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築35年の賃貸マンションを一棟まるごとリノベーションしたOさん。当初は建て替えを検討していたものの、経済的なメリットやプランの自由度の高さから、リノベーションを選択したそうです。棟内には、家族や友人と伸びやかに過ごせるオーナー住戸も新設。「リノベーションのきっかけ」や「クラフトを選んだ理由」などをじっくりとお聞きしました。
リノベーションの方が建て替えよりもメリットが大きい
CRAFT(以下C):人気エリアながらも大通りから入っているため、とても静かな環境ですね。今回、一棟リノベーションすることになった理由を教えていただけますか。
ご主人さま:両親からは、いずれ私たちが受け継ぐことを前提にマンションの管理・修繕を任されていました。しかし築35年で内装が古く、メンテナンスが大変で。両親とも話し合って「建て直そう」ということになったんです。でもいざ調べると鉄筋コンクリート造で躯体がしっかりしている分、建て直すにはかなりの費用と期間がかかることがわかりました。そこで次に「一棟リノベーション」という選択肢が出てきたんです。
C:躯体が丈夫なら、建て替えよりもリノベーションした方がメリットは多いですね。リノベーション会社はどのように選ばれたのでしょうか。
奥さま:まずはクラフトさんと大手さん両方のお話を聞いて、プランやコストを比較することにしました。私たちの住まいも棟内に設けるつもりだったので「デザイン性」はかなり重視しています。
提案プランを見て、夢が一気に広がった
C:大手と比較した結果、クラフトを選んでくださったのはどうしてでしょうか。
ご主人さま:クラフトさんはご提案の一つひとつが明確で、期待以上のプランで応えてくれた点が大きかったです。たとえば、ワンフロアを私たちの住居スペースにするつもりでしたが、思っていたよりも狭くて…。するとクラフトさんは外廊下や駐車場を取り込んでスペースを広げるアイデアを出してくださいました。
奥さま:プランを見て夢が一気に広がりました。これならキッチンと玄関を広げつつ、パントリーもストレージも、子供部屋も確保できる。私たちが住む上で、一番メリットのあるプランを考えてくださったのがクラフトさんでした。
それに完成するまでの約1年間、私たちのことを考えて丁寧にフォローしてくれそうな点と、大手さんよりも費用が抑えられていたことも決め手になりました。
周辺エリアの住民属性を調べてターゲットを明確に
C:賃貸住戸のプランニングはどのように進んでいきましたか?
奥さま:まずはクラフトさんにご紹介いただいた不動産専門のリサーチャーの方に、周辺の家賃相場や近隣住民の属性などを調べていただきました。その結果、周辺には高収入の方やペット難民の方が多いということがわかりました。こちらの各住戸の面積からすると、単身者・二人暮らしで共働きの方々がターゲットになるかな、と。
ご主人さま:ターゲットが明確になったので、女性も安心して過ごせるようにオートロック付きの門扉と防犯カメラを設置してセキュリティ性を高めました。宅配ボックスも新設しています。
C:エントランスはタイルや木目の縦格子でモダンな雰囲気に変わっていますね。使いやすさだけでなく、見た目もかなり一新されたと思います。
ご主人さま:そうなんです。雨の日でも濡れずに郵便物を受け取ることができるように、庇(ひさし)を付けたり、駐車場の一部に自転車置き場を設けるなど、借り手の細かなニーズも逃さずプランに取り込んでいただいています。
ご主人さま:室内のプランもとても工夫されているように感じました。たとえばペットドアやキャットステップ兼収納棚、ケージの置き場所など、普通の賃貸マンションにはないアイデアが詰め込まれています。
奥さま:それからキッチンの広さ、収納量なども「しっかりと女性に配慮されているな」と感じました。的を射たご提案ばかりだったので、ほぼそのままでお願いしています。
C:最初に調査してターゲットを明確にしたため、スムーズにプランニングを進めることができたんですね。
ご主人さま:そうですね。費用に関しても、周辺の家賃相場から明確な収支計画を出してくださったので、損益分岐点を意識しながらリノベーション費用を検討することができました。初めてのリノベーションでしたが、資金計画面もフォローいただけたので、そう迷うことなく進められました。
オーナー住戸は3部屋をつなげて伸びやかに
C:Oさんご一家の住居部分はどのような部分にこだわられたのでしょうか。
奥さま:まず一つ目は、キッチンスペースを広げたことです。平日は私がキッチンに立ちますが、休みの日や友人が来たときにいつも料理を作ってくれる主人のこだわりでした。
ご主人さま:料理中もリビングの友人と会話ができるよう、オープンの対面キッチンをリクエストしました。広い作業カウンターやMieleの食洗機も私の希望です。キッチン奥には広いパントリーがあるので、片付けやすくてリビング・ダイニングがごちゃごちゃしにくいところも気に入っています。
C:ご主人さまがますます料理の腕をふるいやすい環境になったのですね。そしてこちらのウッドデッキ、リビング~各個室まで続いていてとても広いですね。ホームパーティーで大活躍しそうです。
ご主人さま:せっかく広いスペースがあるので、テラスは全部ウッドデッキにしました。子供や犬が遊べるし、これからの季節は友人を招いてガーデンパーティーも考えています。寒い季節は掘り炬燵で鍋なんかもいいですね。
C:こちらのオープンの和室は、セカンドリビングのように使えそうですね。
ご主人さま:テーブルを外してフラットな畳にできるので、普段はオープンにして開放的に、ゲストが泊まるときは建具を取り付けて独立した客間にするつもりです。シーンに合わせて用途を変えることができるフリースペースとなっています。子供たちが友人とゲームをできるように、スクリーンも入れました。
「今日はどんな提案が?」と毎回の打合せがたのしみ
C:ご自宅と賃貸部分で広範囲のリノベーションとなりましたが、プランニングで大変だったことはありましたか?
ご主人さま:最初に理想のインテリアイメージの写真をお送りしてからは、ほぼデザイナーさんにお任せしたので「大変だな」と感じることはありませんでした。初期段階で制作いただいたCGがとてもよかったので「もうこのままでお願いします」と。「あとはお任せしておけば大丈夫だよね」と妻と話していました。間取りもデザインも数パターンご用意くださっていたので、私たちはどんどん決めていくだけ。進行はとてもスムーズでした。
奥さま:私は「今日はどんな提案をいただけるんだろう?」と毎回の打合せがたのしみでした。もう決まったことでも、「もっと考えてきました」というご提案があって。私たちが満足している部分も、お会いするたびにどんどんブラッシュアップされていくんです。
また両親にプランの内容を丁寧にご説明くださるなど、営業さんからは常に先回りしたお心遣いがあり、安心してお任せすることができました。
周辺の新築相場と同じ家賃で収益アップ。築35年はデメリットじゃない
C:先日から入居者を募集され、少しずつお部屋が埋まっているようですね。反響としてはいかがでしょうか。
ご主人さま:「ペット可」のマンションなんですが、入居者の中にはペットを飼っていない方もいらっしゃいます。どちらの方にとっても魅力を感じていただける物件になっている…ということですね。賃料は周辺の新築相場と同じくらいに設定できました。築35年の物件は通常なら避けられがちですが、全くデメリットになっていないようです。
C:やはり室内やエントランスにこだわりを感じられると、借り手からの印象は格段にアップするのですね。最後にリノベーションを通して、大切だと感じた点を教えてください。
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奥さま:「優先順位をつけること」だと思います。全体の予算があるなかで、私たちは「賃貸部分」は借り手のニーズを汲み取ること、「自宅部分」は家族や友人と過ごしやすいことを優先しました。それをリノベーション会社さんにきちんと伝えて、そこからどんな提案が出てくるかを待つ。それはコストバランスの調整だけでなく、会社を選ぶポイントにもなりました。
これからリノベーションする方も、ご自身の優先ポイントを明確にリノベーション会社に伝え、その会社さんが「自分たちの期待に応えてくれるか」を見極めることが大切だと思います。
インタビュー後記
築35年の賃貸マンションの管理を任されることになり、最初は「どうしよう」という気持ちの方が大きかったというOさん。しかしクラフトの提案プランを見た瞬間に、その不安は吹き飛んでいったそうです。
大切なのは、「リノベーションで譲れないポイントを整理し、会社に伝えること」。そのこだわりは細部にまで反映され、「賃貸経営」と「ゆたかな暮らし」のどちらも叶えられる建物へと生まれ変わりました。
ご両親が建てられた建物を、これからはOさんご一家が大切に住み継いでいきます。
■物件データ■
総戸数:9戸→6戸+オーナー様住戸
築年数:35年
構造:RC(鉄筋コンクリート)造
間取り:1DK~2LDK(賃貸部分)
リノベーション総面積:406㎡
ターゲット:単身・カップル・夫婦
エリア:目黒区
※こちらの詳しいプランは、デザインリフォーム・リノベーション事例 #00577をご覧ください。