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数ある別荘地の中でも、特別なブランドを感じさせる軽井沢。洗練された街なみ、飲食店のレベルの高さから「東京24区」とも言われています。
今回は人々が軽井沢に惹きつけられる理由や、軽井沢の別荘リフォームのポイントなどをご紹介します。
軽井沢でリフォームするのはどんな人?
「別荘」「避暑地」と聞くと、みんながまずイメージするのが軽井沢。軽井沢に別荘を持つステイタスはもちろん、夏の過ごしやすさ、都心からのアクセスのよさ、魅力的な観光スポットなど、ほとんどパーフェクトな別荘地です。そんな軽井沢の別荘をリフォームするのは
1.軽井沢に別荘を所有している人
2.軽井沢の中古別荘を購入した人
3.軽井沢の中古別荘、または中古戸建てやマンションを購入して移住する人
など。昔から変わらないのは、経営者や大手企業の役員クラスによる別荘所有。それに加えて30代の子育て世代の移住が増加しているのは、ここ数年の大きな変化。それには2020年に開校した幼小中の一貫校〈軽井沢風越学園〉の存在が大きいでしょう。自然に囲まれて幼稚園から小学生まで共に学ぶという新しいスタイルは、教育意識が高いアッパークラスの夫婦に深く共感されています。
加えてコロナ禍でより人気上昇中の軽井沢。テレワークの普及で都心にいるメリットがなくなったことも後押しし、軽井沢の中古別荘や戸建てを買ってリフォームする人が増えているようです。
軽井沢でリフォームのオススメプラン!リフォーム事例とともにご紹介
軽井沢でリフォームするなら、軽井沢の恵まれた環境を活かせるプランがおすすめです。軽井沢リフォームにおすすめなプランをピックアップしてご紹介します。
(実際に軽井沢をリフォームした事例ではなく、あくまでおすすめのデザイン事例です)
軽井沢リフォームおすすめプラン1 〈自然と調和するデザイン〉
ゆたかな自然に囲まれた軽井沢。きっと別荘の窓からは、すがすがしい白樺を眺めることができるでしょう。
こちらのお住まいは、そうした景色と邸内が美しく調和するようになデザインにリフォームしました。キッチン~ダイニング~リビングの一面の壁には大谷石を使用し、伸びやかで和モダンな空間に。あえて厚みのある大判の石を貼ることで、自然のリアリティを表現しています。床は既存のフローリングを残し、一部に大谷石を貼りました。趣のある大谷石は、昔から変わらない軽井沢の景色に溶け込みます。
LDKで過ごしていると、大きな窓からは目の覚めるような緑が視界に飛び込んできます。テレビもPCもいらない。ただただ景色を眺めているだけで、満ち足りた気分になれる別荘です。
軽井沢リフォームおすすめプラン2〈経年変化をたのしむ本物素材〉
あふれんばかりの自然に溶け込ませるためには、経年変化で味わいが増す「天然素材」がおすすめ。天然素材とは、天然木や石、珪藻土などのこと。たとえば無垢のフローリングに傷ができたり変色しても、それがかえって趣となり、より一層軽井沢の景色に溶け込みます。むしろリフォームしたてのピカピカよりも、経年変化したほうがもっと居心地がよくなります。
こちらは床はアッシュの無垢フローリング、壁と天井には珪藻土で仕上げました。吹き抜け部分の腰壁にはサペリの無垢材をセレクト。一方で鉄骨のスケルトン階段やモダンなキッチンによって、洗練されたイメージをキープしています。天然素材のぬくもりに包まれた別荘は、ゆっくりとした時間の流れを感じさせます。
軽井沢リフォームおすすめプラン3 〈薪ストーブに癒される〉
軽井沢の別荘フォームでぜひおすすめしたいのが、薪ストーブです。エアコンや床暖房に比べてあたたかさは言うまでもなく、極寒の軽井沢ではもはや三種の神器と言えるほど。薪の炎を眺めながら過ごすことも、別荘の醍醐味。
こちらのお住まいは、別荘リフォームで薪ストーブを新設しました。スマートフォンで温度管理ができるため、薪ストーブ初心者さんでも大丈夫。静かに燃える火を囲んで、お酒を飲みながら家族や友人と語り合う時間は格別。薪ストーブはエアコンやヒーターのように手軽ではないけれど、薪をくべて火をおこし、パチパチと静かな音をたてて燃える薪の音に癒されます。リフォーム時に煙突を新設しました。
軽井沢リフォームおすすめプラン4 〈四季を感じるウッドデッキバルコニー〉
軽井沢の別荘地は敷地が広いため、隣家や道とかなり距離があります。そのため、都内のようにまわりの視線を気にする必要がありません。
そんな軽井沢の別荘におすすめなのが、ウッドデッキバルコニーやテラスです。リビングとひと続きにすることで、セカンドリビングもしくはアウトドアリビングとして使用頻度がぐっと増えます。大事なのはキッチンやリビングからのアクセス性。料理をさっと運んだり、ふらっと外に出たりしやすいほうがよいでしょう。よく晴れた気持ちのよい朝、ウッドデッキバルコニーで朝食をいただくのは最高の贅沢。季節ごとの景色の変化をダイレクトに感じながら、軽井沢の魅力を享受できます。
軽井沢リフォームおすすめプラン5〈心地よい書斎〉
「リゾートワークをしたいけれど、家族がいるから集中できない」という方もいるのではないでしょうか。これから軽井沢の別荘をリフォームするなら、ぜひおすすめしたいのが書斎です。ご家族がリビングでくつろいでいる間も、仕事に集中できるでしょう。小さなお子さまがいなければ、リビングの一角に設けてもよさそうです。
窓の外にはさわやかな初夏の緑や、雪景色が広がっている。仕事の内容は変わらないのに、自然に囲まれたデスクに座るだけでモチベーションが高まります。ストレスなくPCが作動するよう、インターネット環境は整えておきましょう。
軽井沢の夏は過ごしやすく、冬はちょっと厳しい
言うまでもなく、軽井沢の夏は快適です。浅間山のふもとにある軽井沢高原は標高が高く、7月8月には濃霧が発生するためとても涼しいのです。8月の最高気温は26℃前後と、東京の5月下旬くらいの気温。ほとんどクーラーなしで過ごせます。
そのかわり、1月は極寒。ちょっと外を歩けば体の芯まで冷え、帰宅後にあわてて薪ストーブに火を入れなければなりません。もちろん雪かきも必須。冬の間に滞在しない場合は、水道管に溜まった水が凍結して破裂しないように水抜きもします。何かとやることが多いのが軽井沢の冬の別荘です。管理会社にすべて任せてもよいかもしれません。
寒さ厳しい軽井沢ですが、個人的には冬の景色はとても素敵だと感じています。道路や樹々はまっ白な雪におおわれ、観光客はほとんど見当たらず、あたりはしんと静まり返っている。完璧に独立した世界です。あたたかな室内から銀世界を眺めていると、ほんとうの軽井沢のよさがわかります。
夏は誰もが快適で、冬は好みが分かれる…といったところでしょうか。
軽井沢で中古別荘を買ってリフォームする際の注意点
夏は涼しいけれど、冬は寒い軽井沢。リフォームするならこうした軽井沢特有の気候を考慮してプランニングしましょう。軽井沢の別荘リフォームの注意点をまとめました。
寒さ対策
前の所有者によりますが、軽井沢の中古別荘は、基本的には冬を過ごすために建てられていません。軽井沢の別荘に移住したり、冬も使用する場合は、断熱工事などの「寒さ対策」が必要です。具体的には壁の躯体に断熱材を充填します。またサッシ交換やペアガラスへの交換でより断熱性をアップすることも。床暖房や薪ストーブなど、暖房機器を見直すのもよいでしょう。〈CRAFT〉では、過ごす季節やご希望に合った寒さ対策を行います。
カビ対策
軽井沢は濃霧が発生するため、湿気が多くカビが発生しやすくなっています。とくに旧軽井沢エリアは湿気が高いため、カビ対策はマストです。リフォームでは湿気の溜まりやすい床下に換気扇を設けるなどして通気性をアップしたり、基礎の内側に防湿コンクリートを打つなどしてカビを抑えます。そのほか壁の断熱工事や24時間熱交換換気システムもカビ対策として効果的。〈CRAFT〉では、別荘の状況を確認しながら最適な防カビ対策を行います。
凍結対策
冬には氷点下になる軽井沢。そのため冬には水道管などに溜まっている水が凍結し、破裂することがあります。その対策として行うのが「水抜き」です。
だいたい10月下旬ごろから行われ、自身でやる方もいれば、管理会社に依頼する方もいます。中古別荘の場合、水抜きの手間を軽減できるようにリフォームするのがおすすめです。冬季に滞在しない場合は、不在時のことを考えながらリフォームを計画しましょう。冬も別荘で過ごすなら、凍結防止ヒーターを整備していれば水抜きの必要はありません。
軽井沢のおすすめ別荘エリア
1〈旧軽井沢エリア〉軽井沢No. 1の高級別荘地
圧倒的にブランドバリューがあるのが旧軽井沢エリアです。旧軽銀座や万平ホテル、ショー記念礼拝堂などがありオンシーズンは観光客でにぎわっていますが、別荘エリアはとても静かです。苔に覆われた涼しげな道を歩いていると、門から建物が見えないくらい広い敷地に点在する別荘。また建築雑誌に出てきそうなモダンな別荘。都心でいうと南麻布や広尾といった立ち位置で、軽井沢の高級エリア。売り物件はなかなか出ないうえ、出てもすぐに売れてしまうため、旧軽井沢の別荘を買いたい場合は長期戦になるかもしれません。
2〈南ヶ丘・南原エリア〉軽井沢No. 2の新興高級別荘地
歴史ある旧軽井沢に対し、南ヶ丘・南原は新興高級別荘地といったところでしょうか。旧軽井沢のように「親から受け継いだ」という方ではなく、ご自身で購入した方が多いようです。そのため比較的オープンでリラックスしたコミュニティが形成されています。こちらも旧軽井沢と同様に人気のエリアのため、なかなか空き物件がでない上に高価格帯が中心です。
3〈新軽井沢エリア〉二拠点生活にぴったり
旧軽井沢から「JR軽井沢駅」を挟んで反対側は、「軽井沢プリンスショッピングプラザ」のあるありにぎやな新軽井沢エリア。旧軽井沢のオーセンティックな雰囲気とは少し異なりますが、スーパーや銀行、幼稚園などもあるためとても便利。なかでも「矢ヶ崎」は新幹線の停車する「JR軽井沢駅」から徒歩圏内という、緑ゆたかで駅近という珍しい別荘地です。免許がない方や、東京と軽井沢のに拠点生活を楽しみたい方にもおすすめです。
4〈中軽井沢エリア〉移住におすすめ
軽井沢の生活の中心で、定住者が多いのが中軽井沢エリアです。中軽井沢北エリアには千ヶ滝といった自然や星野リゾート(「トンボの湯」はお得な町民価格あり)、中軽井沢南エリアには人気のご当地スーパー「ツルヤ」や軽井沢小学校学校・軽井沢中学校があります。別荘なら森にたたずむ別荘地の北エリア、定住するなら生活に便利な南エリアがおすすめです。旧軽井沢よりは比較的手頃に物件が手に入りやすいエリアです。
5〈南軽井沢エリア〉渋滞のストレスなし
「都内の自宅と頻繁に行き来したい」という方におすすめなのが南軽井沢エリア。複合レジャー施設の「軽井沢タリアセン」があるあたりです。碓氷軽井沢インターより10分程度のため、オンシーズンでも渋滞に巻き込まれる心配がありません。またゴルフ場が多く、軽井沢ではゴルフプレイを中心にを楽しみたい方には最適です。このエリアで有名なのが、1961年に誕生したレイクニュータウンというレマン湖周りに広がる別荘地。一旦さびれてしまったものの、2007年に再開発されそこそこ人気を取り戻しています。
6〈追分・御代田エリア〉低価格帯でコスパよし
追分エリアは「軽井沢ブランド」としてはやや弱いものの、湿気が少なくメンテナンスや維持費が抑えられるというメリットがあります。緑ゆたかで別荘地の雰囲気がありながらも「土地が手頃でコスパよし」と考える方の購入が増えています。また軽井沢町ではありませんが、隣町の御代田エリアには若いファミリー層の移住が急増中。緑が多く小学校・中学校・スーパーがそろっています。軽井沢の涼しげな別荘の雰囲気とは異なるものの、「軽井沢ブランド」にこだわらない人々の注目を集めています。
軽井沢の別荘リフォームまとめ
軽井沢でリフォームする場合のおすすめプランや注意点をご紹介しました。
せっかく軽井沢の別荘をリフォームするなら、美しい景色を取り込んだ特別な空間をつくりましょう。もちろんずっと心地よく過ごすためには、寒さ対策・カビ対策・凍結対策なども必要です。
テレワークの浸透で、働く場所の選択肢がぐっと広がりました。もし別荘をお持ちなら、「休暇だけ過ごす場所」にしておくのはもったいないと思います。夏も冬もリラックスして過ごせる、軽井沢の別荘。そんな素敵な場所をリフォームで手に入れてみませんか?
軽井沢にはいくつかのリフォーム会社があります。地元のリフォーム会社や全国展開している大手リフォーム会社、または〈CRAFT〉のように都内にありながら、別荘リフォームに対応している会社も。〈CRAFT〉は別荘の築年数や状態に合わせて、ベストなリフォームプランを提案しています。
<著者>中野 瀬里乃
大学卒業後、出版社・フリーライターを経て、2013年リノベーション会社CRAFTへ入社。自社HPやオウンドメディアにてリノベーション・不動産・建築・インテリア関連の事例紹介やコラムを多数執筆。