物件データ
14年前に新築で購入した建売住宅を、ライフスタイルと好みに合わせてリフォーム。玄関ホールとリビング、ダイニングがそれぞれ独立し閉鎖的だったことから、リビングとダイニングの間の壁を撤去し、玄関ホールとリビングの間の間仕切りをガラスに変更。それぞれの空間を連続させることで明るく伸びやかな空間に。また、LDKのフローリングは無垢材の表面を削り、キッチンカウンターや洗面台の天板は磨き上げるなどし、既存の設備を新品のようによみがえらせました。2階にあった収納は4つに分かれていて使いにくかったことから、1つの大きなWICにまとめています。ワンフロアがつながるような空間構成により、伸びやかで心地のよい暮らしが可能になりました。
フロアの大半を占める大空間のLDK。
階段の位置を変えて玄関にもゆとりを確保
ご希望はどこか面白みがありながらも、開放感のある心地よい空間。さまざまなプランを提案しましたが、Kさんが選んだのはリビングとダイニングをつなげてLDKの開放感を高めつつ、オープンになったキッチンが丸見えにならないようにしたプランでした。そこで、フロアの大半を占めるほど大きなLDKを新設。また、暗く狭い印象だった玄関ホールは階段の位置を変えてスペースを拡大しました。リビングとの間にはガラスを入れて連続性を持たせ、実面積以上の広がりを感じられるように。構造計算に基づいて柱や壁を撤去し、それ以上に補強して安全性を高めていることもポイントです。
リビング・ダイニング
リビングとダイニングを隔てていた壁と引き戸をなくしてゆったりとした空間を設けました。出幅が狭くて使いにくかった出窓は、高さと色調に揃えたカウンター収納を造作し、ゆったりとディスプレイできるように。食器はもちろん、エアコンやガスファンヒーターなど生活感ある設備も収めてすっきりと見せています。
リビング・ダイニング
フローリングに使われていた無垢材は厚みがあったため、表面を磨いて再利用しています。また、間仕切りの撤去に伴って露出した床には、既存の床材に似た素材を継ぎ目のないように貼ってフラットに仕上げました。上部のダウンライトは細長いリビング・ダイニングに等間隔に配置して、シンプルな空間に光のリズムを与えています。
階段
白い空間にスケルトンの黒い階段が浮かび上がる様子が、リビング・ダイニングからガラス越し見えて印象的です。上部を吹き抜けにして上下階のつながりを感じさせるとともに、開放感を高めました。階段下の空間には、オブジェなどを飾れるように間接照明を入れました。潔いほど無駄を省いた造形がかえって強い個性となり、見る人の心に深く刻まれます。
リビング・ダイニング
玄関ホールとLDKの間はガラスで仕切って伸びやかさをもたらしつつ、冷暖房効果を高めています。またLDKの、玄関ホールの正面に位置する場所にはご愛用のクラシカルな家具を配置し、室内に入る瞬間の視線を集めました。それぞれがつながりのある空間としてお互いの見せ方を計算しながら、家具や階段の配置にもこだわっています。
玄関
エントランスの床には光沢のある大判タイルを敷いて光を反射させ、明るさと上品さをもたらしています。ガラス越しに見えるLDKまで連続させることで、視覚的な伸びやかさを感じさせました。階段右のトイレの扉はフラットに仕上げて印象を弱め、階段の存在を引き立てています。
洋室
2階は天井裏のスペースを活かしてロフトを拡大。それにともなって、2階のユーティリティースペースに続く白い階段を新設しました。イギリスから輸入したエレガントなクロスは、上部のトップライトの光を受けてやさしく反射します。ゲストの目に触れることのない場所も華やかに彩り、豊かな気持ちで過ごせるようにしました。
使える既存の設備は、
加工を加えて
新品同様の輝きに
LDKの床は厚みのある無垢材が使用されていたため、表面を削って塗装し直すことにしました。また、キッチンカウンターと洗面台の天板は、磨いて新品のような輝きを取り戻しています。一部が突き出していたキッチンのカップボードは同素材で作り直すなど、既存の設備に加工を加えてコストを抑えながら、新築当時の新しさを蘇らせています。
階段を移動し、ガラス間仕切りして
玄関ホールの明るさを確保
1階は玄関ホールが独立していて暗く狭い印象でした。そこで階段を移動して玄関ホールのスペースを確保し、LDKとの間の壁をガラスに変えて、リビング側から明るさを誘い込むようにしました。さらに、リビングとダイニングの間の壁を撤去してフロア全体に一体感を与えています。構造計算に基づいて梁や筋交いを加え、撤去した以上の補強を行うなどして安全性にも配慮しました。
4つの収納を1つにまとめてWICを新設。
2つの出入り口で生活動線も短縮
2階には十分な量の収納があったものの、細かく仕切られて荷物が分散していることがお悩みでした。そこで4つの収納をまとめて1つの大きなWICに変え、その側に洗濯機置き場を設置。1カ所に衣類を収納できるようになっただけでなく、洗濯物をバルコニーに干し、乾いたらすぐWICにしまえるなど家事動線が短縮。WICの出入り口を洋室と寝室の両側に設けたことも、使い勝手をよくしています。