物件データ
夫婦で中古マンションにお住まいのSさん。海外で過ごしたホテルのようにくつろげる空間にしたい、とデザインリフォームすることに。内装は白とダークブラウンでシンプルかつシックにまとめて大人ための上質な空間に。床には赤みがかった深い色合いが特徴のローズウッドを敷設し、はっきりとした木目の表情をLDKのアクセントとしました。独立していたキッチンは、リビング・ダイニングと一体にし、ゆとりのスペースを確保。キッチンカウンターの延長線上にダイニングテーブルを設け、リビングから見たときにフラットに見えるように仕上げたこともポイントです。来客が多く席が足りないときは、小上がりの座卓をつなげて6人席に。心地よいキッチンに生まれ変わったことで、料理がよりたのしくなったそうです。
旅先の思い出を散りばめ
会話が弾むくつろぎの空間
住み慣れた住まいのリフォームのため、間取りや生活動線は大きく変えず、暮らし心地やデザイン性を高めたほうがよいと判断しました。キッチンと一体にして伸びやかさが生まれたリビング・ダイニングからは、窓からの景色をたのしむことができます。造作した飾り棚には海外旅行がご趣味のご夫婦の思い出の品々を飾ることができ、思い出話に花が咲きます。玄関にはイタリアの旧市街で目にした石壁を表現し、情緒あふれる空間に仕上げました。楽しい記憶を呼び起こすような工夫を施し、ゆったりとくつろいでいただけるような住まいが誕生しました。
リビング・ダイニング
白とダークブラウンでまとめたLDK。白の洗練さとダークブラウンの重厚感がホテルのような落ち着きをもたらしています。床には赤みかがった茶色がうつくしい光沢を放つローズウッドの無垢材を敷設。建具や造作も床材と同じ色調でそろえ、空間一体がシックを雰囲気で包み込みました。窓からの眺めを活かして窓際にはデスクカウンターも造作。開けた景色を眺めがなら読書や仕事ができる、贅沢な空間となっています。
キッチン
レンジフードの上部は下がり天井を設けて黒く塗装し、ダクトスペースを隠蔽。脇の壁も、パイプスペースを隠すために木目調のキッチンパネルを貼りました。海外旅行の思い出の品々や写真を飾るためにダイニング側に飾り棚を設け、背面を鏡張りにして室内をより伸びやかな印象に。機能性だけでなくデザイン性にもこだわりながらシックに仕上げています。
LDKの一角に
オープンな小上がり
LDKの一角にある小上がりは、平常は開放してLDKと一体の伸びやかな空間に、来客時は吊り戸を閉めて客間として使用することも可能。さらに、洗面室と浴室の位置を入れ替えることでゆったりとした空間に生まれ変わっています。大きな間取り変更はせずに、各スペースにゆとりを持たせることができました。
収納を随所に
設けてすっきり
生活感を見せずにすっきりと暮らすため、キッチンの背面にはトースターや炊飯器がぴたりと収まるスライド収納を設けました。さらに、新設した大きなWICは和室と洋室の両側から出入りできるようにし、使い勝手を高めています。もともとリビング・ダイニングに隣接していた和室を小上がりに変えて、畳の下を収納スペースとして活用していることもポイントです。
玄関
「イタリアの旧市街で見かけた石壁を再現したい」というSさんのご要望から、旅行写真を参考にしながら同じテクスチャーの石を探し出しました。玄関の一角には時を隔てたような石壁が圧倒的な存在感を放っています。周囲の壁や扉を白く塗装し、より石壁の持つ表情を引き立たせました。空間に連続性を持たせるため、床にはLDKと同じローズウッドの無垢材を敷設しています。
洗面所
さわやかな明るさを感じさせる洗面室。リビングのスペースを広げるため、キッチン横に置いていた洗濯機をこちらに移動し、ビルドインに。洗面台の下部にすっきりと納まり、洗面室にゆったりとした広さを確保。脇の壁のパイプスペースは、隙間を収納として使用できるように工夫しています。