物件データ
タワーマンションにご夫婦でお住まいのKさん。ご主人さまが仕事をリタイアするタイミングで、セカンドライフを想定してデザインリフォームしました。特徴的なのが、1LDKのゆとりある邸内を大きく回遊する導線。LDK〜寝室〜WTC(ウォークスルークローゼット)〜バスルームと、玄関ホール〜パントリー〜キッチンという2つの動線で廊下をなくして居住スペースを広くするとともに、暮らしをスムーズにしています。また映画や読書、音楽鑑賞などたくさんの趣味を楽しめるように工夫したこともポイントです。リビング横の畳スペースで読書したり、広々としたキッチンでお菓子作りをしたりと充実した自宅時間を過ごせるようになっています。
BEFORE写真
ユニバーサルデザインをさりげなく
ご夫婦でリタイアしてからのライフスタイルをイメージし、さりげなくユニバーサルデザインを取り入れています。段差をなくしたフラットな床、引き戸には大きな取っ手を採用し、開閉しやすいように配慮しました。玄関にはスチールに麻のロープを巻いた手すりを設置。空間に溶け込むシンプルモダンなデザインで、邸内のイメージを損なわずにバリアフリーに対応しています。
読書の畳スペース
リビングサイドにはオープンの畳スペースを設けました。寝室へ向かう通路との間にはオークでデスク兼本棚を製作。窓側の床には焼き物のように味わいのあるタイル、壁にはダークブルーのアクセントクロスを貼り、床の間のような趣に仕上げました。間接照明を入れて、四季折々のディスプレイが映えるスポットに。ダイニング側のテレビ背面にも同じダークブルーのクロスを貼り、異なるスペースながらも統一感を感じられるようにしています。
木のぬくもりに包まれる
フローリングはナラの挽板、それに合わせて建具も木を採用し全体のイメージを統一しました。木のあたたかな質感を感じるシンプルモダンな空間です。リビングの壁にはデスクと引き出しを設置し、テレワークスペースに。三連に連なる引き戸を閉めれば、すっきりとしたイメージをキープできます。
趣味を楽しむキッチン
これまで独立していたキッチンは、向きを変えて対面キッチンに。グレーの天板と扉でモダンな印象にしつつ、木のやわらかな雰囲気を引き締めました。料理中に雑多な印象を与えやすいオープンキッチンは、カウンターを立ち上げてリビングダイニングから手元が見えないように配慮したこともポイントです。料理が趣味で、食べることもお好きだというご夫婦。広々としたキッチンスペースで、料理やお菓子作りを思う存分にたのしめるようになりました。
タイルをアイポイントに
2面の窓の間には壁を立ち上げ、TVコーナーにしました。壁にはタイルを貼って、リビングのアイポイントに。壁掛けTVとビルトインのエアコンで余計な要素を排除し、すっきりと見せています。ソファに座るとすがすがしい窓の景色と、上品なタイルの壁が視界に入り心をリラックスさせてくれます。
暮らしの動線上に寝室
LDK〜寝室〜WTC(ウォークスルークローゼット)〜バスルームと、暮らしの動線上に設けた寝室。ベッドヘッドの壁には石目模様の壁材を貼り、LDKから見たときのアクセントに。調湿作用と消臭効果も備えています。対面の壁にはご愛用のMolteni&Cのガラス棚を設置しました。「寝る」だけでなく、普段から行き来する暮らしの一部でもあることから、見た目の美しさにもこだわっています。
ルーバーで切り替える
LDKと寝室の間の天井にはルーバーを入れ、梁によって生じた天井の凹凸をやわらげつつ、ONとOFFの境目をつくりました。朝起きて顔を洗い、リビングに向かうときには、自然と気持ちが切り替わるように。
使いやすく、美しく
LDKの入口ドアは、引き戸に変更。大きなドアハンドルで開閉のしやすさにもこだわりました。木の質感が豊かなドアのサイドには、FIXガラスを入れてリビングまで見通せるように。リビングの自然光を共有する役割も兼ねています。玄関にはベンチと手すりを設けました。ベンチは床のタイルを連続させ、下部に間接照明を入れて軽やかに。手すりは黒スチールに麻のロープを巻いて、モダンな空間に溶け込ませています。奥さまお気に入りのブラケットライトが、イタリアン漆喰のテクスチャーを際立たせています。