婦がゆったり暮らせるように中古マンションをデザインリフォームしました。
当初の3LDKからゆとりのある1LDKに間取りを変更し、もともとあった和室をなくしてLDKを大きくすることで窓の外に広がる景色をより身近に感じられるようにしています。
床はスプーンカットのヨーロピアンオークとし、壁はモルタルの左官仕上げに。また、洗面台は職人が時間をかけて磨く「人研ぎ」で、職人の技を感じさせています。
費用:2,700万円
工期:4ヶ月
リフォーム面積:86㎡
築年数:14年
〈リフォーム事例2〉
生活スタイルに合わせて、中古マンションをデザインリフォームしました。
帰宅時に手洗いや荷物を運びやすいように、玄関→サニタリー→キッチンをひと続きの配置に。また、キッチンには家事のための裏動線を設け、就寝時は寝室→サニタリー→WICとスムーズな移動が可能になっています。
玄関ホールやリビング、キッチンには飾り棚やガラス収納を設け、お気に入りの小物や器を眺めながら生活できるようにしました。
床にはオークの挽板フローリングを張り、サンルームにはアンティークを思わせるタイル貼りにするなど、さまざまな素材が調和する美しい空間を実現しています。
費用:3,300万円
工期:4ヶ月
リフォーム面積:93㎡
築年数:18年
中古マンションをリフォームするデメリット
さまざまなメリットがある中古マンションリフォームですが、デメリットもあります。事前に把握しておき、理想のリフォームにつなげましょう。
ここでは、中古マンションをリフォームするデメリットを3つ紹介します。
〈1〉間取りの変更ができない可能性がある
中古マンションのリフォームは、間取りや内装を自由にカスタマイズできることがメリットです。しかし、マンションの構造によっては間取りの変更ができない可能性があります。
マンションの構造には「壁式構造」と「ラーメン構造」の2種類があり、壁式構造では壁が壊せず、希望通りの間取りにできないケースがあります。
壁式構造でも、プランの工夫次第で理想に近づけることは可能です。
気に入った物件が壁式構造であった場合は、壁式構造のリフォーム実績が豊富な会社に相談してみましょう。
〈2〉実際に住みはじめられるまで時間がかかる
中古マンションをフルリフォームする場合、工事が完了するまで数ヶ月〜半年ほど時間がかかります。その間はマンションに住むことはできないため、仮住まいを確保する必要があります。
賃貸住宅に住んでいて、新たに購入したマンションをリフォームするのであれば敷金や礼金などの追加コストはかかりません。
しかし、ご自宅を売却し、引き渡しがリフォーム完成日よりも前の場合は、工事期間中の仮住まいや荷物を保管しておくための倉庫などの確保が必要です。
これはリフォーム費用とは別の費用になるため、予算内に収まるか事前に確認しておかなければなりません。工事期間が長くなるにつれて追加コストも増えていくため、計画的にリフォームを実行することをおすすめします。
〈3〉耐震性に問題がある可能性がある
1981年以前に建てられたマンションは旧耐震基準のものであり、新耐震基準で立てられたマンションに比べて相対的に地震に弱くなります。
旧耐震基準で建てられたマンションであっても補強工事が施されていれば、耐震性の心配はほとんどありません。
しかし、古すぎるマンションは問題が発生するリスクがゼロとは言えないため、物件を選ぶ際は注意が必要です。
〈まとめ〉中古マンションのリフォームで理想の住まいを実現しよう
中古マンションのリフォームには、新築マンションでは得られないメリットが多くあります。
特に中古マンションのリフォームは間取りや内装を自由にカスタマイズできることが最大のメリットなため、自分だけのオリジナル空間を目指したい方におすすめできます。
物件選びやリフォーム内容、予算などの見通しがつかない場合は、リフォーム専門会社に相談してみてください。
CRAFTは間取りとデザインをゼロから構築するフルリフォームを専門とする会社です。中古マンション探しからリフォームも、安心して任せていただけます。
中古マンションのリフォームでわからないこと、気になることがありましたらお気軽にご相談ください。
<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。