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仏壇の置き場所に困っていませんか? ある調査によると、日本の4割の家庭には仏壇があるそうです。一方、昔は一般的だった「床の間」がある家はごくわずか。
そこで、仏壇をどこに置くかという問題が出てきます。 基本的に仏壇は”北向きを避けた方がよい”、と言われていますが、そのほかのルールはありません。和室でも洋室でも大丈夫。ただし、リビングのように毎日手を合わせられる場所に置くのがベストです。とすると、今度はインテリアにマッチしないという問題が。
今回は、住まいに埋もれず、かといって目立たない、仏壇の置き場所を考えたいと思います。
〈仏壇の置き場所1〉インテリアの邪魔をしない
「あの、お線香をあげたいのですが…」
「ありがとうございます。こちらにどうぞ~」
扉を開けると、そこには立派な仏壇が。
こちらは白とダークブラウンでまとめたモダンなお住まい。すっきりとした木目のウォルナットが重厚です。キッチンカウンターと左側の収納はオリジナルでデザイン。その収納のなかに、仏壇置き場をつくりました。
ご親戚が集まったときは扉をオープンにし、手をあわせる。ほかのゲストが来たときは扉を閉めて、仏壇の存在感をなくします。これならインテリアの邪魔をすることもありません。
いつも家族でにぎわうダイニングにいられたら、ご先祖さまも寂しくありませんね。
〈仏壇の置き場所2〉畳スペースの真ん中に
「仏壇はいつも出しておきたい」という方もいらしゃるでしょう。そういった方におすすめしたいのが小上がりの畳スペース。
小上がりはちょっと腰掛けるのにちょうどよい高さです。ご年配のゲストやお母さまも、ゆっくりとくつろげるようになりました。
ゴージャスでモダンなLDKのイメージに合わせ、小上がりも和モダンに仕上げています。縁なしの黒い畳や、大胆な石目模様が美しい壁。ダウンライトがそれらをよりゴージャスに見せています。
仏壇が、インテリアのようにクールにLDKになじんでいます。小上がりスペースに引き戸を設ければ、仏壇がゲストの目にふれないようにすることも可能です。デザイナーに相談しながらプランを決めていきましょう。
モダンインテリアにフィットするミニ仏壇も人気
最近では「仏壇を押し入れに置く」という方も増えてきているそうです。バチがあたることはありませんが、なんだか忍びないですね。それなら、現代の暮らしにフィットするミニ仏壇に買い替えてみてはいかがでしょう。
「仏壇って買い替えていいの?」とご心配の方もいますが、大丈夫です。買い替えを検討するタイミングとしては
・新居に仏壇があわない
・仏壇がかなり傷んできた
・仏壇が大きすぎて置き場がない
・インテリアに合わせたい
などです。
A4サイズの仏壇なら、置き場所にこまらない!
デザイン仏壇・仏具を手掛けるインブルームス。「祈り」を自由にとらえたデザインが目立ちます。木の素朴な質感と、どんな空間にも馴染むシンプルさが特徴です。 なかでも注目したいのは、こちらの〈A4仏壇〉。
飾る仏壇としてグッドデザイン賞を受賞しています。
その名のとおり、A4サイズ。オブジェのようにモダンな仏壇で、これならリビングでも寝室でもまったく気にならないでしょう。
仏壇の大小は関係なく、大切なのは祈る人の気持ち。目にするたびにほっとするような佇まいで、やさしい気分にさせてくれます。
スペースが限られたマンションなどにお住まいの方におすすめのサイズ感です。
まとめ
4、50年前までは家に仏間があることが当たり前でした。しかし時代が変わり、仏間どころか和室すらない住まいが多くなってきました。
「本当は仏壇があったほうがいいけれど、置き場所がなくて…」という理由で、仏壇をお持ちでない方もいるそうです。
もし大きな仏壇の置き場にお悩みなら、今回ご紹介したようにリノベーションで収納の中や、小上がりにスペースをつくる方法がオススメです。ゲストが来たときは扉を閉めて存在感がないように。ふだんは扉を開けて、朝晩手を合わせることができるように。
そのスペースもとれない場合は、A4仏壇のようにミニサイズのものに買い替えてみてはいかがでしょう。住まいのデザインやライフスタイルに合わせて、仏壇の置き場も変えて行く時代です。
<著者>中野 瀬里乃
大学卒業後、出版社・フリーライターを経て、2013年リノベーション会社CRAFTへ入社。自社HPやオウンドメディアにてリノベーション・不動産・建築・インテリア関連の事例紹介やコラムを多数執筆。