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マンションのフルリフォームで「リビング横の和室はいらない」という方は少なくありません。せっかくならそのスペースを取り込んで、広いLDKをつくりたいですよね。今回はリビング横の和室をリフォームした事例とポイントをご紹介します。
マンションのリビングで和室をリフォームするのはなぜ?
マンションの和室リフォームは大きく、2通りのパターンがあります。
①リビング横の和室がいらない
→「和室の洋室化」と「和室を洋室化したあとリビングに繋げる」
②リビングの横、または一角に和室が欲しい
→「リビングと繋げないが和室をリフォーム」「リビングの一角に小上がりの和室を作る」
リビング横の和室は、家族構成の変化に伴って、リフォームをしたくなるポイントです。
和室のリフォーム、リフォーム後の希望イメージで、リフォーム内容も費用も異なりますので、どちらのリフォームを希望しているのかを明確にしておきましょう。
①マンションの「リビング横の和室がいらない場合」のリフォームとは
和室を撤去するリフォームは「和室の洋室化」と「和室を洋室化したあとリビングに繋げる」の2通りあります。近年では和室とリビングを繋げるリフォームが人気です。
和室の洋室化
和室をリビングと繋げるとき、和室の仕切りだけを撤去し、そのままリビングと繋げるというリフォームはあまり聞きません。
和室をリビングと繋げる際も、和室をリビングにする必要があるでしょう。和室とフローリングを繋げるというのは、言い換えれば「和室の洋室化」であり、個室全体のリフォームといえます。
LDと和室の間仕切壁・建具の撤去
具体的な工事の内容は、土壁を壁紙にする、畳をフローリングにする、ふすまを撤去する、障子を撤去するなどです。また、神棚や掛け軸などの処理も考えなければなりませんので、完全にリフォーム会社の人にまかせっきりというわけにはいきません。
壁を除去して間取りを変更するかで費用感が変わる
和室を洋室にするだけのリフォームと和室をリビングに繋げるリフォームでは相場が大きく異なります。なぜなら同じ「和室の撤去」といっても、前者は個室の全面リフォームであり、後者は間取り変更のリフォームであるからです。
よって予算を見積もる際は、どちらのリフォームを行うかを先に考えなければなりません。和室を撤去するリフォームは予算のかけ方によって数10万~100万以上と変動がありますので、しっかりとリフォーム会社の人と打ち合わせをしましょう。
和室をなくす場合のメリット・デメリット
和室に使われる畳、障子、ふすまなどは確かに機能性が高く、デザインも優れています。しかし、汚れやすく傷みやすいので、手入れが大変です。和室が特に必要ないと考えている人は、和室を撤去し、リビングを広くした方が便利です。
しかし、和室を撤去する前に、再度和室のメリットを考慮した方が良いです。和室は非常に汎用性の高い部屋であり、その1室が寝室にも客間にもなります。
また、和室によく使われる土壁は部屋の湿度を適度に保ってくれるので、年中快適な空間でくつろぐことができます。これらのメリットが特に必要がないと思った人だけが和室の撤去に取り掛かるのが良いでしょう。
②マンションの「リビングの横に和室が欲しい場合」のリフォームとは?
マンションの部屋の面積は限られています。よって、新たに和室が欲しいといった場合は、洋室の和室化か、リビングの一角に小上がり和室を作るリフォームが多いです。
近年では機能面などから後者の方が主流です。
仕切り・間取りを変更して新たに和室を作る
洋室の和室化では、洋室1つをそのまま和室にできれば簡単ですが、1つの立派な和室を新たに作るには仕切りや間取りを変更しなければならないことも多いです。
よって、和室を新たに作るリフォームの場合、間取り変更を考慮しなければなりません。
リビングの一角に小上がりの和室を作るリフォーム
和室を増やすリフォームで近年主流になっている方法です。和洋が混ざったモダンな雰囲気が非常に人気です。
また、リビングに小上がりスペースを作ることで部屋に立体感が生まれ、リズムが感じられます。さらに、段差に収納スペースを設けることができるので、収納スペースを増やすことができるのも便利です。
新たに和室を作る場合・小上がり和室を作る場合のメリット・デメリット
小上がり和室のメリットとして筆頭に挙げられるのが、実は「収納面」です。中には収納を増やす目的で小上がり和室を作る家庭もいるでしょう。
小上がり和室の段差に作った収納スペースは非常に使い勝手が良く、広く使えます。また収納スペースに床の面積を取られないところも魅力です。そして、この収納スペースを確保しつつ、上で述べた和室のメリットが加わってくるのです。
しかし、これにもデメリットがあります。それはやはり「リビングが狭く感じてしまう」ことです。リビングの面積そのものが変わらないのですが、小上がりになっているがために、圧迫感を覚える方もいるかもしれません。
マンションのリビングのリフォームで和室に関する費用
マンションリフォームを検討されている方が最も気になるのはやはり予算でしょう。和室変更リフォームには相場といったものが存在せず、予算のかけ方次第で大きく変動します。それでは、予算毎にどのようなリフォームができるかを見ていきましょう。
リビング横の和室を除去して広々としたリビングにする場合 50万円~
リビングを広くする目的で和室を撤去する場合、50万円は見ておいた方が良いでしょう。
畳をフローリングに変えたり、壁を壁紙に変えたりするだけではなく、壁の撤去なども必要となりますので、大掛かりな工事になります。
50万円という予算は、値段を抑えての値段ですので、リビングを広くしたのは良いものの、天井の高さの違いや動線の不自然さなどが若干残ってしまいます。リビングが良い具合に和室と隣接していますと、この予算でも充分質の高い仕上がりになりますが、できれば予算を妥協しない方が良いです。
ある程度予算をかけてでも、より統一感ある仕上がりにする場合は、80万円~の場合も
天井の高さの違いや動線の不自然さをできる限り目立たなくし、より自然な広々としたリビングにしたい場合は80万円以上を見た方が良いです。
このリフォームは50万~80万円のリフォームより大掛かりなものになります。「2つの部屋を繋げる」というよりは「マンションの大がかりなリフォーム」をイメージした方が良いです。
リビングの一区画を和室にリフォームする場合 30万円~
リビングの一角に小上がりの和室を設置する場合は、壁の撤去や間取りの変更などがあまり必要ないので、洋室を和室にするリフォームよりも大掛かりなものになりません。予算でいうと30万円からが目安です。
小上がりの和室を設置する場合は、小上がりの高さや収納スペースの確保、動線が不便にならないかなどをしっかりと考慮しましょう。
※上記はあくまで一般的な費用であり、CRAFTの実際の金額とは異なります。
〈まとめ〉マンションのリビングリフォームで理想の和室を実現しよう!
洋室が住居の主流となった今であっても、好んで和室を利用する方は多くいます。それは単に日本人にとって居心地が良いからではなく、機能性や居住性においても和室は非常に優れているからです。
高級ホテルで「癒しの空間」としての和室を取り入れているのを見ると、そのことが分かるでしょう。リビングに和室を設置し、あなたのマンションをよりリラックスできる空間にしてみてはいかがでしょうか。不要な和室の用途変更を含めたフルリフォームのご相談は、ぜひCRAFTへ。
※CRAFTはフルリフォーム専門会社のため、和室リフォームのみには対応していません。
<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。