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マンションのフルリフォームで悩むのが収納量です。収納が広いとすっきりと片付きますが、多すぎると居住スペースが狭くなってしまいます。大切なのは「必要量」の収納を、「必要な場所に」設けること。今回はマンションリフォームの収納計画のポイントをご紹介します。
マンションをリフォームして収納を増やす目的とは?
マンションリフォームで収納を増やす目的は大きく3つあります。
①家族が増えて、荷物が増えた
②趣味の道具を収納できる場所がない
③家具を置きすぎて生活スペースが狭くなった
それぞれの場合に付いて簡単にご紹介します。
①家族が増えて、荷物が増えた
ご夫婦で結婚と同時にマンションを購入し、お子さんが生まれて家族が増えると、荷物が増えるのは当たり前のこと。特に小さいお子さんが義務教育に進まれる成長過程においては、大人だけの生活では不必要だった小物、おもちゃ、本、洋服などは、目につかない場所に収納するのが困難になることでしょう。
家族が増えると生活の変化によって増えた荷物を収納する特別な場所が必要になります。
②趣味の道具を収納できる場所がない
お子さんが学校の部活動などを始めると、活動で使用する道具や習い事などで必要な用品がリビングに放置されていませんか?ご家族で出かけるキャンピングやアウトドアの用品、ご夫婦の趣味で楽しむゴルフやテニスなど、普段は使わないけど収納場所を確保しておきたいものは結構ありますよね。
こんなとき個別の収納場所が隙間収納を利用してすっきりと片付けることができるようになります。
③家具を置きすぎて生活スペースが狭くなった
洋服が増える度に家具を増やしていませんか?気が付いたら寝室がバラバラの大きさの家具でいっぱい。これでは季節による収納の入れ替えどころか、どこにどんなものを収納してあるかも分からない状態になってしまいます。
リフォームで隙間収納を実現することで、すっきりとした効率的な収納スペースを確保でき、衣服の出し入れを簡単になります。
マンションの収納リフォームをする前に知っておきたい2つのこと
前述した理由から収納を増やすためにリフォームをする際には、以下の2点のポイントに気を付けておきましょう。
①収納範囲と予算にあったリフォーム計画
②工事の方法によってはマンション管理規約の確認が必要
それぞれのポイントに付いて詳しくご紹介します。
①収納範囲と予算にあったリフォーム計画
収納増設のリフォームはマンションの構造にあわせて設置したり、造作家具をとりつけたりする工事を要します。収納のユニット家具や注文家具を使用するかによって費用に大きな幅が生じます。
工事の前に綿密な計画を立て、信頼できる専門のリフォーム会社に見積もりを依頼しましょう。
②工事の方法によってはマンション管理規約の確認が必要
マンションのリフォームでは工事の際に共用部分といわれる構造に影響のある作業が発生する場合があります。マンション管理規約をもう一度確認して、工事に支障がないように準備をしましょう。
マンションの収納アップリフォーム事例1、壁内のデッドスペースを活用
今までただの壁だと思っていた壁面が見事に収納スペースにリフォームできるケースです。通行や生活導線に支障のない壁面なら活用しなくては損。そんな壁面を使った収納増設の事例をご紹介します。
事例①トイレ壁面収納
トイレの壁面の柱と柱の間は空洞。そんな隙間を利用して見事な木の風合いが優しいオープンキャビネットを造作。ストックしておきたいトイレットペーパーやトイレタリーなどの小物は戸棚の中にすっきり収納して、見た目もとってもシンプルで美しく整頓されています。
サブウェイタイルに調和した美しい収納の完成です。
事例②玄関収納(クローク増設)
玄関のシューズクロークがバルコニーやキッチンへつながった余裕の収納スペース。
2x4の構造用材木をエイジング加工させて靴棚として使用したことでインダストリアルなイメージを演出。
奥には外出用のコートなどをかけられるハンガーパイプも設置し、玄関クロークとして機能的な収納スペースを完成することができました。
マンションの収納アップリフォーム事例2、柱の凹凸によるデッドスペースを活用
マンションの構造上どうしても避けられないのが、梁や柱の出っ張り。
しかしこの構造上のデッドスペースをしっかり活用して収納スペースを確保するリフォームができます。
こちらのコーナーに設置された窓際のテーブルスペースは本来なら梁と柱が邪魔をして使い道のないデッドスペース。
しかし壁面の隙間を有効活用してリフォームすることによって、新たに棚を造作し、素敵なライティングテーブルまで設置することができました。
窓から見下ろす景色を楽しみながら読書ができる寛ぎの贅沢なスペースへと生まれ変わりました。
マンションの収納アップリフォーム事例3、間仕切り家具やユニット活用
収納スペースの増設は隙間を活かしたリフォームだけでなく、同時に間取りの変更を可能にします。
ユニット家具などを設置することで広い空間と効率的な収納を手に入れることができます。
事例①リビングの壁に収納増設
こちらはリビングの壁面を利用した収納の事例です。引き戸を閉めるとフラットな壁面に、開けると大容量の収納があらわれます。
格子の扉を取り入れることで、リビングにアクセントが。インテリアとしても調和がとれています。
事例②クローゼット、ウォークインクローク増設
こちらは部屋の間のクローゼットを一カ所にまとめたリフォーム。
家族全員が使えるようにたっぷりの収納力を備えた棚とハンガーラックを設置。
導線を2カ所に確保することでウォークインクロークへの出入りも大変スムーズ。
季節の衣替えや掃除も楽になり、非常に合理的な収納スペースが完成しました。
〈まとめ〉隙間を活用してマンションで収納を増やすリフォームを実現!
マンションの構造上、柱の出っ張りや梁はデメリットのように受け取られがちですが、発想の転換で実はその隙間を有効に活用できるのです。
隙間を上手にリフォームしたり、間取りを変更したりすることで、また新たな利便性を生活に取り入れ、快適な毎日を送ることができます。
見逃していたデッドスペースを活用し、十分な収納スペースをつくりましょう。収納を含めたフルリフォームのご相談は、ぜひCRAFTへ。
※CRAFTはフルリフォーム専門会社のため、収納リフォームのみには対応していません。
<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。