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インテリアで基調となる色の主流といえば、白やベージュといった明るめの色。しかし、最近はダークブラウンインテリアに注目が集まっています。
ダークブラウンインテリアにはどのような特徴があるのでしょうか。コーディネートのコツ、リノベーションの実例をご紹介します。
ダークブラウンインテリアの特徴
インテリアにダークブラウンを取り入れると、落ち着き・高級感・重厚感を強調することができます。また、黒やダークブラウンなどの暗い色は「収縮色」と呼ばれ、空間を引き締める視覚的効果があります。こもった感じや静かな雰囲気を演出するのに適している色です。ダークブラウンの木材には、ウォールナットやオーク、サペリなどがあります。
コーディネートのポイント
インテリアに重厚感をもたらすダークブラウンですが、やみくもに取り入れるだけでは、重苦しく単調な印象や圧迫感のある空間になってしまうことも。バランス良くコーディネートするコツを確認してみましょう。
テーマを決める
「ホテルライク」「アジアンスタイル」など、インテリアのテイストやテーマを決めることで空間演出の方向性が明確になります。採用する建具や家具の取捨選択がしやすくなるでしょう。
素材感・テクスチャーを重視する
ダークブラウンでまとめたインテリアが単調な印象とならないように、色味だけではなく素材感も重視しましょう。無垢材や天然石といった豊かな表情を持つ自然素材は、空間に味わいと趣をもたらしてくれます。また、ワイルドな岩肌と艶が光るガラスといった、異なるテクスチャーも美しい対比を生み出します。
ライティングにこだわる
ダークブラウンインテリアの高級感や重厚感をより強調するために欠かせないものが、照明計画です。間接照明やスポットライトの効果的な配置により、素材の持つ表情を浮かび上がらせ、立体的な空間を演出することができます。落ち着いた雰囲気を活かすためには、明るくしすぎないこともポイントです。
実例1:アジアンモダンのダークブラウンインテリア
ロフトのあるマンションをアジアンモダンにリノベーションした実例です。「ホームパーティができるように」とのご希望から、使わない一室をLDKに取り込み、吹き抜けの開放的をより活かした空間に。LDKに面した扉と壁面には、チークの木目を揃えて貼っています。高さを上げたリビングの天井には、壁面に色味を合わせたオークの無垢材を採用。床がカーペット敷きのため、ダークブラウンの面積が大きくなりすぎず、ほどよいバランスを保っています。ご親族から譲り受けた照明やワインセラーが調和するシックな空間です
実例2:ブルックリンスタイルのダークブラウンインテリア
リノベーションを前提に購入した中古マンションを、ブルックリンスタイルに生まれ変わらせた実例です。玄関からLDKへと続く壁にチークの古材を貼り、ワイルドでインパクトのある空間に。スポットライトが素材の豊かな表情を照らし出し、不揃いな陰影を生み出します。古材のバーカウンターの上には、黒いスチール製ラックを設け、グラスやお酒のボトルが並べられるように。コンクリートむき出しの天井に古材・スチールなどのラフな素材感が調和する、音楽とお酒が好きな施主さまらしい住まいです。
実例3:木と石が美しいダークブラウンインテリア
中古マンションをシックなセカンドハウスにリフォームした実例です。ゆくゆくは本邸としての利用を想定しています。フローリングにはウォールナットを採用し、LDKの壁には風化したような質感が味わい深い大谷石を貼りました。収納とパントリーを木箱のような空間にまとめた空間は、ウォールナットの突板パネルで囲み、すっきりとした印象に。ダイニングテーブルとチェアはオリジナルで作成しました。ダークブラウンの木と天然石が調和する、都心の喧騒を感じさせない落ち着いた住まいです。
実例4:ヴィンテージなダークブラウンインテリア
リフォームを前提に購入した中古マンションを、お持ちのヴィンテージ家具や雑貨が似合う空間に生まれ変わらせた実例です。LDKの天井に貼ったダークブラウンのサペリマホガニーは、木目の印象が強いものを選定してインパクトを強調。TVボードも同じ素材で造作しています。玄関からダイニングへと続く壁には重厚感のある割肌の石、床にも天然石を採用しました。主張の強い素材を多用しながらも、整然とした構成によりモダンな空間となっています。
実例5:ホテルライクなダークブラウンインテリア
事務所兼住宅だったRC造のビルを、ゲストとともに楽しめる住まいへとリノベーションした実例です。広々としたLDKは、ダイニングとリビングの間に低い本棚を設置して、ゆるやかにゾーニング。壁と天井にはウォールナットのルーバーを設け、縦と横の直線で構成されたクールな空間に仕上げています。床にはやさしい石目の大理石「トラバーチン」、リビング側の壁にもグレーのイタリア大理石を採用し、美しい素材感を強調。ホテルライクな高級感があふれる、モダンな住まいです。
〈まとめ〉ダークブラウンインテリアで高級感・重厚感・落ち着きを演出
住まいに高級感・重厚感・落ち着きを演出したいなら、ダークブラウンインテリアがおすすめです。
単調で狭苦しい印象の空間にしないためには
・インテリアのテーマを明確にする
・素材感を重視する
・ライティングにこだわる
これらがポイントになります。
<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。