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マンションの騒音対策!床の防振・防音対策についてリフォームの注意点をご紹介!

マンションの騒音対策!床の防振・防音対策についてリフォームの注意点をご紹介!
マンションの騒音対策!床の防振・防音対策についてリフォームの注意点をご紹介!

マンションの防音対策!まずは「騒音」の種類について知ろう

階下住民との騒音問題になる一番の原因は、「床の衝撃音」という事をご存じですか? また床の衝撃音というのは、音の原因によって2種類に分類されます。

主にどのような原因がどんな衝撃音になって伝わるのかご紹介します。

重量床衝撃音

子どもが跳ねたり、重いものを動かしたりすると、「ドスン」という重量感のある音が鳴ります。これを「重量床衝撃音」といい、鈍くて低い響きの音になります。

軽量床衝撃音

机から小さいものを落とした時の「コツン」という音、スリッパをはいて歩いた時の「パタパタ」という音を「軽量床衝撃音」といいます。軽く高い響きの音になります。 上記のように、騒音の種類は2つあります。軽量床衝撃音はカーペットを敷くなど簡単な対策で済みますが、重量床衝撃音の対策は簡単ではありません。

マンションの床の防音対策のために知っておきたい、騒音が響いてしまう3つの理由

マンションの騒音、特に重量床衝撃音が階下に響く理由は、次の3つの要素が関係します。

① 建造物の材質

② コンクリートのスラブ厚

③ 床材の遮音性能等級(L値)

上記の3つは、初めて防音対策リフォームを検討されている方には、少し聞きなれないかもしれません。 それぞれについてキチンと把握する事で、効果的な床の防音対策リフォームを行えます。①から順に解説いたします。

① 建造物の材質

床から伝わる騒音の大小は、建造物の材質によって異なります。

一般的なマンションの構造、材質は以下の通りになります。

・鉄骨

・鉄筋コンクリート(RC造・SRC造)

比較すると、鉄筋コンクリート造の方が防音性能に優れています。しかし音の大小はマンションの材質だけでなく、コンクリート部分の「スラブ厚」、床材に関係しています。

② コンクリートのスラブ厚

聞きなれない「スラブ」という言葉ですが、これは鉄筋マンション構造における床板の、コンクリート部分のことを指します。床側のスラブを「床スラブ」、天井側のスラブを「天井スラブ」と呼びます。

そしてこのスラブの厚さを「スラブ厚」と呼び、マンションの防音性、遮音性、特に重量床衝撃音に大きく関わってきます。

スラブ厚が大きいほど、重量床衝撃音は響かない

鉄筋コンクリート構造のマンションでは、スラブ厚が大きければ大きいほど、重量床衝撃音の吸収力が高くなります。 一般的なマンションの基準は200㎜ですが、築30~40年経過した古いマンションは150㎜~180㎜と厚みが薄く、最新のマンションでは220㎜というのが標準化しています。

③ 床材の遮音性能等級(L値)

マンションの遮音性能はスラブ厚だけではありません。マンションの床材のL値も併せて確認する必要があります。L値が低い床材を使用したマンションは、スラブ厚が厚くても音が響いてしまいます。

遮音性能等級(L値)とは?

マンションのような集合住宅では、騒音の種類や伝達レベルによって不快に感じる状況を数字で表す表記基準があります。このことを遮音性能等級(L値)といいます。

遮音性能等級(L値)が高いと、防音効果が高い

遮音性能が高いという事はそれだけ騒音を遮断する能力に優れているという事。上階の騒音が階下にどの程度のレベルで伝わっているか?という実験をもとにつけられたのが、遮音性能等級です。


フローリングは遮音性能等級(L値)が高い基準ではない事も…

カーペットや畳が敷かれている床は基本的に防音性能が高いと考えられ、防音規定の対象外になっています。しかし、床をフローリングにリフォームする際は、「L-45=喋り声があまり気にならない程度」「L-40=遠くで音がするのが聞こえる程度」以上の、2レベルが基準となります。

マンションの床防音リフォームのポイント3!

床の防音リフォームをするには、3つの注意点があります。


ポイント① フローリングの種類

ポイント② 防音リフォームの種類

ポイント③ 二重床と直床

畳やカーペットからフローリングへリフォームをする場合、騒音問題を考慮して、防音効果のある床材を使用する必要があります。 畳の厚みは40~50㎜に対し、フローリングは12㎜と極端に薄くなるため、マンション管理規約に定められた防音基準(一般的にはL45~40が標準)をみたさなければなりません。

それぞれの注意点について詳しくご紹介します。

ポイント① 床に使えるフローリングの素材とは

マンションの床に使えるフローリングの材質は大きく分けて2種類あります。 それぞれにメリット・デメリットがありますのでご紹介します。

合板フローリング

合板フローリングとは、ベニヤ板を何枚も接着剤で張り合わせて厚みを持たせ、表面に天然木材や合成樹脂を貼って、形成したものです。 素材やカラーが豊富で、遮音性のレベルもフレキシブルな種類がそろっていて、傷や凹みに強く耐水性にも優れたものが多いのが特徴です。

デメリットは、見た目の品質が比較的粗雑で、複合素材のため冬の耐寒性に欠ける事です。

無垢フローリング

無垢のフローリングとは、張り合わせを全くしていない100%自然木で、質質感や肌触りのよい素材になります。 調湿作用に優れているため、夏は涼しく冬は暖かいのが特徴です。肌触りがよく、経年による自然木の風合いを楽しむ事ができます。

デメリットは、傷がつきやすく、過年による反りやひび割れが生じる恐れがある事です。

ポイント② 知っておきたい防音リフォームの床材紹介

フローリングの床材を使用して、防音のリフォームをする場合に大きく分けて3つの方法があります。

防音効果の高い床材を使用

・「直張りフローリング」 … 遮音フローリングという材質を使用して、コンクリートスラブの上に直接貼り付ける

・「スタイロフォーム下地・遮音フローリング」 … 発砲スチロールの下地を弾く ・「パーティクルボード下地

・遮音フローリング」 … 下地に遮音用ボードを敷く

どの工法も床を歩くとふわふわした踏み心地になるクッション性が増すタイプです。

遮音マットを敷く

床材は好みのものを準備して、床材の下に遮音マットを敷くことで軽量床衝撃音がかなり軽減されます。

断熱材グラスウール

ファイバーグラスは基本的に断熱材として使用されますが、遮音効果に優れた種類を床材の下に敷き詰める事で、かなり遮音性が高まります。

ポイント③ 「二重床」と「直床」によって変わるリフォーム方法とは

既存の床が「二重床」か「直床」か、という事でも、床のリフォームの難易度が変わります。

二重床

二重床はコンクリートスラブと床の間に空間があり、通常は支持ボルトや防振ゴムなどで、固定されているため、隙間の間に遮音材や断熱材を入れることが容易にできます。


直床

直床はコンクリートスラブの上に直接床材が張り付けてあるため、新しく使用する床材にたくさんの遮音材を使用する必要があります。

マンションの管理規約は床の防音リフォームの前に確認しておこう!

床のリフォームをする場合、マンションでは管理規約の中に、床材変更や騒音に対する規定が設けられています。各マンションで設定された内容にばらつきがありますので、あらかじめ確認をしておきましょう。

管理規約に別紙がある場合

築年数が古いマンションの管理規約には基本的にマンションリフォームの概念がなく、記載がされていない事がほとんどです。

しかし記載がないからと言って、制限がないという意味ではなく、年数の経過を経て改めて付け加えられた別紙や契約書の欄外に「フローリング禁止」といった項目が追加されている場合があります。規約に即した内容の計画を提出したあとに、騒音問題の懸念から指摘を受けるケースも少なくないようです。

また同時に床材の変更は全く認めず、カーペット以外にはリフォームを禁止しているマンションもありますので、計画の時点であらかじめ確認しておきたいものです。

管理規約で躯体部分への工事規定

天井や床のリフォームをする場合、防音効果を上げるための工事にマンションの躯体部分へのくい打ちや、変更を余儀なくされる必要性が出てくる事があります。

しかし一部のマンション管理規約ではこの行為を執拗に禁止する傾向があり、工事の経過途中でリフォームを断念せざるを得なくなるケースもあるそうです。

どの範囲まで工事の影響があるかという具体的な構造の計画についても詳しく把握しておく必要があるでしょう。

防音床リフォームの知っておきたい心得とは

床をリフォームする際に注意したい事は、マンション管理規約を守りながら希望通りにできるか、という事ではないでしょうか。

床のリフォームで床材を違うものにする場合は特に、既存の床材から変更することで遮音性が規定以上得られる事と、リフォーム前の生活から利便性や機能性が向上している必要があります。

リフォームの計画時点で十分にリフォーム会社と相談をして、リフォームに臨みましょう!

CRAFT 編集部

<著者>CRAFT 編集部

一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。

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